#いつか必ず~約束~

彼女と最高の時間を楽しんだ数日後、空港へ向かう車窓から観覧車が見える。
ゆっくりゆっくり回る観覧車。
それとは裏腹に空港は早く確実に近くなる。
もっとゆっくりでいいのに…

二人が好きなBGMを聴きながら、観覧車見るふりして頬を伝うものを拭う。
『ねぇ、、いつかあそこにも行ってみたい。』
無言の空気が辛くて言葉で誤魔化した。

彼女はちらっとこっちを見て
『あー、いいねぇ笑 また来た時行ってみようか!』
『うん!』
次いつ来れるか分からない1年以上先の約束。

観覧車が一周する前に空港に到着、二人だけの時間は終わる。

またいつか、、ゆっくりでもいい。
観覧車みたいに月日を巡って、二人で約束を叶えよう。

いつだったか、彼女と夏祭りに行ってる夢を見たことがある。

そのお祭りは毎年、数千発の花火が上がる大きな祭りで、いつか彼女と一緒に行きたいって以前話していた。


派手な屋台が軒を連ねて、客寄せの声が威勢よく聞こえた。
花火が楽しみで早くから席取りにきてたせいか、お腹を空かせた彼女はだんだん機嫌悪くなって、
『遅っ！腹減ったし屋台みよー！』ってウロウロしはじめた。
『もうちょっとしたら始まるから💦』ってなだめてたら…
背後からドーンッ!!という大きな音と夜空に大輪の花火。
そこから先もあったんだけど…忘れちゃった。


『相変わらずリアルな夢だね笑』
私の夢物語を聞いていた彼女が言った。

『でも、待ったかいがあったなぁ、って思うくらいの大きくてキレイな花火だったよ』
私は話しながら目を閉じて、消えてしまいそうな夢の断片を思い出していた。

『花火ねぇ、、見たいね♪』
『うん! 夢みたいなことにならないよう事前に買い物しとかないとねw』
『そだね。席取りする前に買いだめしとこうwww』


そんな約束をしてからもう数年経ってしまった。
今年は花火の音すら聞こえなかった。


あと何回夏が来れば夢が叶うかな。。。

▪いっしょにお花見をする
▪つきを望遠鏡で見る
▪しろい砂浜を散歩する
▪よが明けるまで家飲みする
▪にわのバラを見ながら屋外ティータイムをする
▪いちご狩りに行く
▪てを繋ぐ
▪ほんとうの意味で『愛してる』を伝える
▪しらが頭になっても縁側で一緒に日向ぼっこする
▪いつか、、私があなたを迎えに行く


まだまだ二人でしたいこと、果たせていない約束、いっぱいあるよね。
あの人との約束と私と毎日のように語り合った数々に約束、どちらが大事なの、、?
命を天秤にかけるほど大事なこと?
もしかしたら、、私との約束は果たせないままお別れになる可能性もあるのに…それよりも大事な約束なの?

私は、、
ただただ待つしかないのですか?
それでも行くと決断した時『せめて目一杯楽しんできて欲しい』って望んでしまう自分がいて、心底あなたが大好きだって思う気持ちが苦しすぎます。。

ちょっとした事でぶつかってケンカして…
電話で話して仲直り。
そのあと話が弾んで、明け方まで長電話。

『なんでこんなに離れてるの…あなたの近くでいられたらこんな事でケンカになんかならないのに。。
今度生まれ変わったら、あなたにすぐ出会える距離がいいなぁ』っていう私に、

『…生まれ変わる必要なんて無いよ。ずっと上で一緒にいてよ。永遠にずっと一緒に好きなことしていよう。』なんて返してくる。


ずるいなぁ。。。
そんな言葉返してきたら私の心はあなたでいっぱいになる。
もしかしたら彼女も私のこと…、なんて淡い期待持っちゃうじゃない。
でも、そうじゃないんでしょ、、友達として話の調子合わせてくれてるんだよね。

