#タイムスリップ

壊れてしまった恋は
絡まって解けなくなった糸みたいに
もう元には戻れないんだと知った。

タイムスリップでもしない限り
あの自然な笑顔の君には出会えないんだな。

また自然な笑顔の君を僕は見たいです。

君と笑っていた時に戻りたい

時は、室町時代



一人の剣士が

散りゆく桜の木を見上げ

物思いに耽ける



｢なぁ、桜さんよぉ

人の命ってのは儚いもんだなぁ｣


一筋の涙が

剣士の目から零れ落ちると

桜の木は

ざわざわと音を鳴らした



そっと桜の木に手を添えると

はたはたと涙は溢れる



｢なんでぇ、大事な女の死を

看取ってやることさえ

出来なかったんだろうなぁ…｣



剣士はそう呟くと

膝を落とし

桜の木に寄りかかるように

目を閉じた


眠りに誘われるように

桜の匂いに包まれて…









｢あのぉ…大丈夫ですか？｣


トントンと、肩を叩かれ

目を覚ました剣士は

心配そうに覗き込む女を見上げ

目を見開く



｢…お、咲…？｣

｢お咲？｣

｢なんでぇ、おめぇ…｣

｢私、さくらっていいます｣



人違いにしては

恋仲であったお咲に瓜二つだ



｢…なんだ、おもしれぇ

格好してんなぁ｣


剣士はさくらの風貌を

まじまじと見つめ

そう言葉を投げかけると

さくらはキョトンとした目で

首を傾げる



｢いや、私よりお兄さんがね？｣

｢俺が？｣

｢なんか、時代劇の役者さんですか？｣

｢時代劇？…役者？｣


何を言っているのか

見当もつかない



辺りを見渡した剣士は

同じ桜の木の下なのに

川の向こうには

見たこともない建物が並び

鉄の橋の上には

鉄の猪のようなものが

走っている



｢な…なんだぁ、ここはっ｣

｢えっ…な、に？｣


剣士の

挙動不審にも思える驚きように

さくらは一瞬身を引くが

はたと気付いた



着物に袴、髪の毛を結い上げ

腰には刀…



さくらは手に持っていた本に

視線を落とす


その本は

新人作家のデビュー作で

タイムスリップを

題材にしたものだった



購入したばかりで

まだ読み始めていないものの

〝タイムスリップ〟と

書かれたその文字に

ざわざわと心が騒ぐ



｢…もしかして、いや…

まさか…ね？｣

｢…なんだ？｣

｢あの、お兄さん…｣


さくらは、ごくりと喉を鳴らし

座り込んでいる剣士に

目線を合わせた



｢…今、何年だと、思います？｣

｢…27年だろ？応永、の…｣

｢…っ！応永!?何時代!?｣


あまりの衝撃に

さくらは言葉を失う



｢…何時代とは、なんだぁ？｣

｢えっ、と…あの…、その…

じゃあお兄さん令和って

知ってます？｣


言葉を詰まらせるさくらに

剣士は眉を顰めた



｢令、和…？｣

｢今は、令和2年です…よ｣



やっと絞り出した声


二人の間に沈黙が流れ

ざわざわと桜の木が揺れる



｢…令…和、2……年？｣

｢はい…｣



600年の時空を越えて

出逢った二人は

ただただお互いを見つめ

戸惑うばかりだった

準備OK
これからあなたの所へ跳ぶわ

待ってて
今すぐ行くから






絶対に助ける
私の手で運命を変えてみせる

後悔なんてしない

【君に明日がありますように】

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡story.５


夢なら早く覚めて欲しかった。


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自分の頬をつねってみた。


｢痛い…｣


本当にここは現実なんだ…。

よろよろと廊下を歩く。


ポケットに入っている
スマホの電源を入れる。


日付は…


麗乃】…3年前、私が中2の時か…


私はタイムスリップ
してしまったのだろうか。


麗乃】でもなんで…


その時、予鈴のチャイムが鳴った。

もう、授業はサボろう。


教室に戻る気もなかった。


私は校舎裏の木の下に座った。



｢もしこれが現実なら…｣


私は考えを巡らせる。



未来を変えられる…？



虐めを止めれば、

あの事故は無くなるんじゃないか。


そしたら私の未来は

あんな悲惨なものには…


麗乃】でもそんな簡単には、

行かない…よね


私はため息をついた。


その時、

横に何かが落ちてきた。


｢…ヘアピン？｣


花の飾りがついている、
綺麗なヘアピンだった。


上から声が聞こえて、

私は慌てて
ポッケに入れてしまった。


｢澤井、どうしたー？｣


先生だろうか。


｢なんでもありませーん！｣


智夏の返答が聞こえた。


私はぎゅっと、ポケットを

握ると、静かにその場から逃げた。


_To be continued_

♡♡

【君に明日がありますように】

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡story.６


いつまで経っても弱虫だったね。

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蛇口をひねって水を止める。


