🫧☁Yuzu✖shio🫧☁・3日前
-想花-
感想ください🫧
Flower_12 もう、 会いたくない
『……だったらずっと、俺と一緒にいろよ、陽菜』
『え、?』
『……あ、一人でいると危ないだろ?だから…その』
『ありがと』
『…うん』
『あ、心衣に連絡しよ。』
(電話)
『……あ、もしもし?』
『………』
『心衣?どうしたの、』
『もう、 会いたくない』
『え…?』
『それだけ』
『…え?ちょ、ちょっと!』
『……大丈夫か?』
『…うん』
『……そうか、(おそらく、心衣は、あいつに利用された。
そして陽菜とも縁を切った。本当に利用されてるのか?
……でもどうしてなんで一番の親友が陽菜を裏切ることになるんだ…?
もしかして心衣ー)』
『わたし、心衣に聞きに行く』
『…え、』
『……、行って確かめてくる』
『やめとけって、』
『だって、麗華さんに心衣も取られるなんて嫌!』
『……陽菜、……今はやめとけ』
『…どうして?』
『……今は行かない方がいい。身のためだ』
(高月家)
『陽菜』
『……りょうくん、』
『…ちょっといい?』
『うん…、』
『……父さん連れてきました』
『……お前が、陽菜か?』
『はい!七瀬陽菜です』
『…大きくなったな…』
『え…?』
『座って』
『うん』
『……陽菜、よく聞いて』
『…うん』
『陽菜はね、……高月家で生まれたんだ』
『……え、?』
『だから…、俺と兄妹…』
『……和馬、も?』
『うん……』
Flower_10 はじめまして、有栖麗華といいます。
『……突然、呼び出して申し訳ないわ…』
『……いえ、』
『はじめまして、有栖麗華といいます。よろしく』
『あ…はい』
『……、和馬とは、どういう関係で…?』
『…えっと、……友達です。』
『あら…そうなのね…、』
『……はい、』
『……嘘つきねー、あなたは』
『…え?』
『すきならすきと言えばいいのに…』
『あ…ごめんなさー……なんで、そのことを知ってるんですか?』
『……そんなの、わかるにきまってるわ。わかりやすかった』
『でも、初対面…ですよね?』
『…そうだったかしら?』
(陽菜の肩に手を置く)
(耳元で喋る)
『……次、和馬と関わったら……どうなるかわかる?……………』
『っ………、』
(トントン)
『……はい、どうぞ』
『…麗華さん、この前のー…っ!』
『……や、ぐも?』
『どうしたの?』
『あ……後で話します。』
『そう、……じゃあ、そういうことよ』
『……わかり…まし…た』
『…陽菜…、っ…!陽菜!』
『……じゃあね、八雲…』
『……陽菜、』
『陽菜に、なにを言ったんですか?』
『……わかるでしょ?…和馬に関わらないでって言ったのよ。』
『は…?』
『……なによ、』
『俺、もうやめます。あんたに、協力するの』
『……いいわよ、その代わり…あいつがどうなるか…』
『っ…!』
『……べつにいいわよ、……新しい子がいるもの』
『…え?』
『入ってきなさい』
『…え…、?』
『今日から、私に協力してくれる…心衣よ』
『……なんで、きみが…』
Flower_11 一生、関われないって嫌…
『……なんで、きみが…』
『…てことで、今までありがとう……八雲』
『……』
『……陽菜!』
『っ!和馬、』
『……陽菜、あのさ』
『…っ、私に関われないで!』
『え…?』
『っ……』
『……なんでだよ、』
「……次、和馬と関わったら……どうなるかわかる?……………」
「え……、?」
「……私が一生、和馬に会わせてやらないようにしてあげる…」
『(だから和馬と関わっちゃだめなんだ…和馬と会えないなんて
一生嫌だから…)っ………和馬、』
『陽菜…?』
『……八雲、』
『大丈夫か?さっきのことだけど』