『ふふ、それも楽しそうね。それじゃ、ずっと一緒にいよっか！』

毎日LINEで『今日の夕飯はなーに?』って聞いてくれる。
『今夜は〇〇だよー♪』って言うと、
『いいなぁ、食べたーい💦』って返事が来る。

『届けられるものなら今すぐ届けたいよ…』という私に
『そうだね、家が近ければ毎日通うよ💦』なんて返してくる。

年1回、会えた時には彼女がリクエストした料理を作る。
味噌汁、ミートスパ、鶏肉の煮物、カレー、肉じゃが、旬野菜の煮付け、地元の郷土料理…
決して豪華な料理ではないけど、彼女は私の手料理をいつも褒めてくれる。
普段少食なのに、その日は沢山食べてくれる。
私は…美味しそうに食べてくれる彼女の表情を見てるだけでお腹いっぱいになってくる。

こんなささやかな事で幸せいっぱいになれるのになぁ…
それすら思うようにできないなんて…
ほんと残念すぎるよ。。

あと何回あなたに手料理を食べてもらえるかな。
何回『美味しいよ！』って言いながら食べてるあなたの顔を見ることができるかな…
またリクエストメニュー待ってるよ。
あなたが私の手料理を恋しいって思ってくれるよう、料理に魔法をかけるよ。
そしていつか…3食あなたのために毎日用意できるようになりたいなぁ。。

心から信じるということ、、
私はそれを裏切られた
信用してた友人から…
大好きだった最愛の人から…
私は人を信じることができない心になった

でも、、その心を受け入れ、
疑心でしか見られない私を信じてくれる
何があっても信じられる存在でいてくれるあなたに出会った
あなたが私にとってどれほど大きい存在か
あなた自身はきっと気が付かないよね

今は、私の全てなんだよ。
これからもずっと…ずっと一緒にいて欲しい

また今年もあなたの誕生日が近づいてきたね。
こんなに距離が無ければ
当日ケーキを片手にあなたの家を訪れて
一緒にお祝いしたい。
メールや通話じゃなくて、直接目の前で
『おめでとう!』って言って
ケーキ食べてほころぶ笑顔をみたい。

それが直ぐに出来てしまう
あなたの親友が羨ましくて
仕方なくなってしまいます。。
また今年も一緒に楽しんでくるのでしょうね。。
いつか…
私も当日に直接お祝いさせて欲しいな。。

もうすぐ会える、って楽しみにしてたのに、、
また会えなくなりそうだね。。。
あの年もあなたに会うためにいろいろ準備してたのに、急に現れた暗闇があなたまでの道を閉ざしてしまった。
それでも少し耐えればいつか必ず会えるって信じて、溢れそうになる不安押し殺して進んできたのに、、
やっと見えかけた出口が幻のように消え去る。

そのうちあなたまで消えてしまいそうで怖くなる。

いつになったらこの迷宮を抜けられるんだろう。
私の残り少ない時間が消えてしまう前に、あなたに会いたい。

ただ『会いたい』
それだけなのにね。。

七夕。

織姫と彦星は私達みたいだね、って話したこと、彼女はまだ覚えてるかな。。
年に1回、僅かな時間だけ会うことが許されている。。

私達なら天の川埋め立ててでも会う方法探してそうだよねw、なんて笑い話してたよね。
彼女は冗談半分で話してたかもしれないけど、私は本当に『織姫と彦星』ならいいな、って思った。
ほんのわずかな時間しか会えないけど、、
2人は『永遠の恋人』だもの。
それだけは 私達には無い関係。

織姫と彦星、、
今年も会えているなんて羨ましい。。
願わくば、私と彼女を『織姫と彦星』にして欲しい。
いつの日かそういう関係になれますように。。。

以前、彼女にグラスをプレゼントしたことがある。
いつも愛用してるって聞いてたから私も嬉しく思ってた。
ある日『新しい夏用のグラス買ったんだよ！』ってメールが来た。
私が贈ったグラス、飽きちゃっらのかな…なんてちょっと思ってたらそのあとすぐに、
『あなたの分のお揃いのグラスもあるから、こっちきた時、一緒に乾杯できるよ！』って。

