秘密さん・9時間前
ぼくのロックンロールは鳴り止まないっ
ポエム
詩
ある日風邪をひいてしまって、
学校を休んで寝込んでいたとき、
あまりにも暇だったので
ロックンロールを流しながら
寝ていたことがある。
すると部屋に水と薬を持ってきて、
大人しく寝ていなさいと言う
母さんにまで、
ぼくのロックンロールを
うつしてしまってはいけないと思って、
ぼくは慌てて音楽を止めた。
またしばらくして、
風邪をひいて学校を休んだときは、
母さんに聞こえないように
小さい音でロックンロールを
聴くようにした。
またある日、
部屋でくつろいでいると、
神聖かまってちゃんを
聴いているところに
母さんがやってきたことがある。
ぼくはヤバいと思ったけれど、
母さんは、良い曲だね、
と一言いった。
ぼくの、ぼくだけのためにある
ロックンロールを、
ぼくは誰にも渡したりしない、
それでも嬉しかった。
死にたい。
そう呟いた夜があった、
それでもぼくを救ってくれたのは
ロックンロールだった、
ぼくの生きる意味に音楽があって、
ロックンロールがある、
生まれた意味も生きる意味も
わからないぼくに、
こんな世界にも生きる意味があることを
ロックンロールがぼくに教えてくれる。
外の雨が止んだ、
風が吹き止んだ、
星も動かないこの夜に、
時間そのものが
止まってしまったようだ、
それでもぼくの中の
ロックンロールは鳴り止まなかった。