#NightWithYouTonight

しがみついて
懇願しながら
「ご主人様」

そう呼ぶのは
初めてだって

壊れそうなのは
身体だけじゃなくて
心までだって知って

過去にさえ妬いて
泣いて不安になって
思い知らされる

愛してるんだって
こんなにも
支配されてるんだって
幸せに思えるの

君が好きなところは知ってるよ

ここがいいんでしょ？

いきたいときはなんて言うんだっけ？

お願いしますだよね？

体を反る君を見て
君のことを撫でて
キスをする

ここもっとしたいね

擦り切れほど
抱き合っても
まだ足りなくて

もっとください
もっと変えて
あなたしか知らない
そんな私に

下から突き上げ
焦らしながら責め立て
上から優しく
頭を撫でながら刻まれて
後ろから激しく
痛みと共に快感をください

あなたがいなければ
呼吸さえできない
そんな私になればいい

汚したのはあなたでしょう
何処へも行けないよう
もっと縛っておいてくれたら

突き放したりなんてしないで
私だけを見ていてくれたら
余所見なんてしないで
私だけを愛してくれていたら

泥だらけにならずに
傷だらけにならずに
いられたのに

最期まで繋いだまま
閉じ込めてくれたら

灯りを見るのは
あなたが私を抱く
その時だけの灯りでいい

あなただけの私
それだけしか望んでいないのに

ゆっくり焦らしながら
好きとか愛してるとか耳元で囁けちゃう
そんな甘ったるい人じゃなくて

ベタな台詞で責めたり
恥らうような言葉を言わせる
自己満型な人でもなくて

焦らすより我慢を
恥らう言葉より

痛みや苦しみを与え
突き上げながら奥まで
他に入れないよう
ぐちゃぐちゃに
身体も心も支配する
ご主人様

泣き虫で寂しがり屋で
強がりで意地悪で…
ダメなことばかりの私を
1番に愛してくれる
格好良いご主人様

奪ったりしないで
絡んだりしないで
好きになったり
愛したりしないで

離れないよう
繋がっていよう
手と手繋いだまま

紅く滲むほど
引っ張り合い
見下ろし見下ろされ

何度も名前を呼んで
ぐちゃぐちゃになるほど
溶け合って壊れてしまえばいい

僕も君も
他にもう要らないって
そう思えるでしょ？

頭を撫でて欲しいのは君で
戯れ合っていたいのは君で

喧嘩からのごめんなさいも
当たり前にならないように
いつもありがとうって伝え
朝を迎えるその時まで一緒
全て君で満たしていたくて

心なんてもう
捧げてる
身体だけ今も
届かない

もどかしさや痛みから
逃げ出した日も
思い知らされるだけ
どれほど特別なのかを

寒がりな君だから
部屋を暖めてから
「おはよう」

寂しがり屋な君だから
お弁当を持たせて
「頑張ってね」

強がる君だから
素直にさせてから
「仲直りしよう？」

真っ直ぐな君だから
重なり合って
「愛してる」って
何度も伝えて

一秒でも長く
君と一緒に生きていたい

唯一、弱みを見せられた

強がりの癖は抜けないまま
甘えてばかりで我儘ばかり
冷たくあたり突き放しても
飽きもせず抱きしめてくれる
そんな優しい君に

何をしてあげられただろう
何をしてあげられるんだろう

今もまだ
野良のまま
成長なんて出来やしない
ひとりじゃ…
歩けそうにないよ

寂しさ埋めてよ
耳に触れた舌も
首筋なぞって
痕までつけて

ほら、口開いて
受け入れて？僕を

漏れてく声で
恥じらってる
その顔で
僕を満たして

溺れた頃には
もう要らない
だからそれまで
楽しませてよ

泣きながら
あの人に抱かれたのは
悲しかったからじゃなくて
苦しかったからじゃなくて

好きでいてくれる
そんな人でも埋まらない
拾われて可愛がられる為に
ふらふらと出かける

それが許せなかったから

あの人もきっとそうだった
嘘が下手なあの人も

噎せ返し咳き込んで
苦いだけで美味しくない

早く大人になりたかった
少しでも近づきたくて
子供だって笑うから

肌を見せるような服も
化粧だって覚えたし
喜んでくれるから

「好き？」なんて聞けない
答えを聞くのが怖いから

それでもいいの
遊びだってわかってる
いつかは終わるってわかってる
大人の女を演じてた
可愛かった頃の私

好きでもないあの人を好きになったのは
付き合ってから随分と経ってから

ふらふら出掛けては拾われて
心もない行為も当たり前で
隠さずに話せば怒られ泣かれ
酷い言葉で罵られた
よく怒る人

怖くなかったのは
言葉だけだったから
もっと酷い事をされた事も
怖い思いをした事もあったから
それでもどうでもよかった

埋まらない何かを埋めなければ
どこかで誰にも知られず
永遠に眠ってしまいそうで

拾って可愛がり手放してくれない
そんな貴女と会えたのは数分だけで
お互い恋人がいても公認の仲で

唯一、隠したかった
野良猫なんだよって言えなかった

嫉妬されるのが好きで
独占欲が強くて
デレデレ笑いながら
頭を撫でてくれた優しい貴女は

愛を知らない私じゃ足りなかった
もうあの頃には傷だらけの汚い猫
着飾ったどころで誤魔化せない

幸せを壊したんだって
邪魔したんだって
要らない存在なんだって
今も思っているなら
教えてあげるよ

本気で君を好きになるまで
満たされない欲求も不満も
見て見ぬふりをして処理して
これが幸せなんだって
最期の時を迎えるんだって

愛されているのは
今も変わらない
大事にされてるって
周りは言うでしょう
君も言っていたように

じゃあ、私の気持ちは…
誰が聞いてくれる？
愛は何で計算されるの？
安定した生活？
家族を
周りを大事にしてくれてること？

…身体を重ね合わせる事で
愛情を確認してきた
目に見えるカタチじゃなきゃ
安心していられなかったから

でもそれ以上に求めていたのは
私だけいればいいって
他は何も要らないから
そう思っていてくれる事

生きる意味が欲しかったから
生かされている意味じゃなくて

壊したんじゃないよ
邪魔したんじゃないよ
要らなくなんてない

君がくれたんだよ？
生きる意味と幸せを