はじめる

#夫

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全73作品・

出会いも別れも一瞬だけど

君とは一生一緒がいい。

HARU🍒・2019-11-03
HARUポエム
ポエム
片想い
彼氏
旦那
夫婦
結婚
出会い
別れ
好きな人
独り言
嘘でもいいから

【それは夕焼けだった】


総文字数5532文字



それは朝焼けだった。


君が生まれた日。
そして僕が生まれた日。


それは木漏れ日だった。


君と僕が出会った日。
そして共に歩み始めた日。



それは夕焼けだった。


君と僕が分かたれた日。
僕が笑って君が泣いた日。



君よ、笑え。




――――――――――――


僕は死んだのだ。


それは1ヶ月程前の事。



癌だった。



結婚してから18年。


互いに43歳の年だった。




こどもは発病まで頑張っていたが


結局出来なかった。




妻の紗香は、保育士だったのに


最後までこどもを


持たせてやれなかったことが


僕の唯一の後悔だ。




我ながら薄命だった。




僕はどうやら幽霊になったらしい。


だけど足がある事には笑ってしまう。



この一ヶ月


ずっと、紗香を見てきた。




きっと、生きていた頃より


正味ずっと長く、紗香の側にいた。



僕の遺影に縋っては


子どものように泣きじゃくる。




「なあ、紗香」
「僕はそこには居ないよ」



「僕は、ここだよ」



紗香の髪を撫でたくて


手を差し伸べる。




でも僕の手は


紗香をすり抜けてしまう。




当たり前の事だが


声も空気を震わせる事はなかった。




僕は肉親を無くしたことはない。




今、泣きじゃくる紗香と


泣きじゃくる紗香を苦しく思う僕とは


一体どちらが辛いんだろう。





「…芳樹さびしいよ……助けてよ」
紗香の涙が、手のひらに落ちていく。




「芳樹、芳樹…」
今紗香が蚊の鳴くような声で叫ぶ僕の名は
なんと、切ないことだろう。



僕は、拳をぎゅっと握った。





辛いね紗香。
僕も、辛いよ。





紗香は酒を飲まない女だった。




僕が幼い頃から見てきた、


父の酒に付き合う母の姿、二人の笑顔。



大人になって結婚でもしたら


僕もそうなるのだろうと勝手に思っていた。




だから僕は紗香をよく酒に誘った。



呑めないからといっては、


お猪口に酒を注いで寄り添ってくれた。




それが今はどうだろう。


僕が呑み残して死んだ一升瓶の中の酒を


僕の形見になったお猪口に注いで毎晩呑む。




一升瓶の中身がなくなると


わざわざ新しいものを買ってきて


僕の一升瓶へと注ぎ入れた。




シュンシュンとやかんが鳴る。


背中を丸めてこたつに入る紗香は


お猪口、三つで


顔を赤くしてウトウトしはじめた。





「ほら、ストーブ消さないと危ないよ」
僕は紗香の耳元で優しく囁く。



最近、声に想いを込めると


伝わる事を覚えた。




「…あ、そうだ、ストーブ…消さなきゃ」
紗香はふらふらと立ち上がり
ストーブを消しに行く。




よかった、これで火事になんてなって
こっちに来たって……
迎えは絶対いかないからな。



全く…。僕がいなきゃ紗香は何も出来ない。
これじゃあ、安心して行けないじゃないか。




時は刻々と過ぎ去る…。



もう時期、僕は…。





「きょ…うで、49日……」


その日、紗香は呟いた。


そうだよ紗香。
僕の為に伏した喪を明かす日だ。




なのに、紗香は泣きじゃくる。


今日もやっぱり泣きじゃくる。



僕の好きだった紗香の頬は


削げ落ちたように痩けていた。




栗色の艶めいた髪の毛は


闇のように黒くなり


ボサボサになっている。



あんなにお洒落だった紗香が


いつも同じ部屋着に身を包んだ。





そして、呟いた。





「私も……死ぬ」


紗香、待てよ
死ぬってどういう事だ




僕は慌てて声をあげる。


慌てているから、想いがうまく


言葉に乗せられない…。




紗香はキッチンへ進むと


包丁を手にふらふらと風呂場へと歩む。




紗香、紗香っ
死んだらだめだっ




いくら呼びかけても伝わらない。


こんなに肉体の無い身体を


呪ったことはない。





気付け、気付け
僕の存在に気づけ。


