ハルユー・2025-03-01
いつかみたあなたへ
古いアルバム
開けない最後の一枚
そこだけが
私の開かずの間
置き去りにした私の心
傷つけてしまった大切なもの
ずっとずっと
消せない祈りのような証
長い長い年月がたっても
忘れることない
2つの笑顔がそこにある
捨てきれなかった思い出がある
でもやっぱり
まだ開けてみる勇気すら無くて
あなたの知らない私になった
サヨナラを告げるために
髪を切り ルージュの色を変え
少しだけ華やかに着飾って
待ち合わせた場所に向かった
何も知らないあなた
少し戸惑いながら微笑むあなた
いつかみたあなたは
私の知らないあなた
肩越しに私の知らない誰かを
隠してる
なのに何故かの手を離さないの?
ずっとずっとこのままですか?
だからサヨナラ
これでサヨナラ
私の恋したあなたに
今日でサヨナラ
愛なんて
どんなものかなんて
本当のことはわかってないかも
知れない
私は愚かだから…
でも でもね
こんなにせつなく狂おしい
自分そっのけのキモチ
泣きたくなるほどの思いは
きっと きっと
あなたにだけだから
たぶん
私にとってのそれが
愛❤️
サヨナラを云うのは
私の決意が揺らがないように
微笑む私だけ
覚えていて欲しくて
それでも心が
激しく泣き叫んでること
きっとあなたは知っている
それでいい
だからこそ
精一杯のサヨナラを
どうかあなたに幸せを
ココロのかさぶた
ポケットの中に
たくさん詰め込んで
キミを忘れる旅に出た
なのに…
思うのはキミのことばかり
傷の数だけ
愛していたんだ
傷の数だけ
愛されてたんだ
何ひとつ
同じ景色などない
流れてく刻の調べ
全てが奇跡
全てが有り難いめぐりあい
いつかの僕も
いつかのあなたも
同じようで決して
同じではないこと
解っているはずなのに…
あの日の幻影を
追いかけてしまうのは
なぜなんだろう
氷雨(こおりあめ)
冷めやらぬ微熱を濡らし
せつなさに降り注ぐ
足下には色の無い空
悲しい心に
風よ吹け
もう見えなくなったんだ
もう誰かすら
わからなくなったんだ
キミのこと
私が好きだったキミはいない
キミの好きだった私はいない
いつのまにか
創りあげられた偶像
いつのまにか
なりすましていた
あなたの好きな誰かでいることに
気がついてしまったの
私はワタシなのに
だからあなたは誰?
もう見えない
探せない
だからバイバイ
通りすがりの恋人
雑踏を泳ぐ
心を見失った魚の群れ
同じようで違う
違うようで似ている
傷を負った仲間たち
それでも許し合えないのは何故
馴れ合ってしまうのは何故
明日という
見えない恐怖に怯えながらも
いつかみた憧れのキミを
追いかけながら
波をまた泳ぐよ
名もなきキミに憧れて
風に吹かれ雨に打たれ
時の世界を漂いながら
名もなき何者かになりたくて
いや ただ
自分の許すものだけには
名のある自分になりたくて
声をあげて門を叩いて
生きる 生きて
わたしが私でいいと
教えてくれたキミ
またその姿を追いかけていく
それなりの歩幅で
それなりの私で
あんなに愛しく思えた
甘い囁きも
今は何故か呪いの言葉に聞こえる
気がついてしまったの
自分で自分に呪いをかけてたこと
真っ直ぐな眼差しで
見つめ合うことを恐れてた
だから
いつかのあなたは私が創りあげた
アナタ
あなただけが変わっただけじゃない
魔法がとけただけなの
それは
遠い記憶
それは
昨日のまぼろし
会いたくて会えないあなた
会いたいけど会いたくないあなた
最後まで素直になれない
大好きででも
苦手なあなた
通り過ぎてもきっとわたし
気づかないフリする
降り止まぬ雪を
恨めし気にみつめながら
遠くへ行ってしまいたい…と
呟くキミの
横顔になにも言えない
そんな自分が愚かで笑えた
カタチのない思い
やがて
風に煽られ
熱をおび雨に晒されて
色を変え姿を現す
ワタシの中で芽生えた思い
どんなカタチを見せるのだろう
心ない言葉は消化不良で
いつまでも擦り傷を重ねながら
私を嘲笑うんだ
嫌な奴!
声にならない言葉が
身体の中を駆け巡る
鏡の中のあなた
それはいつかのワタシ
黄昏が今日も私の声を
のみこんでゆく