『……いいよ、八雲は…麗華さんの味方…、なんでしょ?』
『…やめた』
『え…?』
『あの人の味方すんのやめた。』
『なんで…?』
『……陽菜を傷つけさせるなんて俺にはできないから。』
『…八雲』
『とにかく俺は陽菜の味方だから』
『…うん。……私、和馬と会いたい』
『………』
『これからも和馬と一緒にいたい』
『陽菜…』
『だから私、言われたの麗華さんに…もし会ったら関わったら、
和馬と一生…会わせないようにしてやるって…、』
『っ………あいつが、』
『どうすればいい…?』
『……』
『……っ!』
(ハグ)
『八雲?』
『……だったらずっと、俺と一緒にいろよ、陽菜』
『え、?』
Flower_13 このこと嘘なわけないですよね…本当なんですよね、
『…じゃあ、…双子?』
『うんん…年子』
『……年子、?』
『…和馬が上で、陽菜が下』
『…そうなんだ、…じゃあ、兄妹だったから、りょうくんにも和馬にも、
会えたってこと?』
『……うん』
『…あの、』
『なんだ…?』
『…このこと嘘なわけないですよね…本当なんですよね、』
『…あぁ』
『じゃあ、なんで私とお母さんは違うところで暮らしたんですか?』
『…それは、八重(やえ)が出ていったからだよ』
『お母さんが?』
『あぁ…まぁ当時2歳の諒馬、0歳の和馬そして陽菜。3人も育てるのが
辛かったんだ…それで、気分転換で八重は陽菜を連れてここを出た。
…その1ヶ月後、八重はもう帰ってこない、陽菜は私が育てると言って
連絡がつかなくなった。』
『……』
(和馬がドア越しで聞いている)
『…和馬そろそろ入ってきたらどうだ』
『っ…!』
『え、』
『そこに座りなさい』
『…はい』
『続きだ。そして、八重が亡くなったと聞いたときは頭が真っ白になった。
八重はもともと体が弱かったんだ。だから、気になった、陽菜はだれが
引き取るのか。…そしたら、宝来家が1年だけ…なぜか預かることに
なった。まぁ、八重のお姉さんがいるからかと思った。でもどうして、
高月にはわたさないのかわからなくなった。そして陽菜は、この学園に
来たんだ。嬉しかった、また会えたことが…陽菜がこの学園にくるってこと
を教えてくれたのは、八雲様だった。これがすべてだ』
『……本当に、本当に、血は繋がってるのか?』
『和馬、』
『本当に、血は繋がってるのかよ!聞いてんだよ、父さん!』
『…本当なんだ』
『っ……なんで教えてくれなかったんだよ!諒馬は知ってたのに。
どうしてだよ!』
『…和馬』
『和馬!違う、父さんは教えようとしてくれてた。でも、和馬が陽菜のこと
すきって気づいたから!』
『…え、?和馬が、』
『あ…ごめん、』
『…そうだよ、すきだよ!陽菜のことすきだよ、だいすきだよ!
あー最悪だよ、』
『…私も、和馬のことすき』
『え…、』
『でも、もう叶わないから…諦めるしかないんだよ…』
『…陽菜、』
『ふたりとも、辛い思いさせてごめんな…』
『……』
『……』
このことを聞いても、俺は…陽菜のこと諦められなかった
このことを聞いても、私は…和馬のこと諦められなかった
Flower_8 嘘でしょ?……
『え……?高月家の人間?陽菜が、?』
『……あくまでも、噂。…でも、もし本当だったら…』
『だったら…?』
『………それは、』
『……宝来家が引き取る』
『え…?』
『晴日、』
『……ひなちゃんは、お母さんが宝来家の人間の可能性が高いんだ…
でも、高月がー』
『晴日!』
『……ごめん』
『…、あのさ、よく理解ができない』
『…ごめん…やっぱりわすれて』
『まだ、知らなくて…いいよ』
『………わかった』
『陽菜は…高月家と宝来家の子』
『……え?…なにいってるの?八雲、私の苗字は…七瀬なんだよ?
