はじめる

#サスペンス

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全13作品・

【ForGetMe~クロとユキ~第三話愛しき人】




俺には二つ違いの妹がいる。


名は、六花。


俺が警察学校入学の年


両親が事故で他界した。



警察学校へ入校中


六花からの呼び出しを受け


「私もお兄ちゃんみたいな警察官になる」


そう言われた時は度肝を抜かれた。



危険も伴う仕事だ。


何よりその重圧と辛さは


もう、嫌という程知っている。



六花には普通の職業について


平凡な幸せを掴んで欲しかった。




俺は六花の


警察学校行きを猛反対したが


六花も頑固な人間だ。



俺ごときの意見では


その志を折る事は出来なかった。



結果、現在は


無事に警察学校を卒業し


交通課に配属されている。





そして、この六花


困ったことに……





「で?何で休みの日まで杉浦の顔見なきゃなんないわけ?」


「あー?嫌ならお前が出てけ」


「ここ、俺の部屋だぞ!?」


「まあ、固いこと言うなよ」


いつもの調子でのんべんだらり。


落花生を剥き食べながら


テーブルに殻を撒いている…。



怒りに震えながら俺は



キッチンに立つ六花に声を張った。




「おい六花!なんでお前杉浦連れてきたんだよっ」


「え、彼氏だから」


てへ、っと可愛らしく笑って見せる六花。



そうなのだ。


妹、六花は高校時代からの


杉浦の彼女だ。


俺は未だに納得できずにいる。




「なーんでお前らが付き合っちゃうのかね」


「だって、友紀かっこいいもん。お兄ちゃんも彼女作んなよ」


「確かに。このご時世にその歳で、なあ?ご丁寧に貞操守るのもどうかと思うぜ」



俺の下半身のことまで


この言われ様だ。


二人のタッグには敵わない。



何故だか腹が立って、


俺は隣でだらだらと


落花生のカスをこぼし続ける、


杉浦の額をべちりと叩いた。


杉浦は眉をひそめ


額を撫でつつ言う。



「……公務執行妨害」


「は?落花生食う事が警察官の公務かよ」


俺が負けじと言うと


杉浦は


テーブルに顎を乗せて


膨れっ面を作った。



「その顎…あげたら落花生まみれだな」


「ベッドの上で払い落としてやる」


言い合いの止まらない俺たちに


珈琲を出しながら六花が笑う。



「はいはい、仲良しさん。喧嘩はおしまい」



「仲良しさんじゃねえよ」


「クロは友達いねえから俺が拾ってやっただけだ」


「確かにお兄ちゃん、友紀しか友達いないかもね」



そう笑いながら六花は


ちゃっかり杉浦の隣に腰を落ち着ける。



言い負かすことをやめた俺は


あの事件の話を切り出した。




「なぁ、杉浦。明日はどこ行く?」


「…出来れば二、三回れば一気に済むな」


「結構、距離離れてるんだよなぁー…」


歯医者に行った記録もない。


身体にシリアルナンバー付きの


機器が埋め込まれているわけでもない。



身元を探るにはつまり


この足だけが頼りだった。



レフト以外の


仏の身元とされている候補は


あと三つ。



町外れの花屋と、


県外の寺


それから


郊外の団地。



一日で済ますのは大変だ。



「手分けでもするか?」


「いや、杉浦単独行動させるとろくなことない」


「ごもっともで」


そう言って


卑屈に含み笑う杉浦を


食い入るように見つめた六花は


俺たちに聞いた。



「なになに、河川敷のホームレス変死体の件?」


「ああ」



交通課の人間にも


無論、話は伝わる。



六花は興味津々だ。



「ねえ、あれって結局、自殺なの?他殺なの?」


「まだ、なんとも言えねえな」



六花の問いかけに


杉浦は珈琲に口をつけながら答える。


俺は杉浦の言葉に付け加えた。



「上は自殺で処理する方向で…」


「えー?怪しいところがあるのに?」


人一倍、正義感の強い六花は


いかめしい顔つきで


俺たちを睨んだ。



「俺たちを睨むなよ」



俺が苦笑いを零すと


六花はため息を吐きつつ、


軽蔑にも似た眼差しを向ける。


「だってお兄ちゃんたち下っ端でも刑事じゃん、戦いなよ、真実のためにっ」


交通課とは言え


もう六花も立派な


警察組織の一員だというのに


このピュアさというか


誠実さというか頑固さというか


やれやれ


誰に似たんだろう。



そんな事を考えていると


膨れっ面の六花の頬を


杉浦は挟んで、不敵に笑む。



「六花」


「は、はい!?」


「あのな」


「う、うん」


「刑事はな」


「うん」


「上には逆らえねえんだよ」


「かっこわるっ!!」



そう声を張りながら


六花は杉浦と目を見合せ


白い歯を見せて笑う。



杉浦も珍しく


声を上げて笑った。



妹と親友の


ちょっとしたラブシーン




もう、うんざりだ。





そう思いながらも


やはり血を分けた兄妹と


腐れ縁の幸せそうな姿は


嬉しいもので……


ふと俺は、笑んだ自分に


気がついたのだ。




俺と杉浦にとって


愛しい人は


紛いなく、六花だった。




***


三人以上の会話……



やっぱり難しい


( o̴̶̷᷄﹏o̴̶̷̥᷅ )



思い通り描けません。



スランプΣ(艸O_o`*)ガーン

ひとひら☘☽・2020-04-29
幸介
幸介による小さな物語
ForGetMe~クロとユキ~
スランプ
カップル
警察
刑事
サスペンス
警察学校
腐れ縁
独り言
交際
事件
ポエム
好きな人
兄妹
家族
腐れ縁
親友
友達
幸せとは
小説
物語

【ForGetMe~クロとユキ~第一話不審死】



一人の男が河川敷の


テントの中で不審死を遂げた。



所持品に身分を示すものはない。


遺体を見る限り


ホームレスのようだ。


齢は7、80代…


と言ったところだろうか。



死因は、恐らく失血死だ。



手元には剃刀が転がっていた。



年老いたホームレスの


自殺か……?


頚部に


切り傷が見受けられた。



指先は赤く爛れており


指紋が消えている節がある。



薬品でも使って


自ら指紋を消したのか?



