はじめる

#あの夏が飽和する。

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全192作品・

自己紹介٩(๑❛ᴗ❛๑)۶✌︎✨(今質問コーナーやってるよ!)

名前:殿厨(仮)

誕生日🎂:2月11日(建国記念日なんだ〜なんか自慢)

年齢:13歳(いつ死んじゃうんだろう)

出身地:岩手県!!

性別:女(男になりたかったなぁ)

髪型:ロング
来世ラプンツェルになるんだ(≧▽≦)w
今9年目なんだ!あと1年で10年間だよ(笑)
1mいったよ(≧▽≦)質問よろしく(∩´∀`@)

身長:153cm 身長欲しい・*・:≡( ε:

大切な日!!:2021年4月3日!!
2021年5月15日!!

部活:バドミントン部!(楽しいよ!!)

性格:構ってちゃん
メンヘラ
変人
バカ
飽き性
空気読めない
死にたがり
豆腐メンタル
騙されやすい
馬鹿正直
嘘か誠かわかんない
厨二病
ドジ
夜行性
たまぁにガチ勢

癖:不安になると髪をさわる

(元テックトッカー)Mirei😑

(元ポケカラ民)Mirei@メンヘラ

裏垢:Mirei@(長いので省略)
殿厨と申します@メンヘラ

好きな歌:正しくなれない
キルマー
名前のない歌
うっせえわ
あの夏が飽和する
ナンセンス文学
アスター
ドーズ
孤独の宗教
敗北の未来地図
ENVY
合言葉Ⅲ
妄想感傷代償連盟
命に嫌われている
お願いマッスル
スキスキ星人
タイムカプセル
アイデンティティ
魔法
君の神様になりたい
404
追い風
忘れと時の言の葉
笑顔
天ノ弱
溺れる宇宙猫
ヴァンパイア
怪物
廻廻奇譚
アスノヨゾラ哨戒班
贖罪
サイレントマジョリティー

好きな人:だいたい知ってる人!
みんな大好きだ(≧ω≦)
特に先輩大好き♥

好きな物:レゴ
塗り絵
ポスター
スマホ

嫌いな物:湿布
毛虫

ぬるいもの
髭(๑˙灬˙๑)
誹謗中傷

嫌いな人:いない!
これでいいのか…

好きな食べ物:お寿司
ヨーグルト

みかん
なし
いちご
トマト
ゆで卵の黄身
茶色いご飯

嫌いな食べ物:なす
にんじん
ゆで卵の白いところ

好きな歌い手:フィッシャーズ
すとぷり
KnightA
アンダーバー
P丸様
闇垢総本部
ころんの実況

好きなアニメ:呪術廻戦
約束のネバーランド
賭ケグルイ
スポンジボブ
はなかっぱ
ねこねこ日本史
鬼滅の刃
ヒックとドラゴン
素晴らしいこの世界

好きなアニメのキャラ:虎杖悠仁
レイ
生志摩妄
パトリック
真田幸村
堕姫
ラフ
みさき四季

好きな言葉:「偽り」「贖」

嫌いな言葉:「幸」「荒」

好きなドラマ:青のSP
ゲームシェイカーズ
ゼンカイジャー
グッドドクター
ドラゴン桜

今の悩み:人を嫌うことが出来ない悩ましい。
死にたくてたまんないw
宿題終わんない
自分のことをちゃんとみんなに伝わっているか
すぐイライラする

最近頑張ってる事:早起き!
集中する事!

自分の病気:アスペルガー症候群
ADHD
偏平足
オズグッド病
ペッパーくん恐怖症
ピエロ恐怖症
地震恐怖症
不安症

来世になりたい事:虫
宇宙人
自分と性格が真反対な人
  天然!

好きな絵文字=^・ω・^=(≧▽≦)(*´³`*) ㄘゅ💕

長所:ない!!!!

短所:ありすぎてヤバいwww

我の友達が言ってくれた嬉しいこと(≧ω≦)
●可愛い(•ө•)♡
●優しい(´ω`*)
●天然(。ì _ í。)
●大好き(๑♡∀♡๑)
●ドジ╰(*´︶`*)╯
___________________
NOTE15でのお約束!!!!(自分の)

好き連:愛のあるすき連ならよし!

