桜もち・2017-04-09
一口
愛情
貴方の善意ある 愛情を分けてください
ほんの少しでいいのです
それだけで 満足です
その 一口だけで…
ひとくち小説「妹の居ない日常」
「俺は…バカだなぁ」
アルバムの写真を見ながら
俺は1人泣いていた。
昔の写真だ。小さな頃の思い出が詰まった
妹との思い出の写真だ
その写真には笑顔で笑ってる
妹が居る
何故、俺はあの時止めてあげられなかった
何故、俺はこんなにも大事な妹を
助けてあげられなかった
寧ろケンカまでして、泣かせて、
仲良くなくなって。
「ごめん…ごめんな…」
今になって泣きながら。
謝り続ける。
失って手遅れになった今
やっと気づいた
大好きだった妹を
助けられなかった後悔
イジメてしまった罪悪感
そして幸せに、してあげられなかった
守ってあげられなかた
「うぅ……うわぁぁぁん!!」
ぐしゃぐしゃな顔になって
泣き続ける。
心が苦しい、あぁ…もう…
どうしたら良いのだろう…
俺は…
俺は…
泣き疲れて眠りにつく。
チュンチュン…
朝になって、目が覚める。
コレからは
もう妹が居ない、
親の声が聞こえる…
俺は部屋を出て下に降りる。
そして妹の居ない人性が
ココから始まった。
当たり前だと思ってた
一緒に過ごしてきたから
二口小説「恋心はメロンソーダ」
俺は片想いをしてる
彼女の名前は舐瓜 蒼
俺御剣 翡翠は…
ずっと声すらかけるも
難しかった
どうやって話そうか?
嫌われたくない
俺なんて…
そう思ってた
そんな時彼女が絡まれてた
嫌そうな顔をして
泣いてたのだ
そしたら体が勝手に動いてた
「何やってるだお前ら辞めろよ?
蒼さんが嫌がってるだろ!」
そしたら成り行きで
蒼と仲良くなれた
高校2年の登校中に
俺が急かしたばかりに
キキーッ!!
「蒼!危ない!」
手遅れだった…蒼は交通事故に
巻き込まれて植物人間状態と
なってしまった…
俺は怒られた。
蒼の両親にも俺の親にも
人生が崩れる音がしたんだ
それでも一番辛いのは
蒼だ
こんな状態でずっと息をして
生きている
俺は毎日蒼に会いに行った
蒼の両親に最初は嫌がられたが
俺の熱量に負けて
途中から許してくれた
高校も卒業し短大に行き
俺は気づけば20歳になっていた
蒼はまだ生きている
「蒼?起きてるか?」
「今日は花束を持ってきたんだ
珍しいだろ?緑の花なんだぜ」
「俺のせいで苦しい思いさせて
本当にごめん、何度謝っても
許されないよな」
だから、蒼にコレ…
小さな青い箱俺はソレを蒼の前で開けた
「結婚指輪、エメラルドの…」
俺は蒼の小指そっとはめて
「好きです。結婚して下さい」
そしたら奇跡が、起きた。
蒼が泣いてるのだ
今まで何も反応すらなかった
蒼が…
口を動かして何か伝えようとしてる
先生!先生!
蒼さんの意識が!
