#とある少女のお話。

ずっとあなたを
見てしまうのも

あなたに
嫉妬してしまうのも

あなたに
近づきたくなるのも

あなたと
いっぱい話したいのは


あなたが大好きだから愛してるから

昔、あるところに

1人の少女がいました。
















少女には好きな少年がいました。

2人は両想いでした。






ある日、

そんな少女の前に

魔法使いが現れ、

ある魔法をかけました。





『少女のことを

本当に愛している

人間以外を

消してしまう魔法』を＿＿＿



























































少女は、

ひとりぼっちになりました。

ずっとずっと
待っていました

あなたの
笑顔が欲しくて…

あなたが
現れては消え
消えては現れて

両想いに
やっとなれたんだ
そう想えた瞬間

お前が
笑顔になれたから
逝くよ

そう言って
消えてしまいました

少女は

魔法使いに聞きました。













『どうしてあの子まで

消えてしまったの？』



『あの子は、

あの子だけは

私を愛してくれていたのに＿＿＿』






魔法使いは答えました。



「あの少年は

君を本当に愛してはいなかった」


「あの少年が

本当に愛していたのは

違う少女だよ」
















「君は

誰からも愛されていなかった。

だから誰もいなくなったのさ＿＿＿」







それを聞いた少女は

泣きました。






でも

誰も慰めてはくれません。


































































もうこの世には



少女以外



誰もいないのだから＿＿＿

少女は

悲しみに暮れながらも

魔法使いにこう言いました。












『もう一度

少年と話がしたいの』





『だからお願い。

少年に会わせて』





魔法使いは言いました。




『いいだろう』


『でも会える時間は

10分間だけだよ』


『それでも会うかい？』




少女は迷うことなく

答えました。




『もちろん』




魔法使いは答えました。




『分かった』



『準備ができたら

少年に会わせてあげよう』





少女は言いました。


『魔法使いさん、

ちょっと待ってて。

用意するものがあるの』



そう言って

少女は自分の家に

入っていきました。



しばらくすると

少女が戻ってきました。


『準備が出来たわ』




少女が

手に持っていたものを見た

魔法使いは言いました。



『本当に

それを持っていくのかい？』



『ええ』



『なら仕方ない。

それじゃあ、行こうか』



『うん』

























































少女は

ナイフを片手に握りしめ、

少年の元へと歩き出しました＿＿＿