贈り物:変な投稿でも贈り物してくれたらあなたは友達!
贈り物送るのも大好き(≧ω≦)

好き:普通に嬉しい♥

トーク:人と沢山話したい!
なんにも言わないでトーク開いてもいいよ!

我の自己作成タグ!

# 大好きな殿

# 我の好きな人

# 全ての別れてまた出会う人達へ

# 先輩は言ってくれた

# 我の質問コーナー

# 無限か有限か

# 大好きダオ!

# 我の友達

# 仲良し宣言

# 不平等条約

# 生きる意味なんてこれっぽっち

# 我と迷子犬

# 我も部活動

# 今日のおはよう
顔出し:NG

投稿:1日15回目標!

通知:OFF


NOTE15を開ける大体の時間

午前:5時40分~7時30分 午後: 7時~10時(。ì _ í。)

大切な方々!

うみのせいとん!(≧▽≦)
sana♡!(≧ω≦)
yura☆!(≧ω≦)
雨季!(≧ω≦)
むきりょくん。!(≧ω≦)
あまね。!(≧ω≦)
時雨ときどき晴!(≧ω≦)
ぐら!(≧ω≦)
玲奈!(≧ω≦)
みるく!(≧ω≦)
天空海!(≧ω≦)
aika!(≧ω≦)
koori!(≧ω≦)
普!(≧ω≦)
神楽姫奈!(≧ω≦)
!(≧ω≦)
Citrou サヤ!(≧ω≦)
☆東○ ○○☆!(≧ω≦)(なんて読むのー)
華月!(≧ω≦)
陸斗!(≧ω≦)
華(〃ω〃)(≧ω≦)
いお(≧ω≦)
ペンペン🐧(≧ω≦)
祐璃(≧ω≦)
ぴーたん(≧ω≦)
ユ ノ ン .(≧ω≦)
柊彩(≧ω≦)
しゅ(まこ)(≧ω≦)
ラムネ(≧ω≦)
シンデレラ4(≧ω≦)
ⓢⓐⓨⓐⓚⓐ(≧ω≦)
517カップル(≧ω≦)
コーヒーミルク☕️とsmire😃ピース(≧ω≦)
莉子(≧ω≦)
蓮輝(≧ω≦)
いぇあ(≧ω≦)
な な し(≧ω≦)
Johnny's(≧ω≦)
ここな(≧ω≦)
kazくん(≧▽≦)









































































































































なんもないよ












































ここまで来てくれたからなんか書かなきゃ…

























































読んでくれた君は誰かわからないけど、きっと優しい人。
そんなことないとか言っても見えない頑張りが人の役に立ってる!これからも一緒に頑張ろ💪
この世に我みたいな死にたがりが沢山いるかもしれない。
我はそんな人が減る平和な未来を作りたい。
今の我じゃ無力だから頑張るんだ。
自分を愛せない代わりに人に愛を与えたい
























































まだ見とんの…





































いいよ👍
















































マジで自分が馬鹿だなって思った瞬間!(/ω\)


小さい時、パパのコーラをぶどうジュースと間違えて吐いたこと( ´。•~•。` )ʃ)
マジで馬鹿…www



























































































まだ?

















































じゃあ、我が怖かったこと!


またまた小さい時、保育園からの帰りで自分の部屋に入ったら大っきい窓のところに骸骨のオバケが立ってた。
怖くてパパを呼びに行ったらもう居なかった。
ほんとに怖かった。
最近疑問に思うことがある。
(あれ、今2段ベッドに寝て今上に寝てるんだけど、ちょうど顔のところじゃん。)







































これで終わり(≧ω≦)
見てくれてありがとう(≧▽≦)
これからよろしくね。(*∩ω∩)

