#音で遊んだ詩

届かぬ聲と知りながら

まるで孤独を歌う鯨たち

誰かの思いが堕ちたのか

君の想いが浮かんだのか

どうしようもない強がりは

木の葉にキスしてバイバイ

足は空を駆けてくれないから

想いを空に翔けてみたんだよ

誰でもない私を生きて

幾年もＩを紡いでいこう

鳴り止まない心の雷鳴

晴れてるように魅せてるだけ

思い出したら泣けてくるような

苦い想い出はいつまでも消えないの

夜が更けたら明けるだけ

この苦しさも癒えぬままに

肌が焼けた

それは夏だから

心が妬けた

それは夏だから？

捨てた想いを掬い合わせて

他でもない自分を救わなきゃ

雨空の中笑って魅せた

今涙を流しても誰も気づかないから

"強くなったね"だってさ。

苦しさの息場所が増えただけ

花の馨りが鼻を擽って

帰らぬ日々が胸を裂いた

＿＿蝉が、鳴いた。




卵から孵り、数年地中で過ごし、夏の夜に地上に出て、近くの木を攀じ登り、殻を破って抜け出した個体は、そのまま自由な空へと飛び出して行った。


勢いよく声を張り上げ、パートナーを呼び、夏の酷い暑さとその必死な姿がどこか妙に重なって、響き合いながら溶けていく。


やがて、一週間で音を止めた。
静かに消えた、蝉が泣いた。

哀しい哀しい言葉の中に
ｶﾅ　　　 　　　　　 〜
愛しさも混ざっていたのかな