どの道これは


自殺と他殺、両方の線で


洗うことになりそうだ。




「おい、クロ!」



俺を呼ぶ先輩


巡査長の楠木さんが


俺に手招きをした。



「…なんでしょうか」


「この辺り、ホームレスが点々と住んでいるから杉浦と一緒に聴き込み行ってこい」


「わかりました」



河川敷の堤防を


大股で登り


中腹あたりでくるりと


方向を転換した。



少し高い位置から見ると


その場に集まった刑事共が


よく、観察できる。




「さて、杉浦はどこかな」


僅かに芝居がかった動きで


俺は同期の杉浦友紀を探す。



すると杉浦は


事もあろうに


背の高くなった草むらで


寝転んでいる。



「あー…腹立つ」



俺は大きなため息をついて


杉浦の元へ忍び寄り


肩の当たりを足で突っついた。



「なんだよ、クロじゃねえか」


「なんだよじゃねえよ、仕事しろよ」


「あー……他殺の可能性あんの?」


「それを調べんのが俺らの仕事だろ」


「えー…」


「えー…じゃねえよ、聴き込み行くぞ」


俺は屈み込むと


杉浦の額を叩く。


ベチリッッとひどい音を


させたかと思うと


杉浦は恨めしそうに


起き上がった。




「俺の額叩いたな?」


「杉浦のデコは広いから叩きやすいんだよ」


「俺の頭は高いぞ、一万くれ」


「ぼったくり刑事」


俺は悪態をつきながら


含み笑う。



ともあれ、俺たちは


川の上流側の


テントから攻める事にした。




「なあ、どっちがホームレスと仲良くなれるか1000円賭けようぜ」


杉浦は後頭部に手を組んで


口笛混じりにそう言う。


「…お前のそういう刑事らしくないところ、どうかと思うわ」


「クロのそういう刑事ドラマの見すぎ的発言も俺はどうかと思うけどね」


「いや!?普通に賭け事いかんだろ?」



俺が少し声を荒らげると、


杉浦は飄々と風に吹かれて


石段を1段飛ばしで下っていく。


俺の話なんて


聞いちゃいない。



「ったく…、おい、待てよ!」




杉浦とは高校の頃からの腐れ縁だ。



警察学校の最終過程を終えるまでは


寮でも、グループ訓練でも、


実習先でも


ことごとく“一緒”だった。



警察学校を卒業し


やっと腐れ縁が切れて


違う署に配属になった。



数年後先輩からの推薦を受け


刑事課への異動。


意気揚々と刑事課のドアを開けると


そこにはまたも杉浦がいた。


腐れ縁は、切れてはいなかったようだ。



いつも自由風に吹かれ


飄々としている杉浦を見ると


俺はほんの少しだけ


ギスギスした自分が嫌になる。


反面、こいつが心底


羨ましいと感じるんだ。




「よぅ、おっさん」


聴き込みに来て


いきなりおっさんはないだろ。


俺は早速、大きなため息をつく。



白髪頭の老人は


かけた歯で


スルメイカを噛んでいる。


「悪いが名前を教えてくれ」




杉浦がつっけんどんに


尋ねた言葉は住人の男に


怪訝そうな面持ちをさせた。




「…あんたらの名前教えてくれたらな」



全く、世話がやける。


仕方なく俺たちは、名刺を差し出した。


渡した名刺をしげしげと見つめて