#殿厨と申します・2021-03-19
自己紹介
大好きな殿
我の好きな人
大好きダオ!
我の質問コーナー
全ての別れてまた出会う人達へ
無限か有限か
先輩は言ってくれた
我の友達
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自己紹介
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女の子
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メンヘラ
変人
馬鹿
飽き性
死にたがり
豆腐メンタル
厨二病
ガチ勢いいね
夜行性
ドジっ子
元テックトッカー
元ポケカラ民
正しくなれない
キルマー
名前の無い歌
うっせぇわ
あの夏が飽和する。
ナンセンス文学
アスター
アスノヨゾラ哨戒班
ドーズ
孤独の宗教
ENVY
忘れと時の言の葉
天の弱
追い風
廻廻奇譚
合言葉ⅲ
君の神様になりたい
魔法
アイデンティティ
タイムカプセル
ヴァンパイア
スキスキ星人
敗北の未来地図
お願いマッスル
妄想感傷代償連盟
命に嫌われている
笑顔
404
みんな大好き
レゴ
ポスター
誹謗中傷
スマホ
フィッシャーズ
すとぷりすなー
ころんくん
闇垢総本部
p丸様
アンダーバーさん
KnightA-騎士A-
呪術廻戦
約束のネバーランド
賭ケグルイ
スポンジボブとパトリック
ねこねこ日本史
ヒックとドラゴン
鬼滅の刃...♪*゚
虎杖悠仁
レイ
生志摩妄
パトリック・スター
デーモンコア
真田幸村
堕姫
ラフ
偽り
贖罪
可愛い
優しい
天然
ドジ
ゲームシェイカーズ
ゼンカイジャー
青のsp
早起きは辛い
1日15時間
いつ死ぬかわからない
4月3日
不安症
殿厨と申します
殿厨
岩手県
先輩
イライラ
宇宙人
おすすめに乗りたい!
我と迷子犬
不平等条約
生きる意味なんてこれっぽっち
我も部活動
歌集め

あの夏の日を思い出す。

僕は今も今でも歌ってる。

君をずっと探しているんだ。

君に言いたいことがあるんだ。

𝘠𝘶𝘯𝘢・2020-07-02
あの夏が飽和する。
カンザキイオリ
🎼好きな歌詞🎼

遠い遠い誰もいない場所で


二人で死のうよ。

藤守。・2022-05-20
藤守。
あの夏が飽和する。
カンザキイオリ
歌詞

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に192作品あります

アプリでもっとみる

苦しくて、寂しくて、

どうしようもなくなったら、

建前とか遠慮とか、

何もかも全部投げ出して、

誰かに助けを求めるんだ。

蛍月 夜燈・2020-10-15
あの夏が飽和する。
459ページ
カンザキイオリ

自分自身の弱さを

誰かのせいにして生きるのは

楽だったんだ。

蛍月 夜燈・2020-10-15
あの夏が飽和する。
317ページ
カンザキイオリ

いつか夢見た優しくて、

誰にも好かれる主人公なら、

汚くなった僕たちも

見捨てずにちゃんと救ってくれるのかな?

奏空໒꒱· ゚-・2020-09-21
✩⃛ೄ.
あの夏が飽和する。

自分独りだけだと思わないで。

苦しくて、寂しくて、

どうしようもなくなったら、

建前とか遠慮とか、

何もかも全部投げ出して、

誰かに助けを求めるんだ。

これからは必ずそうするんだ。

秘密さん・2021-12-25
あの夏が飽和する。
小説
セリフ

いっぱい時間使って夏の終わりくらいまでに
「あの夏が飽和する」を読みたい

分厚すぎて無理なのよでもマジでいいの

無名・2023-06-30
あの夏が飽和する。
カンザキイオリ


二次創作 短編小説

あの夏が飽和する。









「人を、死なせた。」

昨日、校舎の階段で。


ごめんね、蒼空。ごめん…!