そんなの、信じられるはずがない!』
『それがそうなんだよ……でも、陽菜には、俺が必要なんだ』
『どういうこと?』
『……正しく言えば、………婚約者』
『……っ、なに?冗談でしょ?』
『本当』
『う、嘘でしょ?……』
『……だから、俺とー』
『おい…』
『……和馬、』
『はぁ…和馬じゃん、ひさしぶり』
『……お前、陽菜になんて言った?』
『……べつに?それじゃ』
『…っ、大丈夫か?』
『……うん…、ありがと、和馬』
『……陽菜が無事でよかった』
『あ…そういえば、今はじめてわたしのこと、陽菜って呼んだ!』
『え…あ、そっか。いやなら、べつに…』
『いやじゃない!……むしろ、うれしい!』
『っ……!そっか』
『無理って……なに?どういうこと?』
『無理は無理ってことです』
『ねぇ、八雲…だったらさ………あの子を、地獄に堕ちさせてよ』
『え……?』
『……できないの?』
『……べつに、』
『もしできないんだったら、わたしが堕ちさせる』
『……俺が…やります、』
『……よろしく』
Flower_7 計画
(有栖家)
『……どうしたんですか?麗華さん』
『…、和馬は?どうなの、』
『えーっと、どうなのって言われましてもー』
『あの女がでてきたせいで!和馬と、結婚が長引いてしまってるの!』
『…確認しに行きました。この間』
『どうだったの?』
『……なんか、仲良くなっていました』
『……ほんとなの?八雲』
『はい……、陽菜と何年のつきあいだと思ってるんですか?』
『っ……、まさかすきってことはないかしら?』
『…すきですよ、だから、あいつと楽しそうにしてるとムカつく』
『…じゃあ、計画…実行でいいわよね?』
『…もちろんです』
『晴日…どうしたの?』
『……兄さん』
『…こんにちは』
『っ……伊吹さん、どうしたんですか?』
『相談だ』
『え…?』
『……実は、麗華様のことで相談がある』
『……なんですか?』
『………』
『陽菜?』
『……っ、八雲?!』
『ひさしぶり』
『元気だった?』
『うん』
『よかったー!ちょっと安心』
『……陽菜今さ、高月家にいるんでしょ?』
『うん…そうだけど、』
『……宝来家に来るって選択はない?』
『……え?』
『べつに、嫌だったらいいんだけど、』
『……八雲が、…そんなこと聞くってことは、なにかあるの?』
『…相変わらず、鋭いね…陽菜は』
『……なんですか?』
『……俺たちの使用人たちが噂で言ってたんだが、和馬が預かってる
陽菜というやつは、本当は…』
『本当は?』
『……高月家の人間らしいんだ』
『……え、』
Flower_14 信じられない
『今日は食べてくれるかしら…』
(トントン)
『……』
『…陽菜様、朝食いかがですか?』
『……』
『…5分、ここに置いとので食べたければ食べてください。ちなみに今日は、
ハンバーグです。失礼しました。』
『……ハンバーグ、食べたい』
(扉を開ける)
『……あ、』
(置き手紙がある)
『誰だろう…凛だ』
『えっと、陽菜様へ…』
(手紙)
『陽菜様へ。
お久しぶりですね、会話をするのは。早く、陽菜様のお顔が見たいです。
とにかく私は、陽菜様が元気でいればそれでいいのです。だから、陽菜様
元気な姿を見せてくださいね。後、私は陽菜様のことがはじめてできた
妹のようで、すきなのです。それに、陽菜様が可愛いのです。また沢山、
お話できるのを待っていますね。そして陽菜様のオムライス、
楽しみにしています。 凛』
『凛…ありがとう…ありがとう』
『有栖麗華そして高月和馬は、正式に婚約することを決定いたしました。』
『よろしく和馬』
『…あぁ、』
こんなの、最初からわかってた。俺は、望んだ人と結婚なんてできないって、
『あら、陽菜さんじゃないの』
『…麗華さん』
『どう?和馬と本当に兄妹だってわかったとき』
『…べつに』
『知ってる?私と和馬が正式に婚約すること』
『…え?』
『…知らなかったの?』
『はい』
『…だから、あなたの負けね。和馬は私のものよ』
『……』
『それじゃあ』
『心衣は?心衣は、どうしたの?』
『…あぁ、心衣さんならまだ私の味方をしているわよ』
『……』
『…凛』
『あ、陽菜様!』
『手紙、ありがとう』
『いえ、私の気持ちを伝えただけですよ。』
『本当にうれしかった。』
