【一緒に帰った日のお話①】
時々腕とかがあたりながら
バス停まで10分くらいふたりで歩いて。
お客さんだらけのバスに乗り込む。
Tが(席)空いとるよ、って指をさすけど
わたしだけ座るのもあれだし
いいよ、って言ったの。
そしたら
あっち(前)は空いてないけん、って
最後尾のシートが空いてたから
そこに座ろうとするTについてったの。
そしたらTは席についたのに座んなくて。
ん?って思ってたら
わたしに奥に座りってジェスチャー。
ありがとう、って言って奥に座ると
Tがわたしの右横に腰をかける。
するとTの横にはすぐ
他のお客さんが座り込んできた。
〔優しいなぁ…って思って好きポイントが増えるわたし。〕
動き出したバスの中。
いろんな話をしてて。
平成がおわるって話をしてたの。
4月はTが誕生月で
5月がわたしの誕生月で。
“(平成がおわたら)誕生日がくるやん。”
“ほんとやん!”
“Tは平成最後の誕生日やね。”
“うわ、ほんとやん。
俺、優菜さんに誕生日プレゼントもらったのに
なんもあげてないや。”
“別にいいよっ。
いつもお世話になっとるからあげただけやし。”
“じゃあなしで。笑”
“え……なしは悲しい……。笑”
“嘘、何がいい?”
“うーん……。
何がいいかなぁ……。”
〔そんな急に思い付かないし……。〕
“考えとこっ。”
“うん。
俺、考えるの苦手やけんさ。”
ってT。
確かにそういうの
得意なタイプじゃなさそうだなぁって
きいて思ってなんだかほっこりして。
“バレンタインとかチョコもらうやん?”
“うん。
てかバレンタインもらいよったんやね。”
〔ちょっとだけ嫉妬。〕
“でも友達とかからよ?”
“あーね。”
〔彼女さんとかじゃなくてよかった。〕
“おかんにお金渡して買ってきてもらって
自分で選んだみたいに
これ俺からって返しよったけんね。笑”
“でも返すっていう気持ちが大切よね。
渡したのに何もなかったら悲しいし。”
なんて話をしたりして。
誕生日プレゼント何がいい?なんて
きかれるとは思ってもなかったし
言われたとき
不覚にもきゅんってしちゃった。