ボロボロな下宿先のアパートの玄関先。

明莉はそう言いながら、すすり泣く。



あの一夏。

俺たちの最期の夏は、そんな短い場面から始まった。














真っ黒い雲が太陽を隠し、大粒の雨を降らす、6月の初め。

窓から見える地味な色ばかりの傘は、主の気分をそのまま表しているようだ。

そんな、気持ちの滅入るような灰色の日だった。


その日は俺も、最悪な天気と外の重い空気感に負け、高校をサボっていた。

することも無く、下宿しているアパートの一室でダラダラと一日を過ごす。

変わらない外の景色とは裏腹に時計は回り続け、気が付いた時には午後4時を差していた。


「課題出たから後で持っていくね」


ピコンと鳴るスマホが、友人からのLINEと、見たくもない課題を運んできた。

確か、午後の授業が終わるまであと20分くらい。

さすがに起きて勉強するかと、俺が重い腰を上げて立ち上がった時。

雨音に混じって、インターホンの音が鳴り響いた。

課題を持ってきたにしては、まだ早すぎる。

宅配便を頼んだ覚えはないんだけどな、と首を傾げながら、俺は玄関のドアを開けた。

そこに立っていたのは、明莉だった。


明莉はびしょ濡れで、傘も持たず、俺の家の前に立っていた。

「明莉、どうしたの?」

その異様な風景に、俺は驚いて訊ねる。

その瞬間。明莉は力が抜けたかのように玄関先に座り込んだ。

体にまとわりつく湿気が煩わしい、梅雨時。
明莉だけは違う世界にいるかのように、1人小刻みに震えていた。

「濡れてるじゃん。とにかく入って。」

タオルとお風呂を準備しよう。
それから、お茶も。

俺が洗面所に走りかけた時、明莉の薄い唇が開いた。



「蒼空。」

寒さか、あるいは他の理由か。
震える声で、明莉はゆっくり言葉を紡いだ。





「人を、死なせた。」




ごめんなさい、ごめんなさい…。

明莉は、うわ言のように誰かに謝りながら、玄関にしゃがみこんで泣きじゃくった。













すすり泣く明莉を部屋に上げて、風呂に入らせて、洋服を貸す。

その間にグラスに注いだお茶を飲んでようやく落ち着いたのか、明莉はポツリポツリと、事情を話し出した。




「私が殺したのは、クラスで隣の席だった男子。」


アイツのことは俺も知っていた。

校内でも抜きん出て目立つ、ちょっとチャラい男子生徒だ。

人をいじめるような奴だなんて、思ってもみなかった。

ずっといじめられていたのだと、明莉は言った。


「筆箱を隠されたり、ジャージや教科書をトイレに捨てられたり。
暴力なんて当たり前で、お金を盗まれることだってあった。」

「昨日も、学校の踊り場で殴られた。
カッターナイフで脅されて、お金を要求されて。
もう全部が嫌で。どうしても辛くて。
思わず肩を突き飛ばしてしまった。」

その様子が容易に想像出来てしまう。

アイツがポケットからカッターナイフを取り出して、「金を出さないと殺す」と脅す。
明莉の中で積み重なった苦しみが、ガラガラと音を立てて崩壊する。
そして、気がついたら、アイツは落ちていた。


