#冬

寒いなんて言いながら懐炉を握るのに

“死にたい”なんて思ってみたり

君が見つけてくれると信じてるから

僕は今日も雪に埋もれてかくれんぼ

久しぶりに見た雪に君の居る場所も

降ったのかなんて君の事を思った刹那

温かい春のような君に会いたくなった

冷たい冬のような私でも咲いたいから

雪色に染まった世界の中

走る貴方に無事を願った

君を吸った季節が始まろうとしてる

少しだけ息が冷たいように感じたの

暖を巻いた君が駆け寄る

寒の足跡を静かに残して

細いシルエットだった

紫色のチューリップの花

コロンと丸みを帯びた姿は

春が近いねと笑ってる様

私はまだ忘れてないよ

貴方がいた冬の思い出を。

貴方と見た初雪を。

心の冬が悴んでしまって凍えそうなんだから

いくら言葉のマフラーで包んでも足りないわ

開きかけた蕾が

再来した寒波に枯れ落ちた

嗚呼、私の時計も

止まったまま

クリスマスもぼっちで

バレンタインも渡す相手居なくて

冬って恋人居ないと地獄だよな

人恋しいし寒いし早く素敵な春こないかな

夏日の様な厳しい日差しが

冬終わりの尖った風へと変化する

突然訪れた自然の静寂が

心を冬眠へと誘う

鼻を擽るストーブの匂い

指先から熱を奪う冷気

ここは確かに冬なのに

髪から漂う金木犀の気配

ずれた季節感が心緩ませ

眠気誘う午前0時49分

こんな
よく眠れなかった寒い朝には
ねるねるねるねを
練りたくなって
しまうのだ。