普段使い用と一緒に飲むとき用で分けたらしい。
マイナス思考な私と言葉足らずの彼女、、
すれ違いそうで繋がってる心の糸。
楽しい話しながら飲もう!
次そっち行くのが楽しみだよ。

今夜は彼女の体調が良くないらしい、、
近くでいられたなら…彼女が帰宅して横になってる間に夕飯作って準備するのに。。。
LINEの向こう側で心配することしか出来ないなんて…
こんな辛いことない。。

もっと私が動ける身なら、、
あなたとの距離が数百kmではなく数百mなら、、
今すぐにでもあなたの元に駆けつけたいのに。。

夜空を見上げ、あなたがいる方角へ向かう飛行機に
『どうか彼女の体調が良くなりますように、、』って
祈らずにはいられなかった。

『ねぇ、今日ってスーパームーンらしいよ！』
『そうなんだ!どれどれ、、』

二人して夜空を仰ぐ
『クレーターまでくっきり見える!街灯みたいに明るいね!』
『そうだね♪』

どんなに遠く離れていても、今、同じ月見てるね
今、あなたと一緒に月光浴してるって思うと
月の光が心に浸透していくような…
とても清らかな気持ちになる

どうか彼女の心にもこの輝きが届きますように…

もう日付変わったけど、
4月1日は世に言うエイプリルフール。
だけど私たちにとっては『真実を打ち明けた日』。

2018年、、知り合って間もない頃。
まだ私が精神的に不安定で、彼女を信用しきれずにいた時、『あなたが急にどこかに行ってしまいそうで不安』っていう私に、これからも繋がり続ける約束として個人情報の開示とLINEを交換してしてくれた日。
『わたしはあなたには全てを話せる 。信じてるから。』
って。

なんでこんな日に、、って思ったけど、
『あー、世の中には そんなもの(エイプリルフール)もあったね。嘘とか好きじゃないからすっかり忘れてたよ笑』
っていうのが、初めて繋がったLINEで最初に話した会話だった。

この言葉を聞いた時、『この人なら大丈夫。』って妙に安心したなぁ。。
あの日からずっと、毎年この真実の日には二人の新たなる出発点として、ケーキと私たちお気に入りのスパークリングワインで祝うの。

出会ってまもない頃、
あなたの事いろいろ知りたくて
私が『どこか行きたい所とか、場所ある?』って聞いたら
『海がみたい。一緒に砂浜歩いてみたい!』って言ってくれたね。
だから、
『今すぐは無理だけど、いつか必ず、澄んだ波が押し寄せる真っ白な砂浜を一緒に散歩しよう』って約束したよね。
あれから約束の実現のために頑張ってるよ。
あと少し…あと少しだから!
一緒に行こうね！

友達、親友、同僚、、
肩寄せ合う、手を握る、腕をくむ
ちょっとふざけて抱きつく、抱きしめる…
なんの躊躇もなく受け入れられるし、
私からも行動できる

なのに…あなたが相手だと、できない
肩寄せ合いたい、手を握りたい
一緒に腕組んで歩いたり、、、
…抱きしめてみたい
あなたに抱きしめられたら…どんなだろう

でもそれをすると
感情を止められなくなるかもしれない
あなたが私を見る目が変わるかもしれない
もう二度と近寄れなくなるかもしれない
あなたとの縁が切れてしまうかもしれない

だから理性が衝動と本能を抑え込む
あなたを想えば想うほど
自分の本能に鍵をかけて
見えなくなるくらい、心の奥底に沈める

心の鍵はまだしばらく外すわけにいかない
今は…
もう少しあなたの笑顔を見ていたいから