「頭を打つ鈍い音が聞こえて、腕が変な方向に曲がってて。アイツは動かなくなってて。
恐ろしくて、逃げ出して来てしまった。」


何の言い訳にもならないけど、怖かっただけなの。


カッターで脅されたことも。
人を死なせてしまったことも。
捕まってしまうかもしれないということも。

最後の言葉はほとんど聞き取れず、明莉はまた泣きじゃくった。



知らなかった。

明莉がいじめられていたこと。
全てが嫌だと思うほどに思い詰め、悩んでいたということ。

一緒にいたのに、気付けなかった。


「何で。」

考えるよりも先に、言葉が溢れてくる。


「何で、相談してくれなかったの。
何で、辛いって言わなかったの。
俺が、力になれたかもしれないのに。」


「俺ら、友達じゃなかったのかよ…!」


友達なのに。

自らの口で発したその言葉に、胸がチクリと痛む。

けど、そんなことも気にならない程に、別の感情が頭を埋めつくしていた。


どうしても、許せなかった。


俺に相談してくれなかった明莉が。
明莉の苦しみに気付けなかった自分が。

「ごめんなさい…!」

明莉は両手で顔を多い、嗚咽を抑えた。













「私、死のうと思うんだ。」

嗚咽が収まり、部屋に沈黙が訪れた頃、明莉が言った。


「…なんで。」

明莉は、何も悪くない。

ただ、辛かっただけ。
逃げたかっただけだ。

「色んな人に迷惑をかけた。
いくら悔やんだって、償ったって、アイツは戻ってこない。
取り返しのつかないことをしてしまったから、私はもう生きられないの。」

「どこか遠くに逃げて、誰にも邪魔されない所に行って。
その後で死ぬ。」

涙でぐちゃぐちゃになった顔で、明莉は笑った。

ここで俺が説得したところで、明莉は自分の決めたことを貫き通すのだろう。
真面目で、責任感の強いあいつの事だから。

見放せない。

こんな悲しげな顔で笑う明莉を見放すなんて、出来るはずもない。

また、言葉の方が先だった。


「それじゃ、俺も一緒に死ぬよ。」


空になったお茶のグラス越しに、明莉の驚いた顔が見えた。


















明莉は俺を止めなかった。

俺の「一緒に死ぬ」という無茶な話を、嫌な顔一つせず、反対もせずに受け入れてくれた。


あいつは嫌だと言うんだろうなと何となく思っていたから、びっくりした。

それと同時に、俺が一緒に行くことで安心したんだと、何となく悟った。


誰だって、独りぼっちで死ぬのは怖い。

それは、俺だって明莉だって同じだ。





「財布と、死ぬ時に使うナイフ。スマホ。
着替えは一日分でいいね。
けっこう歩くだろ?水はあった方が良いかもな。」

「うん、そうだね。」

明莉は冷蔵庫を開け、水の入ったペットボトルを幾つか、リュックに放り込む。
俺は、もう着なくなったTシャツを数着、その上から詰め込んだ。

簡単な荷造りを終え、最後に部屋の中を見回す。

勉強机に置いていたアルバム。
クラスメイト達と共に作った卒業文集。

全部ビリビリに破いて、ゴミ箱に捨てた。

将来の夢を語った作文も、過去を詰め込んだ写真も、もう俺にはいらないものだったから。

今見るものは、タイムリミットの迫る「今」だけ。

俺が写真を破く様子を、明莉は悲しげな目で見つめていた。

「ごめんなさい」

私のせいで、と続くはずだった言葉を打ち消すように、俺は明莉に呼びかけた。



「さあ、行こう。」


世界から見放された2人の、最期の旅に。
















「蒼空、防犯カメラ。」