麗乃】そろそろ教室戻らないとな…


無意識にため息が出る。

鏡の前に立って
自分を見つめた。

少し、顔立ちが幼い。


私はほっぺを軽く叩いて、

トイレから出た。


智夏】あ～！！麗乃！

良かったぁ、大丈夫？？


教室に戻ると、

智夏が駆け寄ってきた。


麗乃】な、なんとか…


パッと横を見ると、

廊下から梓那が窓から
下を覗いていた。


…何してるんだろう。


智夏】あは‪w見てあれ必死～‪w

智夏は指をさして笑った。

智夏のグループのみんなも
クスクスと笑っている。


智夏】さっき智夏が落としたピン
ずっと探してんの‪、ウケるw‪w


｢え…｣


もしかして、さっきの…

私はポケットをそっと触る。


これ、梓那のだったんだ…。


返さないと、いけないよね。


…。


そうは言っても
身体が動いてくれない。


何してんの、自分。

変わらなきゃいけないのに。


麗乃】あ…う…


手の震えが止まらない。


智夏】さっきのピン、
ゴミに捨ててこよっか‪w

見つけられたらやだし～


ハッと智夏の方を見る。


麗乃】き、今日風強いから

もうどっか行ったと思うよ…！


何言ってんだろう私…。


智夏は、そっか～と言って

自分の席に戻って行った。


い、言えた…。

でも…。


私は梓那に背を向けて歩いた。


少し視線を感じたけど、

気付かないふりした。


ごめん、梓那。


私、弱いままだ…。


_To be continued_


♡♡

自分が死ぬ前に後悔してしまった
ことをやり直すために
タイムスリップして来た世界が
今、自分が生きている世界

もしタイムスリップできる電車があったら

あなたと出会った頃に戻れるのにな…

" 過去 " か " 未来 "

どちらかにいけるなら

僕は君がいた

" 過去 " に戻りたい

もし、時間が戻るなら。
もし、君と出会う前に戻れるなら。
私は戻ってみたいな。
んで、全部初めからやり直したい。

あの頃の自分に戻れるのなら
自分の気持ちに
素直になりたい

【君に明日がありますように】

♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡story.４５


__な、___じゃ……の…！



〈神様_どうかお願いします〉



薄れていく意識の中願う。


〈1度だけ、私たちに幸福を_〉

--------------------


智夏】あいつ、また休みね


智夏はがらんとしている
梓那の席を見つめた。


憂美】…あいつ逃げやがって


憂美は顔をしかめた。


智夏】あの図太さじゃ逃げてる訳では
ないと思うけど

憂美】分かってるわよっ


そんな2人の会話を麗乃は
ぼんやりと聞いていた。


智夏もだいぶ丸くなったな。

いじめられてるのが原因かな？


憂美は相変わらずだけど
智夏は大人しくなった。

やはりあの智夏でも結構
ダメージは来ていたみたいだ。


智夏】やっと来たと思えばまた
片方が居なくなっちゃったわね


智夏はわざと大きな声で言った。


憂美】残念ね～、
また独りぼっちに逆戻り


智夏】…まぁ、うちらが
言えることじゃないけど



_これからどうしよう。


もう限られた時間しかない。



大丈夫、そう思いたいけど

何故か胸騒ぎがする。


もしこの前の事故が
あの事の代わりなら、

梓那は生き延びたことになる。


でもなんか…違うような…


偶然の重なりが引き起こしてしまった
ことなんだろうか…？



私は頭を抱えた。






｢さて、梓那のとこへ行きますか｣


見慣れた商店街を歩く。


開けた道路に出た。

この場所は、………


私は目を逸らした。



早く、行かなきゃ。



しっかり確認してから
横断歩道を渡る。


麗乃】ケーキ、買ったけど
梓那食べるかな…？


小走りで病院の傍まで来た時_



｢……梓那！？｣



公園のブランコに乗っている、
1人の少女が手を振った。



｢_麗乃ちゃん｣




梓那】抜け出してきちゃった



へへ、と笑う梓那の笑顔に、


私は心が救われた気がした。



麗乃】こんなとこで何してるの
…怒られるよ


梓那】…あそこは落ち着かないの



私もブランコに座った。



梓那】きっともう少しで…終わるから


…終わる？


麗乃】…何言ってんの、終わんないよ


梓那はぐっと、俯いた。



梓那】分かるんだよ…




｢もうすぐ命が尽きるって｣


To be continued


♡♡

ねぇ、もし僕が君に







『初めまして、仲良くしてね！』







って言ったら







また君と仲良かった友達関係に戻れるかな､､､









君に恋することを、無かったことに出来るかな？

過去に戻る方法なんてない

だってこの世に

完璧人間はいないでしょ？


過去に戻れるなら

失敗を成功に変えられるんだから

完璧人間が現れてもおかしくないもの

出来るなら入学したての初々しさに戻りたい。

てゆーか全部リセットして1からやり直したい。

もうあの頃には戻れないのかな。