ハルユー・2024-11-17
解泡(カイホウ)
知らない街なのに
懐かしいと感じる
誰もいないのに
呼ばれたような気がして
見まわした景色
心が帰る場所を持たない私を
慰めるように
ガラスの海で鳥が鳴いた
諦めてもいいよ
逃げたっていいんだよ
許せないキモチも
泣きたい感情も
全て包み込んで溶かしてしまおう
鮮やかな光に晒されながら
やがて全てを
受け入れられる時が来るから
自分を護ることは
決して罪じゃない
だから今は泣いてもいいよ
叫んでもいい
闇の中から舞い踊る
星のカケラ達
手のひらでとけた
なんか悲しくて
泣けた
生まれてから今までの
哀しみがやがて
白く私を包み鎮めてゆく
眠らせて
しばらくそっと眠らせて
また春が巡る時
その哀しみは
優しさと共に芽吹くから
花一輪
携えてキミを思う
ひとひらの花びら
あの日流した涙
枯れ落ちた花にさえ
思い出は寄り添い
また季節を巡らせる
花一輪 また来る季節
携えて会いに来る
鮮やかな思い出の中の二人に
胸の中に
泡立つ思いを
解き放ち
キミの元へ
駆けて行けたなら
したたかに生きられたなら
この騒つくキモチを
楽しめたのかも…
自分の弱さを嘲笑い
コーヒーをすする