男は、小さな声で呟く。




「志賀 喜夫」



「おっさん、あそこのテントのじいさんのこと何か知ってるか?」


「……あそこ?ああ、大造さんかい。苗字は確か……大石だ」


「名前は大石大造…か。おい、クロ、書いとけよ」


「お前が書けよ……」


そう言いつつ、メモをとる。


小さなことからコツコツと、だ。



「大造さんはなぁ、元社長さんだよ」


「社長?どこの」


「……ほら、随分前に大騒ぎになったじゃないか。負債抱えて海外企業に吸収された……」


「レフト、ですか?」


俺が杉浦を跳ね除けて


我先に声を上げると


杉浦は隣で小さく舌をうつ。



「ああ、そうだったかな…」


今度はしたり顔の俺を


跳ね除けた杉浦が


未だスルメを噛む老人に聞いた。


「昨夜、亡くなったらしいんだが、不審な物音や人物、見なかったか?」

「いやぁ、夜は早々寝ちまうし、知らないね」

「あんたのアリバイ、証明してくれる人は?」


「この通り、一人なんでね、誰か居たらびっくりだろう?」


「まあ、そうだな。で、その大造さん、誰かに恨まれる様な事はなかったか?」


「さあねぇ、俺等ほら、世の中のゴミだから」



そう言ったきり


老人は何も話さなくなった。




仕方なくテントを後にし


次のテントへと移動する。


とにかく今は証言を集めること


これが初動捜査の基本。



次のテントの住人は


開けずとも外で


飯炊きをしている


40代くらいの女だ。



杉浦は


失礼にも作っている味噌汁を


住人がスプーン代わりに


つかっているであろう


発泡スチロールの容器によそい


勝手に食べた。


「おい、お前何してんだよっ」



俺が声をあげると杉浦は


うるさいと言わんばかりに


片耳をほじりながら言った。



「ほら、なあ?心通わすには同じ釜の飯を食えって言うだろ?」

「飯じゃねえし!味噌汁だし!食ってねえし、飲んでるし!」


腹立たしくなって


目くじらを立てると


住人の女は意外にも


「面白いねぇ刑事さんたち」


黄色い歯を見せて笑った。



「そこのテントにお住いだった大造さんなんですが」


手帳片手に尋ねると


女は、はて、と首を捻った。



「大造、?」


「そこのテントの人、大造じゃないのか?」


今度は杉浦が訝しげに聴く。


「そこのテントの人は、善逸さんだよ」


思いがけないことに


さすがの俺達も顔を見合わせた。





「では、その善逸さん……以前何をされていたか、ご存知ありませんか?」


「花屋のご主人だったって聞いたよ」



こりゃあ神様もびっくりだ。




その後、


その辺にテントを構える四名の


“隣人”に話を聞いたが


1つたりとも噛み合う証言は


得られなかった。



仏の身元が聴き込みで割れない。



俺たちは勇み足で空回り



辛酸を舐めたのだった。


【ForGetMe ~クロとユキ~不審死(終)】

ひとひら☘☽・2020-04-18
幸介
幸介による小さな物語
ForGetMe~クロとユキ~
友達
刑事
警察学校
警察
不審死
独り言
自殺
身元
事件解決
物語
解決
事件
ホームレス
小説
大切な人に伝えたい事
サスペンス
好きな人
秘密
仰天
推理
ポエム



