#81億の星空

僕達は星空を見上げて
綺麗だとしか思わない
でも星には意味がある
だからこそあの星空は
あんなにも綺麗なんだ

星空には星座があるね
それぞれに物語がある
神様の世界や人の世界
それぞれに世界がある
僕達は星座を見つける
そこに物語を見つける
そこに世界を見つける
だから星は綺麗なんだ

僕達は沢山の星座達を
既に知っているけれど
星は数え切れない位に
この空に存在している

僕達も星座を生み出し
世界を作る事ができる
試しに作ってみようか



あそこに見えるだろう
あの６個の星は冬の華
雪の結晶とも呼ばれる
なんで雪の結晶なのか
それについてはこんな
言い伝えがあるんだよ

昔ここは神の街だった
沢山の神様が住みつき
人と共存していたんだ
一人の美しい女神様が
この街を支配していた

美しい物を好む彼女は
気に入った物を大事に
保存し毎日愛でていた
彼女の城の中は沢山の
美しい物で溢れていた

彼女が持っていた物は
どれも高価な物だった
それに目をつけた人間
真夜中に城に忍び込み
彼女の物を全て盗んだ
そして全部売り払った
勿論高値で売れるから
人間は大喜びしたんだ

朝起きた彼女は驚いた
自分の好きな物が全部
跡形も無くなっている
彼女はとても悲しんで
目から涙が溢れてきた

その日は寒かったから
涙が凍って結晶になり
雪となり積もっていく
やがて城は雪に覆われ
彼女は凍ってしまった

それから何百年も経ち
ある神様がやって来た
彼も美しい物が好きで
気に入った物があれば
星にする趣味があった

その日は暑かったのに
城周辺は寒かったんだ
神様は不思議に思って
城の扉をそっと開けた

そこには一面の雪景色
そしてその真ん中には
とても美しい女神様が
凍り付いて眠っている

神様は見惚れてしまい
女神様を邪魔しない様
雪を一掬いだけ貰って
空に上げて星座にした
これが「冬華座」だよ



ほらね？簡単でしょ？
僕達にも星座を作れる
世界を生み出せるんだ
今度は君の世界を僕に
聴かせてくれないか？