僕の聲に
耳を傾けてくれませんか_
少しだけでいい
1度だけでいい
優しい笑顔で振り向いて
僕の聲を聞いてください
呆気なく散った
あの時の僕の願い事
――――――――――――――――――
昔から
家族関連の質問は苦手だった
聞かれた時
いつも吐き出すこのセリフ
『少しだけ家族交流が少ないくらい』
大半の人は
そーなんだで終わるこの解答。
家族らしいことなんて
少しどころか
全くと言っていいほどない
出かけもしない
話せやしない
強いて言うなら
家の外で寝泊まりした方が
3倍安心できる。
それくらい
苦しくて辛くて
生きているはずなのに
生きている心地がしない場所
――――――――――――――――
「ただいま。ねぇ、お母さ_ 」
「うるさい。黙れ」
「ごめ…」
「だから黙れって言ってんでしょ!」
バチンッ
鈍い音が響くと同時に
僕の頬がじんわりと痛む
家に帰ればこの始末。
クラスにも
学年にも
学校にも
家にも
どこにも居場所なんてなかった
いつからだったか
僕の存在は
要らないものとして
扱われるようになっていて
その代わりに
”あの子は完璧 ”
そんなレッテルを貼られていた。
それを演じていれば
誰かに好かれるかもなんて
少しの期待を込めて
そんなキャラを中心に演じていたら
必要とされているのは
僕じゃないことに気づいた。
みんなが必要としてたのは
教育がいいと錯覚させる
指導がいいと褒められるような
完璧でいい子で聞き分けが良くて
そんな操り人形でした。
”お前なんて”
そう言われて育った
”いらない子”
ずっとずっと言われてきた
0から100までの暴言を吐かれて
冷ややかな瞳で僕を殴った。
何十分も何時間も
お前なんかいなければ
なんて言われて
ごめんね
ごめんなさい
って謝るしかなくて
その言葉でさえも
うるさいって言われて
家では自分の意見を
言わなくなった
そんな日々が
変わらず何年も巡って
明日も明後日も昨日も
霞んだ景色と
歪んだ未来しか
視えていなくて
なにを信じていいかもわからず
どれが正解なのかも知らず
ただ目の前にある現実を
ただ用意されているレールを
踏み外さないように
嫌われないように
言われるがまま
従うがまま生きてきた
何回も思った
いっその事×んでしまおうか
何回も動いた
これでこんな人生も最期だね
何回も何回も
他人に従って
普通を演じた
何度も何度も
自分に刻んで
自分を×した
たとえ僕の物語が
BADENDでおわったっていい
この世界から消えられるなら。
だって僕の物語に
Happyなんてなかったから
生きる意味すら無くて
毎日毎日
何時間も真夜中の外を歩いて
夜が明けたら
僕の存在はなかったことになる
なんて幻想を抱いて
川辺や海辺それに橋
時には隣町まで
日がめくれるまで
朝日が見えるまで
ぶらついてたっけ。
1人で歩く夜道は
僕が知る世界の中で
1番暖かい気がした。
風の音
波の音
心地いい冷たい風が
僕の髪を揺らすたび
少し冷たい海水が
僕の足を濡らす度
生きてることを痛感して
自然の優しさに
少しだけ痛みを感じた
春も夏も秋も冬も
風が強くても
雪が積もってても
必ず外をふらついた
少しの反抗心と
家にいる事の苦痛感から
抜け出したくて
家に帰った時の
お酒の匂いと
香水の匂いが嫌いだった。
部屋に戻って着替えて
リビングに戻って
掃除機をかけて
食器を洗って
洗濯をする
家政婦になれば儲けるわ
なんて言い聞かせて
家事をこなす
母親が帰ってくる前に
家事を終わらせて
母親が帰ってくる前に
部屋に戻る。
同じ家にいることが
気持ち悪くて
あの人の啼く声が
嫌で嫌で仕方なくて
怖くて
気持ち悪くて
何度も吐いた
何度も切った
そのうち
本物を見失った
感情が消えてく気がして
必死に取り繕った
痛みすら分からなくなって
痣があることに空笑いした
ただ苦しかった
寝ることが怖かった
寝れなかった
ネットに依存した
推しに執着した
部屋の時計を深夜で止めた
カレンダーを破り捨てた
そんなことを繰り返す度
大切なものを見失った
アルバムを
クローゼットの奥に押し込んだ
全部全部
喉の奥に頭の奥に胸の奥に
つっかえてる気がした
日記を棚の奥に押し込んだ
鍵をゴミ箱に入れた
ある日僕は教室で
聞こえるか聞こえないか、
それくらいの声で呟いた
そしたら
周りは冷たい目で僕を見るようになった
いじめが始まるようになって
無駄な期待を背負うようになって
息をするだけで苦しくて
今度は本当に独りになって
×のう×のうって考えて
でも、君と出会った。
僕を否定しない
君は無傷で
僕とは違うけれど
君にしかない
心の重みを抱えてた
僕と同じ視点を知っていた
「辛いよ、ね笑」
「その気持ちわかるよ」
同情なんかじゃなくて
ほんとに君は知っていた
この痛みを
この苦しさを。
僕は君のおかげで
救われた気がした
君と話す間は息ができるの
君と話すと笑えている気がしたの
君の笑顔で毒が溶ける気がしたの
何もかも色づいて見えた
けど、そんな君も失った
自殺だった
必死に笑っててくれたんだ
なんで、なんで
なんでなんだろう
冷たくなった君をみて
何度も謝った
ごめんなさい
ごめん
ごめんね
戻ってこない君の温もりを抱えて
何度も何度も嘘だと思い込んだ
でも過ぎたことには変わりなくて
どの痛みよりも
どの辛さよりも
重くて消えない深い深い
後悔だけが僕の胸に募った___
―――――――――――――――――
何を伝えたいかって
聞かれたら
分かりません笑
ただ、
どんなに辛くても
誰か大切な人がいたら
頑張れるって雰囲気にしました。
けど
どんなに大切でも
どんなに必要としてても
言葉にしないと伝わらなくて
自分が気づかないと救えなくて。
失ってからじゃ遅いんです
どんなに叫んだって届かないんです
あの笑顔も
あの声も
あの温もりだって
いつ消えてしまうかなんて
分からない。
あの時学んだはずじゃないですか
あんなにやめようって
命の重さを知ったはずじゃないですか
それをまた繰り返して、
またひとつの命を奪った。
犠牲にして
次こそはなんて残酷すぎる
命に次なんてないんですよ
嫌いな人が居なくなったとして
あなたが悲しまなくても
絶対悲しむ人がいる。
”有名人だから”じゃない
”人間だから”じゃない
傷つけていい生き物なんて
いないと思うんです
綺麗事だけど
無くせなくたって
無くそうって思ったって
動いてみないとわかんない
止まらない悪口だって
絶対あると思う
けど、
手を差し伸べることを
恐れずに
みんなで動きませんか。
悪い方向にじゃなくて
良い方向に。
綺麗事だって分かってる
現に上手くいくなら
こんなことになってないと思う
けど
指先だけで
加害者にも被害者にも
傍観者にも犯罪者にでも
なってしまうんです。
便利さを
履き違えてませんか
画面越しの意味を
間違えていませんか
同じ画面の向こうに
人がいます
AIじゃないんです
同じ「人」がいるんです
心があること
その人にも大切な人がいること
忘れないでください
今打とうとした文字を
もう一度見直してみてください
加害者にならないでください
あなたの文字ひとつで
誰かを救える
あなたの文字ひとつで
誰かを殺める
忘れないでください
画面越しは同じ人間です。