桐・2日前
毒
Mitschuldiger
étincelle
くちびるを重ねて
きみの毒で眠りたい
守るとか守られるとかどうでもよくて
ただ君を傷つけて
君だけに傷つけられたかったんだ
硝子よりもつめたい指で
そっとまぶたをなぞって
キスのかわりにゆびきりをして
「あいしてる」のかわりに「またね」を言って
それだけで、夜を越せる気がするの
凍えそうな檻の中で、生き延びられる気がするの
愛なんてなくていいから
嘘でもいいから
あなたの声で、明日を信じられるから
明日なんてこなくても
希望なんてなくても
この部屋に光が差し込まなくても
繋がった手の温もりだけで満たされる
そんな幻想に溺れていた
子供みたいに走り回って
足跡で埋めつくして
これで僕らの砂浜になったねって
次の夏も、そんなふうに無邪気に笑えるだろうか。
「死んだら悲しむ人がいる」とか
そんなのどうでもいいよ
きみが楽になれるなら
僕がどんなに傷ついたって問題ない
いくらでも声を枯らして泣くし
きみの幸せは何物にも代えがたい光だ
でもやっぱり死んでほしくはないから
せめて一緒に逃げようか?