『…そうですかそれはよかったです』
『うん!』
『オムライス、作るね今度』
『はい!』
『…陽菜、話がある』
『え…?』
Flower_4 夏嫌い
『6歳のとき、俺は家にいるのが嫌で、夏も好きじゃなくて、
1000円をもって家を出た』
『あー…そのときですか…はじめての家出』
『……うん、それでそこに駄菓子屋があってそこにいたのがひなだった。』
(10年前)
『なに…ここ』
『……あっ、かよちゃん(店主のおばちゃん)お客さんきたよ!』
『あら、いらっしゃい』
『…こんにちは』
『なにか、買ってく?お菓子とかアイスあるわよ』
『……じゃあ、アイス食べる』
『なんのアイス食べる?』
『いろんなのあって全部おいしーよ!』
『……その子が食べてるのがいい』
『わかった。100円ねー』
『これ』
『1000円ねー。ちょっとまっててねー』
『はい…』
『はいこれ、おつりの900円』
『ありがとう』
『そこすわって食べてなね』
『うん』
『…それ、おいしーでしょっ?』
『…うん』
『……なまえは?』
『…かずま』
『わたし、ひな!よろしくね、かずま』
『うん』
『っ、!和馬様!』
『あ…なんで』
『帰りますよ、みんなが心配しています!』
『やだっ!帰りたくない!』
『帰るんです!』
『……かずま、また、きてね!わたし、いつでもいるから!まってるから!』
『……うん!わかった』
『じゃあ、ね!』
『またね…!ひな!』
『それから、俺は家から、出られなくなった。
だから、ひなとは、会ってない。でも、ひなのおかげで俺は、
夏がすきになれた。お礼が言いたいんだ!ひなに』
『じゃあ、聞いてみればいいんじゃないですか?陽菜さんに』
『……もし、違かったら、俺は麗華と…』
『……まず、仲良くなればいいんじゃないですか?』
『え?』
『お出かけするとか、いろいろ。そしたら、そんくらい聞ける仲になれるかも
しれませんよ』
『あ、その手があったな!よし、やってみる』
『がんばってください(そのくらい、恥ずかしがってないで聞けばいいのに…
和馬様。)』
Flower_3 時間の問題
『美味しかった…あんな料理、はじめて食べた』
『そうなんですか。陽菜さんは今までなにを食べてたんですか?』
『…私は、ハンバーグとか、オムライスとかいろいろ…
自分でつくって食べてました』
『オムライス…懐かしいです、』
『え…?』
『こっちに来てから、もう何年も食べてなくて…』
『じゃあ、今度作ります!』
『いいんですか?』
『はい。ここの調理場を借りられれば…』
『…私が聞きますよ』
『ほんとですか?』
『はい!私は、陽菜さんのつくったオムライスが食べたいので』
『凛さん…ありがとうございます』
『っ……』
(はなしを聞いていいる)
『では失礼します』
『……凛』
『っ!和馬様……もしかして、今のお話を…』
『……べつに、ここであいつに楽しんでもらうのは時間の問題。
…だからあいつに、期待させんな…凛』
『…申し訳ありません』
『わかったならいい』
『………和馬様』
『聖…』
『さっきのは言いすぎじゃないですか?』
『……っ、だよな…ぜっーたい言いすぎたよな!あー凛に嫌われた。』
『使用人に嫌われると、めんどくさいですよ』
『……あとで、凛に謝らなきゃな…』
『…ひとつ、気になっていたことがあって』
『なんだ?』
『どうして、陽菜さんのことをそこまで、言うんですか?』
『……たしかめたいんだ』
『え…?』
『あいつがほんとうに、ひななのか』
『………、ほんとにあなたってひとは』
『なんだよ』
『……すきならすきと、はっきり言ったほうが身のためですよ』
『っ!お、俺はそんなんじゃねーし、な、なんであんなやつのこと
す、すきになるんだよ!聖、お前なに考えてんだよ!』
『和馬様こそ、なにをお考えですか?』
『……それは、』
『………もしかして、麗華様と結婚したくないから、陽菜さんを利用…
しようとなんてしてませんよね?』
『…は、そんなわけ…』
『嘘が下手ですね、相変わらず』
『っ!陽菜には、俺の婚約者になってもらうって、決まってんだよ』
『そうですか、いつでしたっけ…陽菜さんと出会ったの』
『6歳のときー』
Flower_17 友達のなり方
『それに、麗華…お前さ』
『なに?』
『俺見たんだよね、書斎で』
『なにを』
