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#─牛丼ららばい─

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全4作品・

⚠こちらは、文豪ストレイドッグスの夢小説です。

文スト創作キャラの金子みすゞさんが、宮沢賢治くんに恋愛感情を抱いている描写があります。苦手な方は、お気を付けください。

今回も前回と同様、恋愛要素がほとんどありません。
ご了承ください。










【牛丼ららばい】



中編



「…えっ。そうなんですか?」

賢治は、高橋の顔をまじまじと見つめる。

「うん、実はさぁ、掛け持ちで働いてるコンビニの方で、店長にならないか、って言われてさ…」

頭をかきながら、高橋は言う。

「でも、牛丼屋で働き始めてから結構経つから…、なんか辞めます、って言いにくいんだよ。」

「それに、愛着もあるしね。」

賢治は、目をパチクリさせる。
きっと、凄いことなのだろう。

「じゃあ、店長さんに言わないと!」

でも、と高橋は口をもごもごと動かす。

「人間、素直が一番ですよ!はやく行きましょう!」

賢治が、高橋の腕を思いきりひっぱった。

「い、痛い痛い!ちょ、賢ちゃん、痛いから取り敢えず離して!」

行くから、行くから、と小さな悲鳴をあげる。

そして二人は、牛丼屋に向かった。


「なるほど…。そうだったのか。」

高橋は、店長に賢治に言ったことと同じ話をした。

「…すいません。無断欠勤なんかして。」

椅子に座りながら、高橋は頭を下げる。

「高橋くん」

店長の声に、高橋はビクッと肩を震わせる。

何を言われるかと思ったが、店長は優しく微笑む。

「君の道は、勿論君が決めて良い。ただ、僕は、君の作る牛丼が好きだ。」

高橋は、バッと顔を上げる。

「僕も好きです!店長が作る牛丼より、高橋さんが作る牛丼の方が美味しいです!」

賢治も、店長と同じように優しく微笑む。

「え、賢ちゃん、それは傷つくよ…!?」

店長が、ショックを受けたような顔をする。

高橋は、もう一度、下を向いた。
そして、少し時間が経ち、また顔をあげる。

「…俺、牛丼屋、続けます…!」

店長と賢治は、目を合わせる。

「ほ、ほんとかい?高橋くん?」

「はい」

店長の目を、高橋は真剣な眼差しで見つめる。

「良かったです!」

わー、と賢治は、手をパチパチと叩く。

それと同時に、グゥーと大きな音がした。

「…僕お腹空いちゃいました。」

えへへ、と恥ずかしそうに頭をかく。

「食べていきなよ。高橋くん、厨房、入れる?」

店長が言う。

「はい!ちょっと待っててくれよ、賢ちゃん。美味しい牛丼、作るから!」

高橋は、二カッと笑う。

「はい!楽しみに待ってます!」

賢治も嬉しくなり、大きく返事をした。



プルルルルル、と探偵社の電話が鳴る。


「はい、武装探偵社の国木田です。」

「…はい。申し訳ございません。すぐ社員をよこします。」

国木田は、受話器を置いた。

「…みすゞ、悪いがここの牛丼屋に行って、賢治を持って帰ってきてくれ。満腹になって眠ってしまっているようだ。」

国木田は、住所と簡単な地図を書いたメモをみすゞに渡す。

「あ、はい。了解しました。」

みすゞはメモを受け取り、すぐ出る準備をする。

「まったく、どいつもこいつも…」

ボソッと国木田が呟く。

あの後、すぐに太宰がどこかへ消えてしまい、国木田が、太宰の仕事をやっている。

(大変だなぁ…国木田さんも)

