伊田よしのり・2025-05-04
ポエム
魔女
ねるねるねるね
ねるねるねるねに映った私の姿を見て、私は愕然とした。そこにはあの魔女が映っていたのだ。
憲法記念日といっても
君は知らん顔をしている。
しかし、ねるねるねるねも
憲法と無関係ではない。
「こうやってつけて、うまい」
という条文は
あの魔女が姿を消してから
1度も改変されることなく
守られているのだ。
楽しい時間は
色がすぐに
変わってしまうように
あの魔女が、
魔法をかけた。
あの魔女は
意地悪なのだ。
僕は、手伝ってあげられないのだ。
ねるねるねるねを練ろうとするあなたの前に、
あの魔女が、
立ちはだかったとしても…
その昔
ねるねるねるねの色は
長い年月をかけて
ゆっくりと変わるものだった。
ねるねるねるねは
人々にとって
自然そのものだった。
しかし
あの魔女が現れてから
すべてがおかしく
なったのだ。
職業選択の自由が広がって
市民はある意味で不自由になった。
昔は、魔女になれない人は
ねるねになればよかった。
色は全部、あの魔女が決めてくれた。
今では、あなたは、
自分で色を決めなければいけない。
そして自分自身で
練らなければいけないのだ。
「練りたい背中」とは
2003年頃にあの魔女が書いた
中編小説であり、
この作品は
芸術化産業賞を
受賞したのだ。
あの魔女に会うまでは
ねるねるねるねは
1人で練るものだと
思ってた。
あなたが練らなかった
「本当の理由」を
あの魔女は
お見通しなのだ。
アメリカの大統領でさえ
色に関税は
かけられない。
つまり
アメリカの大統領でさえ
あの魔女に
口出しは
できないのだ。
練っておいしいというのが本当だったとしても
あの魔女に指図されるくらいなら
私は練らないことを選ぶのだ。
人がいなくなった街で
ねるねるねるねを練る夢…
もう少しで色が変わるというところで
いつもあの魔女が笑いながら追いかけてくる。
練るのはあなたでも…
判断するのはあの魔女なのだ。
色が変わったのは
偶然ではない。
すべてはカネボウの
シナリオ通りなのだ。
こんな、初夏みたいに暑い夜には
ねるねるねるねを練りながら
ビールが飲みたい。
しかし、ぼくは
もう練らないと
あの魔女に約束して
しまったのだ。
さて、ここに2つのねるねるねるねがある…
1つは、あの魔女の為のもの。
そしてもう1つは、あなたの為の、ものなのだ。