『…友達のなり方って本』
『え、?』
『…麗華さん』
『ち、違う!あれは私のじゃない!』
『…麗華、しっかり言わないと…気持ちは伝わらないんだよ?』
『…和馬』
『で、だれと友達になりたいの?』
『…そこのふたり』
『え?』
『え?』
『じゃあ、なんでこんなことした?』
『…羨ましかった。ふたりがいつも笑い合って、楽しそうだったから…
心衣を奪った。…本当に、ごめんなさい!』
『麗華さん…頭を上げてください』
『そんな、そんなことしないでください』
『ほんとに、許されなことをしたと思う。ごめんなさい。陽菜さん、心衣』
『いえ、大丈夫です!気にしないでください』
『そうですよ、気にしないでください!』
『…うん』
『……陽菜!』
『心衣、』
『ほんとにごめん!』
『いいの!気にしないで?大丈夫だから』
『…わかった、』
『ほんとに、これからも友達でいてくれる?』
『…うん!』
『やったー!』
『陽菜』
『和馬、』
『元気?』
『うん…和馬は?』
『元気だよ』
『そっか、よかった。久しぶりに会ったからさ』
『そうだね…』
『じゃあ、また』
『……陽菜!』
『ん?』
『この後、時間ある?』
Flower_5 ていうか、仲良くなるって簡単じゃないよな
『……なあ、聖』
『どうされました?』
『どう話しかければいいんだ?』
『……えー、そこからですかー?』
『とにかく早く』
『陽菜』
『…はい!……え、りょうくん?!どうして』
『……あれ?俺の苗字、知らなかったっけ?』
『…うん』
『俺の名前は、高月諒馬』
『え?じゃあ、和馬さんのお兄ちゃんなの?』
『うん、そうだよ。ていうか、さんづけするんだね…陽菜』
『え…だって、』
『いいんだよ。和馬で』
『でも、呼んだら…わたし、死んじゃいそう…』
『…あいつ、…おい!』
『あ、…なんで』
『なに、やきもち?』
『っ…』
『あ、わたしとりょうくんが喋ってたからか!ごめんね』
『え(変わってないな…陽菜)』
『さすがだよ…陽菜さん』
『っ!お前、ば、ばかだな!』
『はー?!ばかじゃないですー』
『いやばかだろ!』
『ちがうし!』
『結局…どうするんですか?』
『ひなに、誘いに行く』
『じゃあ、行きましょ』
『はー?!』
『おい…』
『なに?また言いにきたの?』
『ちがう…』
『じゃあ、なに?』
『今週の土日、あいてるか?』
『え…、うん』
『じゃあ、出かけるから』
『だれと?』
『俺と…ふたりで』
『えっ…?!』
『じゃあ、な』
『……うん』
『よっしゃーー!!』
『誘えたんですね、その…はしゃぎっぷりは』
『(どうしてわたしなんかと…)ねえ、凛さん』
『どうしたんですか?陽菜様』
『なんで、和馬様はわたしのことを誘ったんだろう』
『……あーーわかりません、わたしには』
『そうだよねー』
『(……お気づきになってないようですね、和馬様が陽菜様のことをすきってことを)』
Flower_9 とりあえず、いい気分にしよ!
『……なんか嫌なことあった?』
『うんん、なんもないよ?』
『……嫌なことあったんでしょ、まあ聞かないけど…とりあえず、
いい気分にしよ!』
『え?』
『よし、スイーツ食べに行こう!』
『え?!』
『どう?おいし?』
『…うん』
『……陽菜、もしかして、和馬さんのことすき?』
『……え、……うん、…たぶん』
『…すきなんだね、そういう反応は…!』
『……うん』
『……よかった、』
『え?』
『…陽菜が、辛いことから幸せなことをみつけて』
『…心衣』
『ほんとによかった!』
『……うん!』
『……』
『心衣、』
『ん?』
『これからも、友達でいてくれる?』
『………うん………友達で、いよっ!』
『やったー!』
『………』
『じゃあ、またね』
『うん、またね』
『………ごめんね、陽菜』
『……ひさしぶり』
『和馬!』
(麗華からハグする)
(和馬が振りほどく)
『……どうして?振りほどくの、?』
『…、お前、陽菜になにかしようとしてるだろ…?』
『………そんなことないわ。……ていうか、いつ結婚するの?』
『……さあ、な。書斎、借りてもいいか?』
『……もちろん』
あの子…やっぱり気に食わない…!
『……和馬をとられてたまるか…!(ボソッ)』
(書斎)
『……なにこれ』
新しい自分になりたいときは、どうすればなれるの?
