七瀬 柊佳・2021-12-09
ピリオドを打つ義務
エピローグ
ポエム
空白のページに
甘く儚く切ない物語を。
盛大なエピローグに
ピリオドを。
"どうして生きてるの?”
目覚めて最初に出てきたのは
朝に似つかわしくない言葉だった。
「なんで?あたし、あの時...
あの後、死んだはずなのに」
そう、私は死んだ。
無知な私への罰。
彼の苦しみに気づけなかった
私への罰。
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"龍と凪絆はいーよね。
イチャコラしちゃってさぁ"
"別にしてないじゃん”
"オーラでわかんのー。幸せオーラってやつ"
"なず!だべってんなら先帰るぞ”
"あー待ってよ!龍”
______毎日が幸せで。
"それでさ、イチャコラしてるとか言うわけ。
人前でイチャコラしたことないってのに!..."
"...ふーん”
"どーかしたの?”
"ん?いや。......
これから先、ずっとこーしてられるわけじゃ
ないだろ?
"なに!?転校とか?”
"ちげぇよ。”
"あたしは変わりたくないもんね。
このままがいい!”
"...ふはっ、だから頭悪ぃんだよ”
______変わりたくないものがあって
"おい、龍、お前別れんの?”
"そろそろ限界だと思って”
"それでいいのかよ”
"その方が幸せだろ、お互い”
____聞きたくないものばかり聞こえて。
"別れよ”
"どうして!?”
"気付けよいい加減。
好きじゃないんだよ、”
_____永遠は簡単に壊れて。
"龍なんて、大嫌い!自己中男!
龍なんて、死んじゃえ!!”
"あいつ病気だったこと
なずなに言ってなかったんだ”
"なずなには言うなって”
____気づいた時には全てが遅かった。
ごめんね、龍。
すぐいくからね。
『お前が願うなら、叶えよう。
条件は____』
あなたがまた帰ってきてくれるなら
私は何でもするよ。
私が、傍に入れないとしても。
『それでもいいか』
「はい。」
どうか、君に二度目の人生を。
エンドロールで席を立つ
貴方は最期を知らぬまま
イヤホンの充電を温存する癖は
簡単には抜けないままで
空からウソがふる
あるところに、
嘘ばかりついている女の子がいました。
「三月の終わりにふる雪は、音がするんだよ」
それを聞いた男の子は言いました。
「ウソだよ。春に雪なんて降らないし、音もしないもん」
けれど、女の子はまた嘘をつきました。
「本当だよ。三月にふる雪は桜みたいに踊りながら、はらはら、と音がするの」
女の子は空を見上げました。
「はらはら、と桜のような雪が降ります」
「はらはら、と桜のような雪が降ります」
男の子も繰り返しました。
「夏になればくじらが空を飛ぶんだよ」
女の子の嘘に男の子は
不思議そうな顔をします。
「ウソだ。クジラは海にいるんだよ」
女の子はにっこりと笑って首を横に振りました。
「一番暑い日には、くじらが空に逃げ出すんだよ」
「へぇ、見てみたいな」
キラキラした目をした男の子は、信じたようです。
夏も一緒にいようね。
「秋の満月の日には、月から卵がふってくるんだよ」
女の子のウソに、男の子は目を輝かせます。
「それって、どんなたまごなの?」
「まんまるい黄色い卵で、地面でぽんぽん、とはねるの」
「早く秋にならないかぁ」
男の子は目を丸くして言いました。
秋はすぐにくるからね。
「冬の始まりの日には、空の星が全部流れ星になるんだよ」
女の子の言葉に、男の子は驚きました。
「そしたらお星様が空からいなくなっちゃうよ」
「大丈夫だよ。新しく生まれた星が光り出すから」
男の子はワクワクした顔をして、
ゆっくり眠りにつきました。
だからはるも夏も秋も冬も、
一緒にいようね。
男の子は、それからずっと目を覚ましませんでした。
「ウソついたから、神様が怒ったんだ」
大人たちは女の子を責め立てました。
嘘つき呼ばわりされた女の子は、
悲しみの海にひとりぼっち。
ゆらゆらと涙のうみで泣いていても、
誰も気づきません。
悲しみの海の底で、女の子は言いました。
「嘘じゃないもん。あの子もすぐに目を覚ますんだから」
すると、空から雪が桜のように降ってきました。
はらはら、と。
はらはら、と音を奏でて。
ざぶん、と聞こえて上を見あげると、
大きなクジラが浮かんでいます。
クジラが空に泳ぐと、
夜の黒色にかわってゆきます。
大きな大きなお月さまが空に浮かんでいます。
丸くて黄色い卵がいくつも、
ぽんぽん、と女の子の周りではねました。
次に流れ星です。
たくさんの線を描きながら
いっせいに流れてゆきます。
空には小さな星たちが揺れています。
ベットを見ると、男の子が目を開けていました。
「やっぱり本当だったんだね。すごく綺麗だね」
丸い目をして、きっこりと笑いました。
男の子をしっかりと抱きしめたのです。
春も夏も秋も冬も、一緒にいようね。
今までの 日々が偽りだったとしても
君の愛が どんなに狂気的なものだったとしても
どんな君でも アイシテル
だから、早く見つけてね
"どうして普通に話しかけてくれたの―?"
エピローグみたいで嫌だからまだ聞けない
冬に枯れた私は季節に置いてきぼり
哀愁のエピローグ
海の向こう
太陽の眩しいある国で
偶然の出会いから
貴方に恋をして
いくつもの思い出と陽気な笑顔に
時を忘れた晩餐も
毎晩奏でていた音色 いつまでも
胸の中 響いている
今はもう 声さえ聞こえず
繰り返すのは
哀愁のエピローグ
わたし、愛情でも憎悪でもなくて、
ただ、悲しい星なんだ って思うようになったよ、
夏の終わりに置いてきた、君のことだよ。
せめて、君との物語の
エピローグは終わらせないままで
喧嘩して、少し距離が遠くなった。
存在も。仲も。
そう思ってたけど、
やっぱり好きで好きでたまらなかった。
もう一方的でいいから、話したい。
そう感じ、放課後に会う約束をした。
その日の放課後。
から、
ぎゅっと距離が縮まった。というか、
もうお互い、通じ会えてそうな気がします。
愛の魔法?
エピローグ。
私のエピローグには貴方
貴方のプロローグには私
過ぎて振り向かぬ終幕を
長らく"私のアオハル"にお付き合いくださりありがとうございました
これで完結としたいと思います
後々増えるかもしれませんが……
そこは、ご愛嬌ということで
よろしくお願いします
感想、質問等々
これから受け付けます
トークでも贈り物でも構いません
聞かれたことにはなるべく答えるつもりです
"私のアオハル"
それは、とても遅咲きの桜だった___……。
時を越えて
あなたを愛せるか
本当に、あなたを守れるか
空を見て考えた
あなたのために
今何ができるか