#ちょっとした手紙

初恋相手の君へ

幼稚園の頃の同級生で
初恋の相手だった君は、
小・中…って違う学校だったけど、
中学校では偶然にも同じ部活だったから、
初めて大会で君を見かけた時は君の顔を見て思わず笑っちゃった。

だって顔、変わってなかったんだもん。
あの頃の面影がそのまま残ってるんだもん。

まあ、当たり前のことなんだけど、
いつの間にか君は、
声も低くなって、
昔は私より低かった身長もずっと伸びて、
今では男子の中でダントツ背が高い私より高いし、
逞しい体型。

私の知ってる君は華奢で小柄なかわいい男の子だったのに。

空白だったの6年もの間に、
すっかり“一人前の男子”になってたんだもん。
なんだか君のお母さんになった気分だよ。

そんな君が、
まさか同じ高校に入受験して、
同じ高校に入学して、
クラスメイトで、
同じ部活で。

そんなふうに様々な偶然が重なった高校生活の中で見てきた君は…

教室にいる時はニコニコして周りにいじられてるくせに本当は他人をいじるの大好きだし、
ポーカーフェイスで何考えてるのか分からないくせに独り言が多いし、
数学馬鹿で漫画オタクで、
無神経でデリカシー無くて問題発言ばっかだし、
日本語が日本語じゃなくて何言ってるか分からないときあるし、
無意識無自覚女たらしだし…

知れば知るほど変なやつ。
顔以外で幼稚園の頃の面影なんてあったもんじゃない。

だけど、
なんだかんだ優しくて、
人一倍努力家で、
気遣い上手で、
人望が厚くて、
人一倍繊細で、
意外と傷つきやすくて、
勉強もできて運動だってできて、
パソコンや機材にだって強いのに、
いつも自信なさげで、
自分に向けられたの褒め言葉を拒否してしまう…


…そんな君の隣にいたいと思った。

力になりたい、支えたいと思った。

君の変なところも、

かっこいいところも全部

知れば知るほど私はまた君を好きになった。