Flower_1 私の人生
いつからだろう
私の人生が壊れかけていったのは
『迎えに来たよ、陽菜』
『心衣…いつもありがとう』
『うんん、だって陽菜お母さんと約束したもん。この学園に行けたら、
送ってあげてくれるって……でも直接会いに行って面接みたいなの
するんでしょ?学園長に?』
『なんかすごい怖かった…もし受からなかったらどうしようって、』
『でも受かってよかったじゃん!』
『うん!』
『あら、やだ』
『っ…』
『貧乏人が来たわ。二階堂さん、そんな貧乏人といていいのかしら』
『陽菜になんてこと言うの!』
『あなたはお金持ちだけど、その隣はー』
『やめなさいよ、あんたたち』
『っ……、有栖麗華…』
『麗華さん…』
『あら、お久しぶり…心衣さん』
『…知り合い?』
『この前、お店に来てくれたの』
『そうなんだ』
『あなたたちこそ、この学園で、そんな悪口言ってていいの?』
『っ……和馬様の婚約者だからって…、』
『……』
“婚約者”?その言葉は
私には一生…関係ないと思った
でも、
『突然呼び出してすまないね、』
『いえ…どうかされましたか学園長、』
『今朝のことで、あの佐川家のお嬢さんに何か言われたと、お聞きしました。
それは本当ですか?』
『……は、い』
『では退学ですね、それが停学』
『っ……そこまでするんですか?』
『あたりまえだろ、この学園にそんなやつがいたらこの学園の評判が落ちる。
だからこうするんだ、お前みたいなやつと一緒なんだよ』
『え…?』
『和馬…、すまないね息子が』
『……大丈夫です、』
『それで今日から前から決まってたんだが、陽菜さんあなたは私たちの
高月家へ引き取ります』
『え…』
『だから、今日荷物をすぐまとめてご自宅前で待っていてください』
『……はい』
『では以上です』
『…失礼しました』
『お前ってやつは本当に、なぜあんなこと言った』
『別に。ただ言っただけです』
・・
『本当にあの子なんだよな?ひなって子は…』
『……』
『もしちがかったら、麗華さんとすぐに結婚だ。わかったな?』
『……はい』
Flower_19 想花
『私ね、やっぱり和馬のこと諦められない。すきっていう気持ち
忘れられなかった』
『…そっか』
『だから、これからもずっと和馬のこと想い続けてもいい?』
『うん。』
『…よかった』
『俺からも話していいかな』
『うん』
『俺さ陽菜に恋してよかったと思った。あの日あの場所で出会えなかったら
こんな最高の恋はしてなかったと思うでもこんなことになっちゃったけど
俺は好きだよ陽菜のことが世界で一番好きだ。それに世界で一番可愛い』
『和馬…!』
『でもかなわないけど思い続けるのって辛くない?』
『一生振り向いてもらえないってわかってるでも…でも和馬は一度
振り向いてくれたから辛くない。好きだからなにがあっても
嫌いになれなかった』
『俺も』
『兄弟だって知った時もあーあってなってもう無理じゃんダメだって思った。でも良かった家族で』
『うん』
『でも私本当はね兄妹じゃなくて夫婦っていうのになりたかった』
『陽菜』
『ごめんねこんなこと言って』
『ねぇ…陽菜』
『ん?』
『キスしていい?』
『え、?!』
『いいしても?』
『…うん』
(キス)
こんなことあっちゃいけない。兄弟は好きになっちゃいけない。
そう言われてるけどでも今回だけは許して兄弟に恋すること
『……あ、そろそろ下に着くよ』
『……好きだ、大好きだ』
『私も』
『陽菜!』
『ん?』
『イルミネーションの前で写真撮ろう』
『いいよ!』
『はい、チーズ』
(カシャッ)
『いい思い出』
『あ…』
『ん?どうした』
『和馬ちょっとここで待ってて』
『うん』
『はい!お花』
『ありがとう。なんていう花?』
『ブライダルベール』
『そうなんだ。綺麗な白い小さな花だね』
『うん』
ブライダルベール、花言葉はあなたの幸せを願う
和馬、幸せになってね…
-想花- END
【-想花-】※読み、おもいばな
主人公
七瀬 陽菜(16) ななせ ひな[母が亡くなって、高月家になにか用事が
あると言われた16歳の少女]
高月 和馬(16) たかつき かずま[高月家の次男。
ある女の子を探している]
二階堂 心衣(16) にかいどう こころ[二階堂家の跡取り娘。
陽菜の大親友]
東雲 晴日(16) しののめ はるひ[東雲家の次男。
心衣に恋心を抱いている]
高月 諒馬(18) たかつき りょうま[高月家の跡取り息子、次期社長。]
美鈴 明那(18) みすず あきな[美鈴家のお嬢様。諒馬の婚約者]
東雲 伊吹(17) さいもり いぶき[東雲家の長男。
婚約者をつくりたくない]
有栖 麗華(16) ありす れいか[有栖家のお嬢様。和馬の婚約者]
宝来 八雲(16) ほうらい やぐも[宝来家の長男。
陽菜が気になるようで…?]
聖 ひじり(22)[和馬の使用人。いろいろと相談を受けている]
凛 りん(20)[陽菜の使用人。陽菜のことを妹のように思っている]