死してからもずっと
紗香の側にいた僕に気付け。


紗香、紗香っ




紗香の隣を歩き伝え続けた。




「まず何を…しなきゃいけないんだっけ」



まるで覇気のない声で紗香は呟く。




「紗香、思い出せよ、僕が病床で諦めかけた時、君が言ったんじゃないか…生きてって。お願いだから生きてよって…」




紗香に僕の声は聴こえない。


風呂にお湯が溜まっていく様子を


呆然として見つめていた。




僕の目からは涙が溢れ続ける。




とうとう、お湯が溜まりきり


しばらく漏れ出していた水道の蛇口を


紗香はようやくしめた。





浴槽に腕を沈め


手にした包丁をじっと見つめる。






「芳樹…今、行くね」





僕は……僕は……っ





こんなこと、望んでいないっ







一際強く叫んだ時


僕の真横にある、


バスカウンターに置いてあったシャンプーが


ガタンっと大きな音を立てて落ちた。




ビクッと肩を震わせて


紗香はカウンターを見つめる。




ころ、ころころと


シャンプーの容器が転がり


紗香の足にぶつかって止まった。





「どうして、落ちたんだろ…」



紗香は首を捻りながら、


シャンプー容器を持ち上げて


カウンターの真ん中に


それを戻しにやってきた。





ことんと静かに容器を置いて


立ち上がろうとした時だった。




鏡越しに紗香を見つめていた僕の目が


紗香の瞳と、ぶつかった。



紗香は目を見開いて、


何度も何度も後ろを振り返る。




目には涙がいっぱいだ。




まさか…




僕は紗香に近づいた。



鏡越しの距離がどんどん縮まっていく。




紗香も鏡の側へ寄り添い


僕の顔を見ていた。



そして、震える手で


近づききった僕の頬へ触れる。





温かい……紗香の温もりだ。





「芳樹……なんで……っ」



僕はまた泣きじゃくり始めた紗香の髪の毛へ


そっと触れてみる。




相変わらず、僕の手は透明人間で


紗香をすり抜けてしまうけれど




鏡に映る僕の手は


紗香の髪の毛をしっかりと撫でていた。





「……感じるかい?」



僕は、小さく耳元で囁いた。




「……感じるよ…っ」



紗香は僕の声に答えた。




死者の声が…届いた。



やっと、届いた。





僕は49日堪え続けた切なさを


出し切る様に声を上げながら泣き


紗香を強く、きつく抱き締める。




苦しい程に抱き締めて


「泣くな、笑えよ、頼むから」


そう、紗香に伝える。




「無理だよ…芳樹がいないと、私だめだよ」


「生きているんだよ、生きていけよ」


「一人でなんて…寂しすぎる、側に行きたい、連れてって」




僕は言葉の代わりに


紗香の首元へ顔を埋めた。




辛い…



こんな弱った紗香を残して


僕は行かなければならないのか





さっ、とどこからともなく風が吹く。



ああ、感じる…お迎えの時間だ。




僕の体は風に溶け始めた。


確かに感じているはずの


紗香の温もりも


感じなくなっていく。



「芳樹…?芳樹、やだ、やだよ、行っちゃいやだ!」
「紗香…よく聞いて」


僕はまだかろうじて残る指先で


紗香の頬に触れる。



紗香も最期の時を察したか


首を振って抵抗した。




頑固なところは昔からかわらない。


でもあいにく今は


頑固な紗香を微笑んで



見つめる時間もないようだ。




「紗香、聴いて」


声を大きく上げると


紗香はようやく静かになった。





「手付かずになってる病院から持ってきた僕の私物の中に、手帳があるんだ、それ、紗香にあげるよ。僕の命より大事なものが詰まってる…なあ、一体、なんだと思う?」




僕は一生懸命笑顔を作り


紗香の手のひらを握る。



僕の笑顔を記憶に残して欲しかった。






「芳樹っやだ……っ」
「紗香…、愛し」





そして、僕は完全に……風に溶けた。











夢を見ていたのだろうか。


亡くなった芳樹が家にいるわけがない。


紗香は思う。



でも、確かに残っている。


これは確かに夫の、芳樹の温もりだ。



紗香は涙を拭うと


先程まで手首を切ろうとしていた包丁を


置き去りにバスルームを出た。




「芳樹の……荷物」


手付かずになっている夫の荷物。