一緒にいた看護師が慌てて
部屋を出ていく
「ヒス…ワタ…ス…」
何か小さい声で聞こえた
間違え無く蒼の声だった
俺は彼女をコレからも
支えて行く
あの時の青春の甘くて爽やかな
恋心はクリームと混ざり合い
奇跡を、起こした
嗚呼…恋心はメロンソーダだ。
end
一口小説 僕の素敵な天使様
寒い中待たせてごめんね…
何度も頭の中で練習する。
そんな人居ないのに。
今夜も夜風に吹かれる。
素敵な格好をしたカップル達
町並みのイルミネーションと同化して
まるで芸術の様だ
僕はそんな中一人悲しく帰る。
手に入る温もりはホッカイロの温もり
仕事を終えて部屋に戻る。
ただ散らかった部屋
今日もお湯を沸かしてカップルヌードル
スマホで今日のニュースを見ながら
早めに寝る。
そんな毎日
時々夢に見る、過去好きだった人の妄想
いちゃいちゃして手をつないで
色んな所へ…沢山の思い出
目を覚まして、夢と気づく
満員の電車に揺られ、
仕事して残業して…
特に仕事仲間と飲む事も無く
今日もただただ帰る
意味の無い毎日
生きてる意味すらあやふやで
未来に希望も無い…
そんな事を思ってたある日
君と出会った
まるで空から舞い降りた天使
一目惚れってあるんだ…
そんな事を思ってた。
君は
僕の人生を全て変えてくれた
あの日困ってた君に勇気だして
助けて
まさかこんな風に幸せな日々が
来るなんて…だから
僕はこの人と共に居たいと思った
この素敵な聖夜に君に…
素敵なプレゼント
僕と結婚して下さい。
終わり
一口小説
「恋心はメロンソーダ」
私の初恋は
甘くて何処か爽やかだ
シュワシュワ弾けるこの思い
君は見てくれるかな??
木々に緑が色付き日差しが
強くなる今日この頃
私は今日も走っていた。
「こんにちは!」通り行く
近所のお婆さんに挨拶して行く
「あぁ…こんにちは。蒼ちゃんは
いつも元気だねぇ…私もこんな頃が
あったとよ」
「あ!お婆さん遅刻しゃうから!
じゃあね!」
「こけないでねぇ」
私はいつも遅れて家を出る
理由は簡単だ
彼に会うためだ
「よう!蒼!またお前も遅刻か?」
やっときた、その声に私は振り向く
「もう!遅いよ!
本当に遅れちゃうよ!翡翠!」
彼の名前は御剣 翡翠高校2年生
私、舐瓜 蒼の
隣の席の男の子
「ほら!走るよ!」
「おう!」
私は翡翠に恋をしてる
彼は気付いてないけど
初めてだったから…
ー過去ー
メロンちゃんだ!
もう片方居ないからスイカになら
無いじゃんw
私は中学時代イジられてた
流行りのフルーツゲームで
メロンとメロンが重なるとスイカに
なって点数が増える
だからいつもイジられてた
私はソレが嫌だった
「あの…もうそういうのやめ…」
は??メロン2つ持ってるのにスイカに
ならないメロンちゃんが何言ってるの??
頭大丈夫??
本当…嫌っ誰か…
そこに彼が来て私にこういったのだ
「何やってるんだお前ら辞めろよ?
蒼さんが嫌がってるだろ!」
一度も話した事無い隣の男子が急に
来てそういったのだ
なに?彼氏?私達メロンちゃんと
話してだけだしー?
もう良いや、じゃーねメロンちゃんw
興が削がれたのか
彼女たちはその場立ち去った
「あの…ありがとうございます…
えっと…どうして…下の名前を…」
私は彼に質問した。
「あ、いやさ…えっと…
俺も言いにくいだけど
舐瓜さんの近所で、
たまたまだよ!?
たまたま名前知ってて
そんで廊下歩いてたら
聞こえたからさ…」
私の滲んでた瞳から
見えたその景色には
凄く照れくさそうな
蒼瞳の君が居たのだ。
きっとこの思いは
炭酸の様に弾けていつか
消えるだろう
甘くて爽やかなメロンソーダの
様に…
「おい!蒼?何ぼーっとしてるだ?
