上手くない
自分の音が嫌い
だから苦しくなって言った
辞めたいって
先生は言った
お前4位なのに
上手い自分を全力で否定したいもう一人の自分がいるって
後悔しないなら辞めていい
でも後悔すると思う
自分で考えてご覧って
それで今考えている
思い返すと色々なことがある
カットされまくった今年のコンクールの自由曲
次のコンクールはまともに吹けたらいいな
高校の吹奏楽に入部したこと
あの時大好きだった書き方もピアノもやめた
悔しかった中3のコンクール
絶対高校では金賞取りたいって誓った
中2で初めてでたコンクール
まだ何にもわかってなくって悔しくもなかった
そして中1で楽器に出会ったこと
あの時の高2の先輩が忘れられない
とんでもなくうまかった
先輩の音が好きだった
でも私はその時の先輩と今同じ学年になってしまった
先輩と出会ったのがちょうど四年前の今ぐらい
あの先輩みたいにずっとなりたかった
今の中1の後輩がすごく上手いんだけど
その子が妹の友達らしい
妹がその後輩に言われたって
お姉ちゃんフルートうまいよね
先輩の音が好きだなー
あんな風になりたいって
そう言ってたということを妹から聞いた
多分中学生から見た高校生なんてみんな上手く見えるって
妹に言った
でもそれっておんなじことが昔の私にも言える
高校生がとっても上手く見えた
きっとあの頃の私に見えていた先輩と
いま後輩から見えている私で
重なる部分があるんじゃないかな
ただ先輩に憧れていた私が
今や誰かの憧れになっているんだ
高校生だからっていうエフェクトが
かかっているからかもしれない
でもそれにしても憧れは憧れ
だからできるだけ
私にできる限り
憧れで居続けたい
四年前先輩に憧れという光をもらった
その光はずっと私の中で輝き続けている
その年に追いついた今でも
そろそろ私も誰かに光を渡さないといけない
渡す相手が現れた
続けるのも辞めるのもきっと後悔する
でもいいじゃないか
後悔しても
少しの希望を持っている今
この希望を捨ててしまうのはもったいないと思ってしまった
まだまだやり足りないことがたくさんある
一つ上の先輩ともう一度吹きたい
二つ下の後輩をもっと上手くしてあげたい
もっとたくさんの拍手をもらいたい
もっと照明に照らされて輝きたい
もっと真剣に音楽していたい
もっと仲間と一緒にいたい
もっと自分を許してあげたい
もっと自分を認めてあげたい
そして来年もう一回九州大会に行きたい
もう一度強豪と真剣勝負をしたい
そして金賞が取りたい
まだ何にもできていない
まだまだやりたいことだらけ
まだまだ見たことがない景色は広がっている
辛いし苦しいし
逃げたくもなる
でもやりたいこともあるし
見たい景色もある
まだ知らない自分に出会いたい
だから続けたい
大丈夫
きっと上手くなるから
憧れをもらった私ならもっと輝ける