ダンボールにはガムテープが貼られたままだ。





西日が射し込む。
オレンジ色に輝いたダンボール箱。



ガムテープをぺり、ぺりと


恐る恐る紗香は剥がしていき、


とうとう蓋をあけるに至った。




中を探ると手の甲が


1冊の手帳にこつんとぶつかる。




手帳カバーは夕焼け色。


よく夕日を見ながら
河川敷を歩いたっけ。


涙が滲む…。




紗香は両手で手帳を


包むように持ち上げて、


息をつく。




「紗香にあげる…って、言ったよね」


芳樹の入院中、一度


手帳の中身が気になったことがある。




『 ねえ、その中、何が書いてあるの?』


そう聞くと夫はおどけてこう言った。


『初恋の女のこと書いてあるんだ、覗くなよ』





「やきもち…妬いたな。あの時」


とめどなく、流れ込んでくる思い出。


何度拭っても涙はきらきらと落ちていく。





「……芳樹の初恋、見ちゃうからね」


宙に投げかけた言葉。

承諾はとった、紗香は

手帳のベルトに手をかけた。




手帳を開くと、


芳樹の字が飛び込んできた。






『 2018年10月27日の紗香、赤のニット帽、白のブラウス、黒ニットカーディガン、オーカー色のスカーチョ、そこまで満点なのにブーツが合わない、そこが紗香らしくて可愛い』


紗香は、目を見開いた。


『 2018年12月24日の紗香、口紅の色が変わってた。昨日までの濃い色よりも今日の淡いピンクの方が僕は好きだ。キスしたかったけど、この間肺炎起こしたばかりだしな』


『 2019年1月1日、今年も紗香を想いながらはじまり、今年の暮れも紗香を想いながら終えたい』


『 2019年3月2日、今日は紗香の頬にチーク。化粧変えたか?なんて聞くのはあざとく思えて、言えず。本当は気付いてたよ、似合ってた』


『 2019年4月6日、とうとう常時車椅子…。落ち込む僕に紗香、芳樹がちっちゃくなって顔が良く見える、と励ましてくれた。久々に、紗香の唇を奪った、照れくさくて二人で笑う、幸せだ』


『2019年5月3日、紗香の誕生日。何処へも連れて行けない。それなのに紗香、優しく笑う。君の笑顔が僕の力になっていく。来年の誕生日は、夕焼けを見に日本海へ行こうか、紗香の好きな夕焼け、最高のロケーションで見たい』


『 2019年6月15日、紗香と喧嘩。最近喧嘩ばかり。泣き腫らした目を見るととても辛い。僕が苦しめてる…その事が暴言に拍車をかける…ごめん紗香、君が好きだ』




どこをめくっても


所狭しと書かれた文字。




どの行を見ても「紗香」


その名が飛び込んでくる。





最後のページには震える文字で


こう書かれていた。




『 2019年9月16日、さやかがぼくのたからもの、いのちをかけてまもりたかったひと、ぼくがしんでもいきてほしい』




死の、僅か二週間前の、日付だった。


芳樹の初恋の人は、紗香だった。


生命よりも大事なものは紗香だった。




「芳樹……っ、芳樹っっ」



してあげたいことは山ほどあった。
二人でしたいことも沢山あった。



うまくいかなくて
うまくできなくて


何度自分を責めたことだろう。



芳樹が亡くなってからも
毎日の様に後悔はやってきた。




「命…芳樹と半分こに…したかった」




そう、寿命が短くなっても
一緒に生きたかった。



でも、もう叶わない。
もう、叶わないから…



紗香は気が済むまで泣いた。
泣き疲れて眠ってしまうまで泣いた。






静かに朝は明け、紗香は目覚めた。



涙のあとをきれいさっぱり洗い流して


紗香は50日ぶりにドレッサーの前に座る。





芳樹の好きだった口紅をさした。


芳樹が褒めそこねたチークをいれた。





鏡の前で紗香は、笑顔を作った。








――それは朝焼けだった。


貴方が生まれた日。
そして私が生まれた日。


それは木漏れ日だった。


貴方と私が出会った日。
そして共に歩み始めた日。



それは夕焼けだった。


貴方と私が分かたれた日。
貴方が笑って私が泣いた日。




そしてまた朝が来た。



生きていくよ。
笑ってみるよ。



貴方が望むなら。

ひとひら☘☽・2019-11-23
幸介
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幸介による小さな物語
恋の足跡
小説
物語
幸介'sSTORY/死別
㊗オススメ㊗