そんな事を思いながら、みすゞは探偵社の扉を開けた。



「んと、ここ、ですかね?」

みすゞは、小さな店の前へやってきた。
店の名前や、メニューを見る限り、ここで間違いないだろう。

「あのー、武装探偵社の金子です…。賢治さんを回収しに来ました…」

扉を開いたみすゞは、小さく悲鳴を上げた。

そこには、たくさんの男性。

「あぁ、武装探偵社の。あの、ごめんね。実はあの後すぐ起きちゃって…」

店長が、苦笑いを浮かべる。

「あれ、みすゞさん?みすゞさんも牛丼屋食べに来たんですか?」

カウンター席に、賢治がいる。

どうやら、周りの男性客と話をしていたようだ。

「あ、あ、あの…。賢治さん。早く帰りましょう。」

キョロキョロと周りを見ながら、みすゞは賢治に言う。

「はい!では、皆さん、さようならー!」

賢治は元気に手を振り、牛丼屋の扉を閉める。

「賢治さん、何やってたんですか?今まで。」

みすゞは、ふと賢治に聞く。

「とても、楽しかったです!歩きながら、お話します。」

そして二人は、探偵社に帰っていったのだった。

リリリ 文スト好きと繋がりたい・2022-04-08
よければ感想お願いします。
夢小説
二次創作
─牛丼ららばい─
文スト夢小説
文スト創作キャラ

二次創作文ストオリキャラ設定

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名前:金子みすゞ
年齢:14歳
誕生日:4月11日
身長:155.8cm
体重:46kg
血液型:A型
好きなもの:読書、ワカメおむすび、日傘
嫌いなもの:男性と接する事、雨傘
異能力:星とたんぽぽ

異能力発動時に鼓が現れ、それを使い攻撃をする。
鼓を打つ回数によって、攻撃方法が変わる。

一回打ち…流星(光弾)が、五つ出現し、爆発を起こす。三回打ちより威力はかなり弱いが、隙ができにくい。

ニ回打ち…フェイント、たんぽぽが一つ、宙から舞う

三回打ち…鼓が輝き、彗星(光弾)が出現する。光弾は曲がり、敵を追尾し砕く。敵に光弾が着弾した瞬間、彗星が爆発する。

三回打ちは最も威力が高いが、これを打つと隙ができてしまう。


容姿:黒髪、黒目。髪は低めの位置でお団子にしている。
性格:成績優秀で、心優しく、誰からも好かれる。

探偵社では、与謝野晶子に可愛がられている。
太宰治とは、相性が悪い。


夢小説

『きみと花火を』
『パステルサマーの背中』
『牛丼ららばい』
『シュークリーム・ボーイ』
『星空』
『おはようの恋心』
『雨に聞こえる』
『この空の向こうに』
『月光の肖像』
『マリンスノーに恋をして』
『あなたの大空』
『ガラスのQ』

よければ見てみてください。

リリリ 文スト好きと繋がりたい・2022-04-07
二次創作
文スト夢小説
文スト創作キャラ
夢小説
─きみと花火を─
─パステルサマーの背中─
─牛丼ららばい─
─シュークリーム・ボーイ─
─星空─
─おはようの恋心─
─雨に聞こえる─
─この空の向こうに─
─月光の肖像─
─マリンスノーに恋をして─
─あなたの大空─
─ガラスのQ─

⚠こちらは、文豪ストレイドッグスの夢小説です。

文スト創作キャラの金子みすゞさんが、宮沢賢治くんに恋愛感情を抱いている描写があります。苦手な方は、お気を付けください。

今回も前回と同様、恋愛要素がほとんどありません。
ご了承ください。










【牛丼ららばい】



後編



「え、異能力訓練ですか?」

ある日、みすゞは、与謝野とソファで話をしていた。

「あァ。アンタにもそろそろ異能を使い慣れてほしいからね。」

みすゞは、ここに来てから二ヶ月ほど経つが、任務はまだしておらず、事務仕事がほとんどだ。

「探偵社とちょっとした縁がある弓道場があってね。誰かにコーチでも頼んで、ここで訓練してくるよーに。」

与謝野は、住所を書いた紙切れをみすゞに渡す。

「誰かって、与謝野さんは…」

そうみすゞが聞くと、与謝野は不敵な笑みを浮かべた。

「妾は、敦の治療をしなくちゃいけなくてね…。悪いけど、他を当たってくれ。」

与謝野は、ふふふ、と笑う。

「わ、分かりました。」

(敦さん、大丈夫かな…)

と思いながら、みすゞは自分の机に一度戻る。

敦は…与謝野の治療
鏡花は任務
太宰は失踪
国木田は仕事に追われている
乱歩も、事件を解決しに外出
谷崎はナオミと買い出し

(ていうことは、一人しかいないですね…)

