書くとココロが軽くなる
7ー1
玄関のチャイムが鳴りました
何回も続けて鳴ります
こんなチャイムの押し方は
キミに間違いありません
ピンポンの連続に
引き込まれるように
玄関へと走ります
でも足がもつれて
玄関の手前で
転んでしまいました
その音がドアの外まで
聞こえたのか
キミの笑い声が
ドアを越えて
聞こえてきます
ボクは鼻をさすりながら
ゆっくりとドアを開けたら
キミはいませんでした
ボクの目の前には
プリキュアがいます
咲く熱の花よ掻き消せ恋情
打ち上げ未満の余熱は抹消
待つことも大事って言うけれど
待つことを楽しめる程強くはなれない
そんな器が広ければ悩んでないよ
7ー3
キミは怒って
用事がなくても
正義のみかたが
家に来たら
お菓子をあげないと
月に代わって
おしおきされるんだよ
これはハロウィンといって
外国では昔からあるんだよ
キミはお面ごしに
叫んでいます
でもハロウィンは
よく似ているようで
何かが違います
7ー4
ちょうどオヤツだから
キミに上がってもらいます
キミは家に入っても
お面をつけたままです
よほどお気に入りなのか
オヤツのビスケットを
目の前にしても
外しません
お面を外さないと
オヤツが食べられないよ
ボクがそう言ったら
正義のみかたは
正体がバレたら
ダメなんだよ
だからお面は
外せないんだよ
キミはお面を
外そうとはしません
7ー6
おしおきするのに
正義のお面を外すのは
おかしかったけど
キミはお面を外した方が
こわい顔をしているので
これで正しいと思いました
でもどうして
お面をかぶってきたの
キミにたずねたら
お祭りでおじいちゃんが
買ってくれたんだけど
その後は一度も
かぶったことがなくて
おじちゃんが
悲しそうだったから
アンタの家に来たの
キミの言うように
学校にはかぶっていけないし
これをかぶって
公園でバドミントンは
できないので
ボクの家にしか
行く場所がなかったと思います
君という薬品に触れてしまっても、
心を溶かすのは私だけならいいのに
熟れた傷が空を染めて
筆圧に潰された感情は
偽物を演じて怠惰に散る
7ー7
かぶりもしないのに
お面を買ってもらうのは
おじいさんに悪いのでは
キミにたずねたら
おじいちゃんが
どうしても買ってあげると
ワタシに似合いそうなのを
選んでくれたんだよ
じゃあプリキュアは
おじいちゃんが選んだんだ
キミのおじいちゃんは
キミがプリキュアに
憧れていることを
知っているみたいです
ブリキュアはワタシが
欲しいと言ったんだよ
本当はおじいちゃんは
月光仮面のお面を
ワタシに買おうとして
お店の人に聞いていたんだよ
だけどお店の人も
月光仮面はないからと
困っていたんだよ
月光仮面って誰なの
ボクは初めて聞いたので
キミにたずねたら
おじいちゃんの話では
どこの誰かは知らないけれど
誰もがみんな
知っているんだって
7ー5
キミにかまわずに
ビスケットをかじると
正義のみかたが
お菓子が食べられないのに
なんでアンタは平気で
ビスケットをかじるのと
キミは怒鳴ります
でもお面のおかげで
怒っていても
笑い顔なので
恐くありません
試しにキミのお皿に
手を伸ばして
ビスケットを
盗もうとします
キミはボクの
手をはたいて
人のオヤツを取る人は
正義のみかたが
許さないんだよ
キミはそう言って
とうとうお面を外します
7ー2
始めは何が起きたのか
分からなかったけど
キミがプリキュアの
お面をかぶっていました
キミはボクを
驚かせに来たのでした
今は正義のみかたに
用事はないよ
ボクはそう言ってドアを
閉めようとしました
復活した訳じゃない。ただ僕自身が少し
笑顔が開花したようだ。それに気付いた
それだけでも僕は成長したのだろうか？
夜空が連れて行った想いは咲かずに散った
賑やかな声に紛れて僕の心は寂しさまみれ
そこらでひとつ、落ち着きませんか
もう十分頑張ってますよ
というか今日目が覚めただけで
ノルマ達成してますって
悩みごとがあって寝れないなら、
今一番自分の心を支配してる悩みを
見つけてみてください
そしたら他人事のように自分を
励ましてみてください
綺麗事だっていい、猫被ったっていい
知らない誰かに救われて欲しいとき、
その一心で紡ぐ言葉を自分に
伝えてみてください
そしたらきっと、少しは楽になれると
思いますよ
大丈夫
自分のなかの綺麗な自分が
あなたを認めてくれる
親身になって寄り添ってくれる
それって、幸せなことじゃないですか？
遠いあの日
立ち昇る入道雲と
肌をさすような日差し
アスファルトの焼ける匂い
ちびちびと飲む残り少ない水筒の水
夏の暑いやら涼しいやらの音たちが
五感を刺激するあの夏の日
君と交わした他愛もない夏の約束は、
ひとつも果たせず秋空に消えた
私たちは、一人ひとりの持つ
言葉の力を信じています。