「あ、あっぶね。サンキュ」

明莉が指さした場所には、小さなカメラが取り付けられていた。

レンズに映る範囲を避け、体を小さくして歩く。

俺たちのことはまだニュースになっていない。

しかし、警察だって馬鹿じゃない。

学校で生徒が死んで、しかもその日から2名が行方不明ともなれば、何らかの関連性を見出すだろう。

明莉がやったのだと分かってしまうかもしれない。

そこまで分からなくとも、行方不明なのだから、捜索願が出されるのも時間の問題だ。

そうなれば、防犯カメラに映っている自分達の姿を見られてしまうことになる。

なるべく見つからないようにというのが、双方の見解だった。


だけど、遠くに行くというのが明莉の目的だったから。

時計の針が重なる暗い時間、誰もいない終電に乗り込んだ。


電車代なんて払う気もなく、駅員さんの目を盗んで電車に飛び乗る。


もう、俺たちは極悪人の仲間入りだ。

指名手配犯になったような気分で、ビクビクしながら、それでも楽しかった。


















「蒼空。手、握って。」

電車を降り、歩き出した時、明莉がそう言った。

怖いから、一緒にいたいの。

明莉が自分の左手を差し出す。
俺はその手をとった。


歩き続け、汗ばんで汚れ、黒ずんだ手。

でも、もう震えは収まっていて、明莉は俺の手をしっかりと握り返した。


しっかり握りしめた明莉の左手を、ちらりと見やる。

リストカットの跡が生々しく残る左腕が、6月に相応しい七分袖から覗いた。




明莉が「死のうと思う」と言った時。


そう決意した理由は、

「人を死なせたから」

だけではないのではないかと、あの時の俺はふと思った。



そんな考えに至った所以となるワンシーンが、俺の頭に流れ込んでくる。







「私、親居ないんだ。」

夕焼けの眩しいいつかの放課後。
明莉は、そう言って笑った。

「両親は交通事故で亡くなって。
今は、親戚の所で肩身の狭い思いで生活してる。」

良くないことだけど、言わずにはいられない。

そんな言い方から、明莉の親戚は明莉のことを良く思っていないのだと悟った。

「じゃあ、その体の痣は」
「これは違うよ。ぶつけただけ。」

俺の質問を避けるかのように、明莉は言葉を被せた。

あの時、俺は深入りしなかった。


「俺だって、似たようなもんだよ。」

俺も、両親はいない。
父親が死んで、母親は蒸発したから。

誰も俺を引き取りたがらなかった。
だから今は、親戚の管理するアパートに住んでる。

俺が明莉にそう言うと、明莉は俺に遠慮するかのように控えめに笑った。


「似たもの同士、なのかな。」

親がいないものどうし。
愛されたことが無いものどうし。
世界から、あぶれたものどうし。

嫌な共通点だ。

でも、本当のことだ。
















「ここ、良いんじゃないかな。」
死に場所に。

見知らぬ土地を道なりに歩いて、何日が過ぎたのだろう。

明莉が指さしたのは、大きな川の横に広がる河川敷だった。

「ここなら上からはよく見えないから、私たちの顔は見えずらい。
だけど、死んでることにはすぐに気付いてもらえるんじゃないかな?」

「明莉がここが良いなら、俺もいいよ。」

俺は転げるように河川敷に飛び降りて、草っ原に寝っ転がった。
少し遅れて、明莉も俺の横にゆっくりと寝転がる。

もう夏だと言うのに、春のように柔らかい風が草木を揺さぶる。
体にまとわりつく暑さが、少し薄れたような気がした。

「何時にする?死ぬ日。」
今日は急すぎるよね。明日の夜とか?