みすゞは、鉢を手に取り眺めている賢治に声をかける。

「賢治さん、すいません。」

「与謝野さんから、異能力の訓練を言い渡されたのですが、コーチをしていただけませんでしょうか。」

すると、賢治は明るい声で

「コーチですか!良いですよー。」

と笑う。

そして、さっそく二人は、弓道場へ向かっていった。


「んーと、まずは何をするんですか?」

賢治は、みすゞの方を向き、首を傾げる。

「んー取り敢えず…」

みすゞは、異能力を発動する。
ポォっと周りがひかり、鼓が出てきた。

「えーと…、あの的に、まず的確に攻撃を当てるのと…」

「対人戦…ですかね。」

みすゞは、人差し指で弓道用の的を差し、そして、賢治の方へ目線をよこした。

「なるほどー!では僕はまず、みすゞさんの的あて練習を見ていますねー!」

元気な声で言う賢治。

「はい、よろしくお願いします。」

みすゞは、礼儀正しくお辞儀をした。

そして、的に目を移す。

(真ん中に、集中。)

ポンっと、みすゞは、一回打ちをする。

五つの流星が、的に向かって飛んでいく。

ボンッ、と、小さな爆発が起きる。

「おぉ、これは…」

みすゞは、的の方を見つめる。

流星は、全て的に当たっていた。

「案外、早く対人戦にいけそうですね!」

賢治が、おー、と拍手をする。

みすゞは、少し驚きながら

「…ですね。」

と答えた。


「よーし、はりきっちゃいます!」

あの後、様々な角度から的に流星を飛ばし。一応、全て的には当たっている。

そして、今、みすゞと賢治は向かい合っている。

「お手柔らかにお願いします。」

(集中、集中)

ふぅ、と息をはき、賢治をじっと見る。

「あの時計の針が、十二のところにいったら、開始ですよね!」

賢治が言う。みすゞは、コクンと頷いた。

カチ、カチ

カチ、カチ

カチッ


「スタートです!」

秒針が十二のところにいった瞬間、賢治がみすゞにザッと近づく。

それと同時に、みすゞは一回、鼓を打った。

五つの流星が、賢治に向かって飛んでいく。

(…外れたっ!)

ならば、とみすゞは、鼓を三回打つ。

彗星のように輝く光弾は、賢治を追尾する。

「おぉ!」

賢治の背中で、彗星は、大きな爆発をおこす。

煙が、弓道場に広がる。

(賢治さんは…!)

みすゞは、辺りを見回す。

「ここですよ、みすゞさん。」

賢治の声が、後ろからする。

賢治は、みすゞの両手を後ろに回し、どん、と床に体を落とした。



「んー、みすゞさんは、遠距離攻撃では戦力になりますが、僕や敦さんのような、近距離攻撃型の人と戦うときは、かなり不利になりますね。」

少し汚れた弓道場で、賢治は言う。

「それと、みすゞさんの体力を考えると、現時点での長期バトルは難しいでしょう。」

みすゞは、持ってきていたメモ帳に、そのことを書き込む。

「分かりました。改善策を出しておきます。」

「有難う御座いました」

みすゞは、ペコリと頭を下げる。

「いえいえー!」

賢治は、活気のある声で言う。

グゥゥ

そして、賢治の腹も、大きな音を出した。


「ふふ、賢治さん、特訓のお礼に、牛丼、奢りますよ。」

クスクスと笑いながら、みすゞは言う。

「本当ですか!やったぁ!」

さっそく行きましょう!と、賢治はみすゞの腕を引っ張る。

「僕、おすすめのお店があるんです!」

二人は、駆けだしていった。



「ふふ、もう食べられません…」

賢治は、さっそく牛丼を三杯食べ、眠ってしまっている。

「牛丼ららばい。賢治さんにとっては、牛丼は子守唄のようなものなのでしょうか。」

みすゞは、賢治の寝顔を優しく見つめる。

そんな二人を、高橋と店長は、ニコニコしながら見ていた。

ーENDー

リリリ 文スト好きと繋がりたい・2022-04-09
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文スト創作キャラの金子みすゞさんが、宮沢賢治くんに恋愛感情を抱いている描写があります。苦手な方は、お気を付けください。