俺は全部知ってるよ

ここから見てたからな




まるで

ヒッチコックの

映画みたいだろ

key - vibgyor - ・2020-11-07
裏窓
サスペンス
ヒッチコック
優しさ
幸せ
ポエム
好きな人
独り言
vibgyor

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に13作品あります

アプリでもっとみる

ポエム思いつかないので、何か
「こんな感じのポエム書いて欲しい!」
っていうのがあれば教えてください!
来たもの全部で一つ一つ考えます!


もし、自分の恋をポエムにして欲しいけど
教えるのが恥ずかしいって思ったら。
トークの方で過剰書きで教えてください🙇‍♀️

質問等ありましたら、言ってください。
答えます。

雫☪︎*。・2021-07-31
ポエム
片思い
見つからないもの
ポエムの案を募集
恋愛
依存
病み
サスペンス
なんでも
不穏
苦しいくらいに優しい君

おすすめの漫画を教えてください~

ジャンルはトモダチゲーム、賭ケグルイみたいな、
サスペンス系?(ジャンルがわからん)
の漫画のオススメを教えてほしいです~!

咲🌙*゜・2020-08-11
サスペンス
ジャンル
漫画
おすすめ
オススメ


あずき日記 Part20


美食探偵第8話



もう次最終話なん?



10話までないことに足して

※3週間の裏メニュー話で
(面白かったですけど‪w)

気分的にリセットされた感じが

余計にあっという間だな…

と思いました




今回何故か

かたろう会で語らなかったのですが

ガッツリ1話から見てました‪w



それにしても中村てぃもや‪さん

お芝居の幅広すぎだよな〜

ギャップにいつもやられます



最終話どんな展開があるのか…

明智生きてるとか…

マリアファミリーみんな

何故か生きてるので

有り得るのかな?

私はマリアと犯罪者になるのか

なんて思っていましたが

そういう結末にはならなさそうですね



サスペンス系時々心臓に悪いですが

結構すきかもです‪w



※2週間となってました…

ごめんなさい🙇💦

あずき・2020-06-21
あずき日記/byあずき
かたろう会/byあずき
美食探偵
中村倫也
ドラマ
サスペンス

題:私のシアワセ奪うなよ

ジャンル:サスペンス・ホラー
アイディア:気分屋

定期:絵に起こすのは無理だから暇な人は
書いてみてね。


私のシアワセ奪うなよ

私は自分を第1に考えてます。
いや、むしろ自分のことしか考えてない
他の人の気持ちなど考えない。
人は皆私を『悪魔』と呼びます。
私は開き直ってます。
私は今日もシアワセになります。
私がシアワセな気持ちになる度に
人は皆こう言います。
『人の幸せを壊して何がしたいんだ』
と。
そんなもの決まっているでしょう?
”私がシアワセになる為”
貴方達も幸せを奪われたくない?
そんなの私も同じです。
悪魔でもなんとでも呼んでください。
奪うシアワセがなくなれば
シアワセを創り出すまで。
これ以上貴方達も奪われたくないなら
”私のシアワセ奪うなよ”

気分屋さん@ストーリー投稿・13時間前
小説
サスペンス
ホラー
ストーリー

毒花

これを掻かせば

貴方は眠りつく

貴方は私のものになる。

やっと手に入れた私の欲しいもの

NoNameマキバオ・2020-01-28
恐ろしい
サスペンス

他に13作品あります

アプリでもっとみる

その他のポエム

独り言
809182件

未来
11029件

378217件

好きな人
237713件

自己紹介
62472件

ポエム
451383件

大切な人
26816件

トーク募集
48337件

縁結びの日
272件

恋愛
153780件

片想い
192185件

辛い
132102件

死にたい
67189件

好き
177138件

片思い
156737件

失恋
87621件

歌詞
111377件

43734件

苦しい
40434件

タグお借りしました
10281件

友達
58376件

すべてのタグ