#狭い

いつのまにか


本当の自分が


見当たらなくなっていた＿＿

枯れた「生きたい」に

纏わりついた「死にたい」

まだ少し足りないと

責められた努力は凍る夜空へ

"普通でしょ"

"普通になりなさい"

"普通は"

普通普通普通って

その2文字だけで

何人分の心を潰してきたんだろうな

”こんな狭い世界”

そう誰かは嘆くけど

”こんな狭い世界”だから

貴方と出会えたのかも

自己紹介

名前‥芥(あくた)

中学生

like‥
狭い／暗い／夜／月／星

Don't like‥
広い／明るい／太陽／人／うるさい人

[4文字]
































ポツポツと音が部屋に響く


4文字の言葉が私を変えた。



軽い気持ちだった。



ただ、どうしようもない毎日が


嫌で嫌で苦しくって。




吐き出し場所がそこしか無かったから。


SNSという世界は、広かった。



想像以上だった。





初めてその世界に触れた時、


気持ち悪くなった。





広すぎて多すぎて。


人の数だけ人の考え方があった。



言葉の形も人の数だけ。




まるまるしたのもカクカクしたのも。









そんな中で私一人が呟くのに


誰も気づかないと思ったんだ。




呟いてから数日後だった。


メッセージが来ていた。





顔も名前も分からない人。



大学生と書かれていても


そうだとは限らない。




女子高生がおじさんだったり、


お姉さんが中学生だったり。



だけど、まだまだ世界を知らない私は、


その人と会うことにした。
















本当の大学生のお兄さんだった。


黒縁眼鏡が良く似合う高身長の。



名前は、ニックネームだけ。





私は、ツキ。


お兄さんは、ソラ。





安っぽいアパートに連れられて


古そうなちゃぶ台の前に座った。



こんなのしかないけど、


そう言うとお茶とチロルチョコを貰った。




これ好きなんだ、


そう笑う顔に何だかほっとした。






それじゃあ、


暫くの沈黙の後にそう切り出された。




さっきからお茶を飲んでいるはずなのに


喉が物凄い枯れていた。





頷くだけの私。






















そっと首に手を当てられた。




ソラさんの目は、私をしっかり捉えて


離そうとはしなかった。




自分以外の体温に触れられることが


こんなにも寒気がするなんて思わなかった。





















怖い




怖い






こわい




こわい








くるしい








いや


























しにたくない

























思わず出ていた言葉で体温が離れた。




暫くの間、私の呼吸音だけが響く。






落ち着いてから顔をそっとあげると


ソラさんが抱きしめてくれた。


















生きてね




























止まらない涙は、何が原因なのか


分からなかった。



でも、私は、さっきまでの体温が


優しくてずっとこのまま、と思った。
























ピンポーン




この音が終わりの知らせだった。




















ソラさんは、警察に連れていかれた。


隣人が私の声を聞いて通報したようで。




青い服の人が私によりかかって


大丈夫？大丈夫？


と馬鹿みたいに同じことを繰り返す。





声が枯れたままの私は、


涙を止めることさえ出来なかった。




















数日後、ソラさんがニュースに出た。


本名が晒されて。




私は、少女と書かれて。








ソラさんが全部悪いみたいに


ニュースキャスターは言っていた。



聞くのが嫌でリモコンを投げた。



















私が呟いた。


私が会いに行った。


私がお願いした。



私なのに。全部。全部。



































世界は、広いようで狭かった。
































会いたい人に会えるまで生きてみた話。

瞳にも映らない遠くから交わした

君への愛との窮屈な“またね”に

まだ気付かないのね

　　ｾｶｲ
この狭い檻の中から
ｷｴﾀﾗ
抜け出せたらどんなに

楽かなぁ＿＿、

世界の広さを知りながら

今日も僕は

狭い世界でひっそり息をしている

今日も僕は一人静かに

“生きている”

世の中には、
言葉と暴力の雨が降り続けていて

人は自分を守る為にに傘を差す

でもいつしか、
それすら狭くて息苦しいと
感じるようになってしまった。

海は広い
君の心は広い

川は狭い
私の心は狭い

理不尽な両親のせいで
苦しんでるのは
君だけじゃあない。

どうしても解らない
難しい問題で
苦しんでるのは
君だけじゃあない。

上手くいかない人間関係、
苦しんでるのは
君だけじゃあない。

周りと差を感じて
劣等感が湧いてくるのは
君だけじゃあない。

甘酸っぱい片思い、
心が苦しくなってるのは
君だけじゃあない。

人間なんて、大人なんて、
汚いって思っているのは
君だけじゃあない。

自分には才能がないんだ、
努力が足りないんだ、
と思って苦しんでるのは
君だけじゃあない。

息の詰まるような社会を
今日も頑張って
生きているのは、
君だけじゃあない。


そう、君は

一人じゃないから＿。

頑張ってる人をバカにする…

そんな狭い世界で、いいのだろうか

世界は広い

ネットの世界は狭い

この世界が狭すぎて


彼はあの日


広い世界を求めて


羽ばたいたんだ＿＿