過去の記憶
六年七ヶ月前のそれに
今も苦しめられている君

君は今日もきっとひとりで
耐えて仕事に臨むだろう

大きなあの子が
遊びに出掛けたので
先月と同じく職場に
差し入れを持って行ってきた

職場に着いたら君がいなくて
部長にこっそり聞いてみたら
体調を崩して休憩室だと言う

「行ってこい」
って部長に小声で促されて
休憩室にいってみると

真っ青な顔した君が
頭を抱えて震えていた

「先輩」
弱々しい君の声

「背中が痛い」
って君の訴え

「辛い」
って
「苦しい」
って

結局手近にあった袋に
二度、戻してしまった


いつもは低姿勢な君が
どんどんぶつけてくる想いに
私の心も悲鳴をあげて

背中を
撫でることしか出来なくて
なんにも言えないことが
とてもとても辛かった


「俺だけが
幸せになってしまった」
その言葉が何より痛くて

「そんなことないよ」
かけようと思った言葉も
なんだかチンケで結局は
何も、言えなくて


だけど君はもっと辛いから。

だって私よりずっと
寂しい想いをして
怖かったろう過去と
闘いながら過ごしてきて

今もこの日がくれば
辛さは溢れるように
君を苦しめている

私は君にずいぶん救われた
だから今度は私が君を救いたい

「どうしたらいい?」
って君に尋ねると

「かっこわるいとこ
見せたくないんでもう
一人にして」
って言う

いつもは私に甘え通して
泣き顔もばんばん見せるくせに

「今更」
って言ったら

「もう俺、貴女の夫だから」
って意地を張る

入籍したことで
意地を張るようになるなら
結婚に何の意味があるんだろう

ひとりで抱えきれないものを
ふたりで分かち合うために
私は、籍を入れたのに。

「そんななら私今から
離婚届書いて出してくるけど」
って私
君を見つめて言ったら
君は顔を隠して泣いて
「いやだ」
ってつぶいた


毎月11日は
こどもみたいになる君

きっとこの日だけは
精神年齢が18歳に
戻ってしまうのかもしれない


あの日
泣けなかった分

あの日
強がってた分

今、泣くのかもしれない


気持ちは
痛いくらいにわかる

何を言われても
納得できなくて
そんな自分に嫌気がさして

どうしていいのかわからずに
ただ周りに指摘されないように
笑って過ごして
辛さを追いやるから
あとで大爆発してしまう


何も聞きたくないなら
それでいいよ

何も感じたくないなら
感じなければいい

何も信じたくないなら
それでもいい

無理に信じろとは言わないし
感じろとも聞けとも言わない

だけどせめて
君が辛いときに側に置いてよ

ただの知り合いじゃないんだよ
ただの彼女でも、もうないんだよ


もう、私たち夫婦だよ。
だからね君が
辛いと思うことも
苦しいと思うことも
折半させてよ


ね、お願い。
私だけ君に背負わせるのは
もう、嫌だから。

まるちゃ・2017-10-11
後輩
あんぽんたん
夫婦
辛い
苦しい
折半
東日本大震災
爪痕

これらの作品は
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「妻と別れようと思う」


彼の言葉に心臓が大きく打った。



「…そう、なんだ」


私はそう告げて


ワインを一口含む。



私より二十も年の多い彼は


無論のこと奥様がいて


私はずっと家庭の


あれこれの聞き役だった。



男と女の関係はまっさらな程ない。




だけど私は彼の強さも


弱さも見つめてきて


とっくに彼が好きになっていたし


きっと彼も


私の気持ちに気付いていたと思う。



そんな彼が19年連れ添った


奥様と別れると言い出したのだ。



私の見たところ


彼と奥様はずいぶん早くから


上手くいっていなかった。



ぶっちゃけてしまえば彼は


奥様の不倫に悩まされている。



それでも彼は今まで


奥様との関係を貫いてきたのだ。





「何があったの?」


そう問いたくなるのは当たり前だろう。




「そろそろ潮時なのかなと思ってね」