今回、みすゞさんがまったく出てきません。
恋愛要素もほとんどありません。
ご了承ください。










【牛丼ららばい】



前編



「お、賢ちゃん。いらっしゃい」

カラン、と開けた扉の先には、いつもと変わらない光景。

賢治は、今日も牛丼を食べに来た。

「こんにちはー!いつものお願いします」

いつも通り、大盛りを一つ頼む。

今日は、少し早い時間に来たためか、客はほとんどいない。

「あれ、今日は高橋さん来てないんですか?」

賢治は、カウンター席につき、辺りを見回す。

この牛丼屋には、賢治と仲の良い店員、高橋という男性がいる。

彼の作る牛丼は抜群に美味く、彼の作った牛丼なら、何杯もいける。と賢治はいつも言っているのだ。

ほとんどの時間帯にいるのだが、今日は珍しく居ないようだ。

すると、店長がやってきて、暗い顔をしながら言う。

「実は彼、最近無断欠勤が続いていてね…。普段は真面目だから、なにか深い理由があるとは思うんだけど…」

「もしかしたら、不測の事態に陥ってるかも…なんて事も考えてしまうんだよ。事故とか、病気とか…」

「彼、アパートに独り暮らしだからさぁ…心配なんだよね。」

どうしたんだろう…と、店長は、小さなため息をつく。

「店長さん、アパートには行っていないんですか?」

「それがさぁ、僕の立場上、店留守にするわけにはいけなくてさ…。」

店長は、さらにため息をつく。

賢治は、少し考えてから

「よろしければ、僕が行ってきましょうか?」

と店長に提案する。

「…良いのかい?」

店長は、賢治の顔を見つめる。

「僕はこれでも、探偵社員ですよ!」

賢治は、そう言い、ニカッと、笑った。



「け、賢治さんが…無断欠勤…!?」

次の日、みすゞは驚いた表情で国木田を見ていた。

「そんな事するのは、太宰さんだけかと思ってました…」

みすゞは口に手を当て続ける。

「まぁ賢治は、太宰のように、サボりが理由ではないだろう。」

国木田は、太宰のように、というところを強調して話す。

「ちょっと、二人共ー。さっきから私に失礼じゃない?」

ひょこりと、横から太宰が顔を覗かせる。

「本当の事だから、仕方がないでしょう…」

みすゞはボソッと呟く。

「まぁ、そういう事だ。分かったら仕事に戻れ。」

メガネをクイッとあげ、国木田はみすゞに言う。

「わ、分かりました。」

みすゞは、事務作業に戻っていく。

(大丈夫かな、賢治さん…)

そんな事を、考えながら。


「うーん、いないんですかね…?」

インターホンを押しても、高橋からの応答はない。

「んー、取り敢えず、牛丼屋に帰りますか…」

そう呟くと、賢治はアパートから離れていった。

「店長さん、高橋さん、アパートに居ませんでした。」

牛丼屋の扉から、ひょこりと首をのぞかせ、賢治は、作業をしている店長に声をかける。

「んー、そっかぁ…。いなかったかぁ…」

店長は、さっきよりもさらに暗い顔になっている。

「ん?高橋くん、今日休みじゃなかったんだ。」

ふと、カウンター席で牛丼を食べていた男性が言う。

「探してるの?俺、港の方で見たよ。ぼーとつったてて、特に急いでた様子もなかったから、てっきり休みなのかと思ったけど…」

賢治と店長は、一瞬目を合わす。

「僕、港の方へ行ってきます!」

「有り難う御座いました、おにいさん!」

賢治はそう言うと、いそいで港の方へ走っていった。

「…俺、おにいさんって言われる歳じゃないんだけどな…」

男性客が呟くと、店長は

「そういう子なんだよ、賢ちゃんは。」

と、少し微笑んだ。

「…あっ!高橋さん、見つけました!」

賢治は、港付近のベンチに座っていた高橋を指差す。

「…賢ちゃん!?なんでここに…」

高橋は驚いたような顔をして賢治の方を向いている。

賢治は、さっきまでのことを高橋に話した。

「店長が…そっか。」

高橋は、うーん、とため息をつく

「賢ちゃん、俺実はさ」







「牛丼屋、辞めようと思ってるんだ。」

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