#ありきたり

"ありきたりな言葉"でも

キミが言うだけで

僕にとって唯一無二の
"特別な言葉"になるんだよ＿＿＿。

ありきたりな言葉でも

ありきたりな好きじゃないんだよ

たとえ全人類から君との関係を否定されても、

私は『出会えてよかった』って

自信を持って言えるよ。

夏休みが終わりかけた日､

電話がなった｡

私は受話器をとった｡

受話器を耳に当ててみると､

受話器から女性のすすり泣く声が

聞こえてきた｡


なんだか嫌な予感がした｡


そして､その女性は言った｡


｢もしもし､私､3年○組の○○と申します｡｣


その女性は私の想いをよせている人の

お母さんだった｡


｢もしもし｡どうなさいましたか?｣


私はそう答えた｡


すると､


｢落ち着いて聞いてね｡｣


私はそれを聞いて､

予感は確信へと変わった｡


私の心拍数が早まっていくのが分かった｡


｢私の息子がね､｣










｢交通事故で、亡くなってしまったの｡｣










目の前が真っ暗になった｡




そして､





頭の中が真っ白になった｡




｢明日､お葬式をするから､最後にあの子に会いに来てあげて｡｣

｢…はい｡｣

私は生返事を返して受話器を置いた｡

なんで?

なんで?

なんで彼が

死ななきゃいけなかったの?

部活も頑張ってたよ?

勉強も一生懸命してたよ?

優しかったよ?

なんで?

なんで?

なんで?

なんで?





私は泣けなかった｡





私は彼と最後のお別れをしにいった｡


彼は､白い花の中で眠っていた｡

今にも起こしたら起きそうなくらいだ｡

現実味がなかった｡


ねえ､

起きてよ｡

ドッキリでした!!とかいって､

起き上がってよ｡

私に笑いかけてよ｡

私の名前を呼んでよ｡

目を開けてよ｡





これが夢だと言ってよ｡





私は､泣いた｡




そして､

それから約半年｡

今日は高校入試の日｡

君が受けるはずだった高校を

私は受けることにした｡


周りを見渡しても､

君はいるはずはない｡

分かっているけど､

探してしまうの｡


｢…そりゃそうだよね｡｣


私が言った瞬間､










｢○○!!｣









君に呼ばれた気がした｡





周りを見渡しても

君の姿はない｡



｢気のせいか｡｣



でも､


気のせいでも嬉しかった｡


きっと､天国から見守ってくれてるんだ｡



私はそう思うことにした｡










君が生きている時に､

伝えていればよかった｡

君への想いを｡


だけど､しょうがない｡


だから私は君の分まで

悔いのないよう長生きしてみせるよ｡

廊下を歩いてたとき、ふと見えた幼なじみのアイツ。

…泣いてる。

いろんな人に囲まれて、背中を擦られて、泣いてる。

俺は駆け足で教室に入って、顔を覗き込んだ。

『なぁ、なんで泣いてんの？』

…返事はない。だったら…

『しゃーねーな。俺が笑わせてやるよ』

いつもお前を笑わせるのは、俺の役目だった。
…だけど…

『なんで笑わねーんだよ…？』

いつもの、笑ってくれる変顔をしたのに。

っていうか、なんでこっち見ねーんだよ。
なんで、なんで…

その時、ふと聞こえたこと。
真奈のしゃくりあげながら言った言葉。

「なんで、なんでいなくなっちゃったの…っ
ねぇ、浬…っ」

その言葉に、クラスのみんなも顔を押さえたり、何かを堪えるような顔をする。



…あぁ、そうだ、俺…

『昨日、事故に遭ったんだったな…』

全部全部思い出した。
俺が真奈を庇って、轢かれた、こと。
今日、死んだこと。

でも…

『なぁ、真奈。泣くなよ。
俺は、後悔なんかしてねーよ。
…聞こえねーよな。でも、』

俺は、真奈が、好きだったから。
後悔なんか、してないから。

『だから、笑ってろよ…』

言い終えた途端、身体が光った。
…あぁ、そろそろ消えるんだな…


最後に真奈の頭を撫でた。

『またな…』

ありきたりでいいんだよ

普通でいいんだよ

当たり前なことなんてさ

1つもないんだから

人生において
“あたりまえ”なんてない
それでも
“ありきたり”でつまらないと言うのなら










“あたりまえ”と言える
『幸せ』を
わかっていないから

ありきたりな
言葉しか言えないけれど

君が好き

夢があるって素晴らしい？

前向きなのは素晴らしい？

恋をするって素晴らしい？
















生きているって素晴らしい？








じゃあ、死ぬってことは悪いことなの？

君が最後に見たのは
なんだい？

僕が照らすアマテラスの光
この刃を隠すはツクヨミの闇

さぁ…答えの時間だよ

教えてあげるよ。

君が見たのは

ｼｬｷｰﾝ

月の影（ツクヨミノオモイ）

嫌いじゃねーーよ
好きだよ
ばーか

今まで描いてきたありきたりな物語は
今日で終わりにしよう。

ありきたりな言葉は嫌いだ
本当に伝えたいことが
伝わらないような気がするから

君が最後にくれたもの
【サヨナラ】

「大丈夫？」
『 大丈夫だよ』
「無理しないでね」

そんな会話ばかりの日常

ありきたりな言葉と、ありきたりな励まし。

そんな言葉かけられたって、救われやしないのに。