彼は私の意に反して


自然とそうなったのだと言った。



「本当に、それだけ?」


「ずいぶん攻めるね」


「だって今まで耐えてきたじゃない」



食い下がって私は、彼を覗き込む。


彼は「参ったよ」と息をついて


ワインで喉を濡らした。



「今まで妻と続けてきたのは幼くして亡くなった子どもに申し訳ないと思っていたからだよ。でもね、妻は先日の子どもの命日をすっかり忘れて二日酔いで一日中寝入っていた…我が子の命日といったって二人で線香の1本もあげてやれなかったら、二人でいる意味なんてあるのかなと」


「それで、別れを切り出そうって?」


「うん」


彼の視線がワイングラスに落ちる。


キャンドルの火が


彼の目をゆらゆらと照らした。



「辛くはない?」


「……まあ、長年連れ添った思い出もあるからね、それなりには」


そう言ってから彼は


「でも、思ったよりは」と付け加えた。



「でも、思ったよりは辛くはないよ。それは君のおかげだと思うんだ」


いつの間にか彼の目が私を捉えていた。


視線がぶつかる。


息もできないほどときめいた。



「え…?」


「あ、いや、こんな時にこんな事を言うのは、ずるいだろうね」



彼はごめんごめんと


目じりに皺をためて笑う。



「いいの……嫌でなかったら、聞かせて?」



私は小さく、呟いていた。


すると彼は僅かに唸り


考え込んだ後、こう切り出す。



「好き合って、したはずの結婚生活は闇だった。努力もしたつもりだったけれど、妻にしたら何か欠落していたのかもしれないね。だけど俺も死にたくなる程の時もあってさ、そんな時、君がいてくれて、俺の話を聞いてくれた。変に気のある素振りを見せたこともない。ただ真剣に話を聞いて、俺と妻がうまくいくようにアドバイスをくれた」



「そんな君はね」


彼は続ける。



「俺の光だったよ」



ああ、駄目だ。


涙が溢れ出す。



「どうして泣くの」


彼が目をむいて、私に問う。


何処までも鈍感なんだから。



「だって…あなたの光になんて一生なれないと思ってた…」


そうだ。


一生、彼の光は奥様だと思っていた。


終わることの無い彼と彼女の関係


永遠の運命を手助けする脇役が


私の運命なのだと思っていたのだから。



涙くらい止まらなくて当然だ。



彼は、向かいあわせの


椅子を立ち上がると


私の隣へと移動して


おずおずと髪の毛をすく。



はじめて


彼に触れてもらった。


彼の腕の重たさが


心地よかった。




「妻と別れられるまで何ヶ月かかるか分からないけれど」


彼の声が間近に聴こえるのは


耳が彼にくっついているから。


至近距離に心臓がうるさい。




「俺は正式に妻と別れたら君に想いを伝えようと思う」



誠実な彼らしい言葉に


涙と共に微笑みが零れた。



「あー…」


「ん…?」


「プレッシャーに思わないでくれ。待たなくていい、誰か好きな人が出来たら迷わずそっちに…」



なんて、可愛い人。



「ううん…、待ってる」


「…本当に?俺はこんなおじさんだよ」


「…あなたを待ちたいの」



私は目を細めて


今更歳の差を気にする彼に


そう告げた。




私達の未来は


どうやら動き出したみたい。



ここからだね


きっとここから


私達の物語は紡がれていく。



あなたの新しい未来は


私が幸せで彩りたい。




…おしまい…

ひとひら☘☽・2020-01-27
幸介
幸介による小さな物語
幸介による疲れた人へのメッセージ
物語
小説
別れ
破局
紡がれる
あなたと私の物語
未来
独り言
ここから
結婚生活
君が好き
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愛してる
お楽しみ
誰かの実話かもしれない物語
心臓、跳ねた
誠実
ワイン
幸せ
彩り
失敗
結婚
離婚
彼女
叶わない恋
3つの宝物