「何時でもいい。明日で、いいんじゃないかな。」
「うん。じゃあ、明日決行だね。」

俺たちは死ぬんだ。
いきなりその実感が湧いてくる。

明莉がいるおかげか、不思議と恐怖は無かった。


「地獄に行っても一緒だよ。」

「いきなりメンヘラ?私は構わないけど。」

傍から見れば不謹慎な会話をしながら、俺たちは寝転がって青空を見上げていた。


















「ほら、明莉。盗ってきたよ。」

空に一番星が輝き出した頃。

俺は河原に座っていた明莉に、スーパーから盗んできたおにぎりを手渡した。

「ありがとう。」

明莉は喜んでそれを頬張る。

俺も明莉の横に腰掛けて、同じおにぎりを食べた。
歩き続けて疲れた体に、ツナマヨの美味しさが染み渡る。

食べ終わるのがもったいないというかのように、ゆっくりと味わって食べた。

「そういえば、ここってどこなのかな。」
「分かんね。大分遠くまで来たと思うけど。」

スマホを取り出して、地図を確認する。

現在地は、俺たちが住んでいた所からは遠く離れた、田舎の地だった。
まさか警察も、俺たちがこんな所まで来ているなんて思いもしないだろう。


『高校生2名が行方不明 1人は校内で事件に関与か』

ふと飛び込んできたネットニュースに、思わず苦笑いする。
思った通り、勘づかれていた。最近の警察は有能なようだ。

「明日は店から食べ物を盗む訳にいかないな。」

俺が明莉に記事を見せる。

明莉も、
「最期の晩餐、ツナマヨおにぎりなんだ。」
と笑った。


「歩き疲れたから、今日はもう寝よう。」

明莉に促され、俺たちは河川敷の橋の下で寝る支度を整えた。

どこかの浮浪者が使っていたのだろう段ボールを敷布団にして、落ちていたビニールシートを掛け布団にした。

6月の夜は、外で眠るには肌寒い。

2人でくっつきあって、お互いを。24時間後にはこの世にいない体を温めるようにして眠った。















「蒼空、起きて。」

明莉の声で、俺は目を覚ました。

いつの間にか太陽が昇っている。
急いで体を上げると、硬い段ボールで眠った体が悲鳴をあげた。

一足先に目覚めていた明莉は、不安げな顔で、川の対岸を見つめている。

「あれ、警察だよね。」

明莉が指さすのは、河川敷の上の道路。
そこに止まっているのは、紛れもなくパトカーだった。

2.3台のパトカーに、警察官が乗っているのが見える。

「あれ、私たちに気付いてるのかな。」

「まだ分からない。
でも、ここに留まるのは賢明ではないと思う。
どこか別の場所に行って、そこで死のう。」

明莉は、ゆっくりと頷いた。

とにかくリュックを背負おうと俺たちが動き出した時、パトカーから人が降りてくるのが見えた。

1人、2人、3人…

昇る太陽に背を向けて、彼らはこちらに向かってくる。

「逃げよう、明莉!」

その姿を見るやいなや、俺は明莉の手を引いて走り出した。











この角は左。ここは右に。

土地勘も何も無い場所を、荒い息遣いをする明莉の手を引っ張り、ただひたすら逃げた。

後ろから、大勢の人達の走る音が迫ってくる。

「待て、待ちなさい!」
大人たちの怒号が、朝の田舎町に響いた。

「蒼空!」

明莉の泣きそうな声が聞こえる。

捕まってたまるかと、さらにスピードを早めた。

酸欠か、それとも脱水症状か。視界が眩み、だんだんと黒くなってくる。

季節外れの蝉が、俺たちを追い詰めるようにミンミンと鳴き出した。

捕まってしまう。俺も、明莉も。

考えるな。逃げろ。


妄執を振り払うように、進んで、進んで。
逃げた先は、




行き止まりだった。



「嘘、だ…。」

目の前には、コンクリートの壁が高く広がるだけだった。
どこを向いても、もう逃げ道はない。

「蒼空…」

後ろから聞こえる、明莉の泣きそうな声。

握り続けていた左手が震え始めたのを感じ取り、俺は一層強く明莉の手を握った。

警察の姿が、俺たちが通ってきた道の奥に見えた。

いつの間にか大勢に増えていた警察官。
ワンワンと煩い音を立てるパトカー。
「止まりなさい」、という叫び声。
コンクリの壁に響く靴音。



このままでは、本当に




「蒼空。」

混沌とした音の中で響く、やけに冷静な声。
振り返ると、微笑んだ明莉がそこにいた。


「明莉、お前」

「蒼空がいたから、私は今まで生きていられた。
辛かった時も。もう死にたいって思った時も。
ずっと、何回も助けてもらった。」


「お前、何言って…」

「だからこそ、蒼空には生きててほしい。
蒼空は、世界で一番素敵な人なんだから。

死ぬのは、私1人で十分なんだよ。」


「ありがとう。」



どこからともなく現れたカッターナイフを、明莉は首筋に当てた。




「明莉!」




警察が俺たちのすぐ側まで迫ったその時。


恐ろしいほどに紅い血が、辺りに飛び散った。









夢だと思いたかった。


目覚めてから、「やけにリアルだったなぁ」と笑えるような夢だと。

それほどまでに、それは現実とはかけ離れた光景だった。

例えるならまるで、何かの映画のような。


「行方不明の高校生2名を保護。1人は重体の模様!」

世界から音が消えたかのような沈黙を破ったのは、警官の野太い声だった。



「明莉、、?」


明莉は、警官達に囲まれて倒れていた。

カッターを当てた首筋から、血をドクドクと流して。

眩む視界の中で、明莉の顔から血の気が失われていくのが見えた。

夢遊病者のように明莉に近づこうとした俺を、警察官が強い力で引き止める。

それでもなお、俺は明莉の元に向かおうとした。


