#言の葉の迷宮

残酷な真実を

告げられるぐらいなら

夢心地の嘘で

騙し続けられたほうがいい

愛を紡ぐために

言の葉の断片を探して

今日も迷宮の中を彷徨う

永遠なんて存在しないことは

百も承知してるよ

でも信じずにはいられないんだ

この愛は永遠だってね

だから言の葉を紡ぎ続けるのさ

なかなか逢えないなら

夢でもいいから逢いたい

そういう君の言葉に

継ぐ言葉が見つからない

スマホのむこうから聴こえてくる

アンニュイな声は

初夏の陽気にさそわれ

微睡む君の姿を想像してしまう

だけど「寂しいの」という一言は

ごめんねという言葉をのみこんだまま

すぐに返事ができなかった

渡すことができなかった

書きかけの手紙

十六の春は

残酷に過ぎ去っていったけど

その想い出は今もここに

どんな花よりも美しく

どんな星よりも明るく輝く

暁の星になろう

そう呟きながら

彼は堕ちてゆく

静かに離れてゆく紙飛行機

僕の想いを乗せて

いざ旅立つ

甘い言葉はあてにならない

夢から覚めれば残るのは虚しさだけ

もしも

心の内面を映す鏡があったら

人間関係なんて

すぐ壊れてしまうかもしれない

知らない方が

幸せなこともあるんだよ

また明日は現在進行形の約束

さよならは過去進行形の約束