急ぐぞ!」
「う、うん!」
でも私は今を走る
甘くて爽やかな青春を…
ー終ー
一口の幸せを貴方に。
一口小説
タイトル「私の腕時計」
忙しい日々、毎日が大変で
手が追いつけない程
でも必ずこの少し古ぼけた腕時計をつける
私が生まれて間もない頃に…
母が死んだ。
私は母の顔をよくは知らない。
父は腕時計を作る専門の職人だった
もちろんこの腕時計も父が作った物だ
だからか良く小さい頃から
こんな話をされた
「この腕時計は、お父さんがお母さんに初デートの時にプレゼントした物なんだ。お母さんはね、忙しい人で…お父さんの為にわざわざ、休みをとって付き合ってくれたんだ。だからこの時この腕時計を受けっとたお母さんの顔…嬉しそうだった。今でも忘れないよ。」
長くてあんまり覚えて居ないが父の話から
お母さんにとって凄い大切な物だった
思い出で今は私と母を繋ぐ唯一の
遺品だ。
だから、この腕時計は必ず身に着ける
私がいつか親になってその時に
ちゃんと母にこう言いたい
生んでくれてありがとう…
私の心の中で辛い時、悲しい時、
この腕時計があったから私は立派になれたよ。
大好きだよって
END
一口小説「恋の壁」
俺さ、〇〇さんの事ずっと前から
好きでした付き合って下さい!
何度夢を見ただろう…
終わりの無い無限の恋
随分と昔の記憶が何度何度も
未だに「愛」をしれないままで
今年で27歳独身の俺は今日も仕事へ向う
電車通勤の朝は地獄で
どぎつい香水と蒸れた汗の香りに
包まれる
やっと開放されて別のホームへ
学生さんも利用している
いつも思う子がいる
好きだった娘に似てるな…
そんな学生さん
遠くからあの頃を思い出してしまう
きっとふれたら…
捕まってしまうだろう
我に返って目的地まで向う
会社はほぼ年配の方しかいない
所属部署は男性しかおらず
ひたすらパソコンとにらめっこ
ソレを行うだけの毎日
もう恋することなど無いと
思ってた…
夜になって帰路につく
街明かりがほのかに照らして
マンションの隅ソレが俺の住まいだ
部屋に上がり明かりをつけ晩酌をする
ソレだけの毎日
今日も夢を見る
言える事の無かった
手を伸ばして肩に触る
起きると手を伸ばしていた
頬は濡れて今日は休みだ
やる事無くふと学生の頃を
思い出して近場のモールに
行く事にした
そこは良く学園祭なので
出し物を買う時に使った
古き良き施設なのだ
到着して変わらない建物を
眺めた
さて………
一瞬心臓の鼓動がなった
面影のある君を見た
好きだった人
まともじゃない俺は
声をかけてしまった…
あの…もしかして〇〇さんですか?
彼女は振り向き
きょとんとした顔をで
「あの…どちら様で?」
〇〇高校の時に同じクラスだった…
「あー!〇〇君か!久しぶりだね?」
長年の間の恋の壁はいままさに
壊れて成就したのだ
一口小説 片耳イヤホン
私は良く音楽を聴く
音質も良く使い勝手の良い
お気に入りのビーンズイヤホン
大切にしてたのに
「どこに行ったんだろう?」
ひょんな事で何処かにケースと片耳
だけ無くしてしまった
残ってるのは片方の方のみ
部屋を探しても
机を探しても
車の中を探しても
見つからなかった
我ながら芸術点の高い無くし方
したなとショックをうけた
そのことから私は片耳イヤホンを
作ることにした
私みたいに片耳とケースを無くして
しまう人の為に…
制作は常に難航だった
まず、新しいの買えば良いと言う
最大の壁とぶち当たる
確かにその通りだ。
しかし、残った片耳イヤホンが囁くのだ
(私はまだ音を届けたい)
そう泣き叫ぶのだ
ペアリングするのも
大変だった
片耳イヤホンにも好き嫌いが
ありホント相性が良い片耳イヤホンを
作るのが手間がかかった
こうしてやっと片耳イヤホンの
相方が出来た
苦難の道だったけど
やれば出来る!出来た!
この達成感を伝えたい
どんなに厳しい壁に当たっても
出来る!その勇気が有れば
解決出来ると
そして数ヶ月後私は無くしたはずの
片耳イヤホンとケースに
再会するのであった
ーfinー