「嫌だ、離せ!明莉!」


「安静にしてなさい。すぐに救急車が来る。
君だって、倒れていてもおかしくない状態なんだ!」


警察官の声もほとんど耳に入らないほどに、俺は叫び続けた。



「明莉!」













あれから先の1ヶ月は、朧げにしか思い出せない。

パズルの欠片みたいな断片的な記憶を繋ぎ合わせて出来る、グラついた物語しか、
俺は持ち合わせていなかった。



確か俺たちは、救急車で同じ病院に運ばれた。

俺は、熱中症や脱水症状で、二日間の入院を強いられた。

病室にやってきた警察官に事情を聞かれ、明莉を匿い逃げたことをみっちりお説教されたのを覚えている。


明莉は、病院に着いてすぐ、手術室に運ばれた。
出血多量でとても危ない状況だったらしく、二日間、集中治療室で生死の境を彷徨っていた。

そして、俺が入院生活を終えた時。



明莉は亡くなったと、看護師から教えられた。






霊安室に安置された明莉の手を、俺はずっと握っていた。


たった三日前の逃避行を思い出すかのように。

握っていれば、明莉が目を覚ますとでもいうように。


明莉から話を聞いていた親戚とは、1度も会うことが無かった。















9月から学校が始まった。

いつも通りの日常に引き戻され、俺は何事も無かったかのように、クラスの喧騒に溶け込んで行った。


「明莉に突き飛ばされて、骨が折れたんだよ。
全治1ヶ月って、ふざけんじゃねえよ。」
「あいつ、今度シメてやろうぜ。」


明莉が死なせてしまったと言っていた「アイツ」が廊下で話しているのを小耳に挟んだ。


彼は骨折と打撲だけで、命に別状は無かったらしい。

不幸中の幸いだと、警官に言われた。


「そう言えば、アイツ、学校来てねえよな。」

「退学じゃね?殺人未遂だったんだから。」


明莉が死んだことは、俺と教師たちの秘密になった。

俺も、
「お前のせいで明莉は死んだ」
なんて責める気力は残っていなかった。





「ありがとう。」



明莉の、最期の言葉。

まるで走馬灯のように、明莉との思い出が脳裏に浮かんでは消える。


初めて出会った時の姿。
帰り道、歩きながら本を読む姿。
美味しそうにおにぎりを頬張る姿。
ナイフを片手に微笑む姿。
ごめんなさいと、泣きじゃくる姿。



『君は、何も悪くない。』



本当に、明莉は何も悪くなかった。

明莉が死ぬ必要なんて、どこにも無かった。


戻ってきてほしいと、何度願っただろう。

6月のあの日から、今まで。
何度も何度も祈ってきた。


結局、叶うことはなかった。


会いに行きたいとも、強く願った。

このまま死んで、明莉と2人で地獄を歩きたいって。



出来なかった。

「独りで死ぬ」のは、怖いから。




だから、明莉が迎えに来るのを待つことにする。


あいつのことだから、当分は迎えに来てくれなそうだけど。


でも、いつか会える日が来たなら、

伝えたいことがあったんだ。





















「好きだ。」

美桜 おやすみ・2021-04-30
あの夏が飽和する。
短編小説
ポエム
独り言
好き
小説
二次創作
桜色小夜曲

9月の終わりにくしゃみして6月の匂いを繰り返す。
君の笑顔は、君の無邪気さは

頭の中を飽和している

無名・2023-07-08
あの夏が飽和する。

うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

とどいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!

あぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁ!

ーしばらくお待ちくださいー

『あの夏が飽和する』
の小説届いたぁ!
やったぁ!
てか、思ってたよりでか!
ぶあつ!
学校持ってけんくね…?
………Σ(・ω・ノ)ノワォ

でも先に勉強!
こうやって制御できる程には
成長したかな、笑笑
感情はむりだけど、
勉強とか、つい…みたいなことは
かなり減ったかな
数学あと2問で終わるし
まぁテスト直し終わってもやることは
山ほどあるんだけど、
なにしろ23.24は大事な確認ですから

夢摘・2020-09-19
暇人の日常
テスト直し
テスト勉強
テスト
勉強
あの夏が飽和する。
カンザリイオリ

もういいよ。
投げ出してしまおう。

みのり(低浮上)・2020-04-05
mino-to
歌詞
あの夏が飽和する。
語り

ポケカラで「あの夏が飽和する。」
を歌わせて頂きました✨

下手くそながら頑張って歌ったので、
是非聞いてみてください(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾✨
(一言からポケカラに入ることが可能です)

美涙✨💧・2021-07-04
歌ってみた
ポケカラ
あの夏が飽和する。
カンザキイオリ
ボカロ
独り言
歌い手
新人歌い手






金を盗んで

二人で逃げて、

どこにも行ける

気がしたんだ

今更怖いものは

僕らには なかったんだ

あさこ・2022-01-21
歌詞
あの夏が飽和する。

「あの夏が飽和する。」

初めて曲を聴いた時すごくゾクゾクした
心に訴えかけるものを感じた

だから小説もものすごく気になっていて
今日本屋さんで購入
時間ある時に読んでいこう

夏の花・2020-09-29
あの夏が飽和する。
小説

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