みなさんお気付きかとは
思いますが…

夫と私はほぼ別居を
しています…
度重なる浮気や借金が
原因のひとつです

もう1つの原因は
アスベルガー症候群の夫の
振る舞いです

妊娠中にお腹を蹴られ
早産をして息子が
産まれ今中1です
私立の中学に寮生活を
しています…

息子と夫も反があわず
何度もケンカがありました

息子を守るため
かばい足を夫に蹴られ
骨折をした事も…

仕事は真面目な夫
外面が良い夫

もともと営業で
台湾や中国
韓国やアメリカに
行って
あまり帰ってきません

会話はありません

夫も恋人の頃は
優しく熱い男でした
結婚生活を続けるのも
息子を自立させてと
考えていました

夫はたまには帰って来ます
いらっしゃいませと言いたい

小石の夫はこんな人でした

小石・2018-02-09

貴方が私を愛してくれてるほど

私は貴方を愛せない

佐山 庵 🥀最新のお知らせ見てね🥀・2020-05-27
重荷なの、ごめんね
好きな人
大好き
彼女
彼氏
カレカノ
夫婦
ポエム
辛い
独り言

ちょっと苦かった…
別れた主人からの電話を取って
心が少し揺れてしまった

小石・2018-04-09
電話
にがっ

お金持ちだけど愛がない夫

お金はないけどたくさんの愛がある夫

皆さんはどちらがいいですか?

🍓🍼💭💕有名なうさぎさん🐰・2019-06-16
質問
お金持ち

貴女はいつか報いを受ける
一つの家庭を壊した罪よ


壊したつもりなんてない
ただ好きだっただけ

貴女はきっと
そう言うでしょうね



仕事と家事、子育て


貴女はほんの
息抜きのつもりかもしれない

夫と会うと
癒されるのかもしれない


でもね。
こっちだって生きてるのよ

帰らない夫を待って
たった一人で子どもを育ててる


貴女がいなければ
夫は家庭を見てくれた


純愛気取り
聞いて呆れるわ


そうやっていられるのも
今のうち

もうすぐ審判の時は
やってくるんだから。

報いを受けるといい


その時私は
高見から貴女を見下ろして

地獄へ落ちていく様を
焼き付けて


たった一言


「馬鹿な女」


嘲笑ってあげる

ひとひら☘☽・2020-09-10
mch
不倫
秘密の恋
心に刻み込んで逝きなさい
独り言
たった一言

私の誕生日.

花束を持った貴方は
少し恥ずかしそうだった.

ありふれた言葉より
嬉しかった花束.

ありがとう.

私と出会ってくれて
貴方の奥さんにしてくれて
本当にありがとう.

瑞穂・2019-12-01
ホスト
キャバ嬢
カップル
彼氏
彼女
旦那
夫婦
誕生日
花束
プレゼント
ありがとう

とりあえず夫がかわいい。
一回り以上年上だけど、
隣に寝たら(´-ω-)-ススス、と
手を繋ごうと伸ばしてくるところ
めっちゃかわいい。
見た目ちょっと穏やかな西郷どんだけどな!

茉莉花・2019-10-25
独り言



愛してます

ずっと

chisato*゜・2023-12-12
花束を君へ
大好き

冷たく小さな私の手を

暖かく大きなあなたの手で

包んでください。

うぐは❕❕・2020-11-30
好き10達成
寒い
包んで
彼氏
旦那
好きな人
私の手
あなたの手
おすすめのりたい

こんな私を選んでくれてありがとう。

私の全てを受け入れてくれてありがとう。

私が私を愛せるよう、
褒めて励ましてくれてありがとう。

たくさんのありがとうと、
愛してるを花束にして
あなたに送りたい。

あなたがいるから生きられる。
いつも本当にありがとう。

桜子・2024-09-19
花束を君に
夫婦
結婚
愛してる

たまたま見てしまった

旦那のSiriからの提案の中に

マッチングアプリがあったこと。

あなたはすぐ画面を消した。

それはやましいから?

私は見て見ぬふりをした。

正直なんて言ったらいいのかわからなかった。

別に浮気をしていたとしてもメッセージ送ってるだけ

だって毎日まっすぐ家に帰ってきて

休日も誰と出かけることも無く家族とすごしてくれる。

でも、それでも、悲しかった。

これ以上に無い愛を、

結婚前と変わらない愛を、

私はあなたに注いでるのに。

あなたは違ったんだね。

隣にいるあなたにバレないように溜まった涙を

零さないようにゲームしてる振り。

ばかだな。ほんと私って馬鹿だな。

透華・2022-05-26
悲しい
旦那
浮気?
幸せとは?
それでも好き

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