#小さきモノへ

誰もいない早春の森に

透きとおった風がふく

やわらかな陽がそそぐ水辺から

ちいさな命の息吹がきこえてくる

燃えるような茜色の空に

鳥たちの影が舞う

時おり声を交わしながら

黄昏に消えていった

仲むつまじく戯れあう鳥たち

その刹那うつろな空もいきいきと輝く

しあわせな時を大切に

そしていつまでも続きますように

嗚呼…

お腹がへったニャ

でもご飯はまだない

なんかおくれ

逝ってしまった君へ


８月になるといつも思い出す

小さな体で精一杯生きた君を

僕らより早く時間が経過する君にとって

一日一日はずっと貴重なんだよね

だから一分一秒でも長生きして欲しかった

君をペットだなんて思ったことはないよ

だって大切なパートナーだったから

ありがとう

来たるべき

季節を祝福するかのように

春雪が空を舞う

ひと片ひと片…

桜の花びらのようなそれは

北風小僧の置き土産

うららかな春風にのって

僕らはいま旅立つ

見た目で判断するニャよ

これでもデリケートなんだニャ

ブルブルブル…

夕闇せまる森を

冷たい風が吹きぬける

梢の先に芽吹いた

小さな命を愛でるように

ざわめく木々

翔ぶ時を知る鳥

恐る恐る翼をふるわせ

その瞳のさきに

ちっぽけな未来を見すえて

はでな花より

野に咲く素朴な花が好き

そのまま

そっとしておいてやろう

いつまでも咲いててくれるように

ヒマワリ
Helianthus annuus

花言葉
私はあなただけを見つめる・憧れ






向日葵は太陽の花

お日さまを追いかけ

明るい光をふりまく

でも君はしらないだけさ

僕だって哀しい時があるんだよ

なにげない日々の中

愛しい君と素朴な千種に

命のきらめきを見た

あてどなく漂う鳥たちも

季節の移ろいはしっている

人の心のように揺れ動く

秋の空の儚さを

艶やかなアマリリスの花

笑顔を浮かべた

アルラウネの唇を想わせる色は

夏にこそ似つかわしい