🐼ゆずは💕・2018-04-25
自分
分からない
何者
私は何者なの?
問いかけても
誰も答えてくれない…
例え家に居場所がなくても
学校に居場所がなくても
その外にも世界があると
感じられる世の中になって欲しい
誰も君を否定したり出来ない
何者にもなれなくても君は君でいい
「おきぬさんはおさきさんに成り代わったと?」
「その通りさ」
老婆が息巻く様子を
ヨイヤミはただ見つめ
やがてこう言った。
「おさきさんの代わりを努めてくれた、という考え方も出来ますが?」
「…そんな、そんな奴じゃないんだよおきぬは!」
再び荒がりはじめた老婆に
ヨイヤミはとうとう立ち上がり
哀れむような目を向ける。
老婆はたじろぐ様に呟いた。
「な、なんだい…」
「あなたは何故、そこまでおきぬさんを嫌うのですか」
「…それは、おさきを蔑ろにしたからさ」
「それでは何故、そこまでおさきさんを庇うのですか」
「五郎兵衛が…本当に愛したのはおさきだったからさ」
ヨイヤミは
大きく息を吸い、
老婆に告げた。
「あなた、本当は何者ですか」
優しくも鋭い眼光が、
老婆の心を射抜く。
「…え?」
「手を貸しましょう、記憶のもつれを解きなさい」
パチン
ヨイヤミが指を鳴らすと
「あ……」
老婆は深い眠りの中へと
誘われていく。
意識を無くす間際
老婆はヨイヤミの言葉を
思い出していた。
“ アナタ、ホントウハ、ナニモノデスカ”
歪んで、落ちていく、偽りの自分。
【ヨイヤミ Case two carpenter⑤】
「…き、おさき」
「え…?」
「おい、おさき」
あたしに
「おさき」と呼びかける、五郎兵衛。
一体、これはどういうことだい。
「おさき、孕んでるおめえを置いていくのは忍びねえが親方たっての希望なんだ、聞き分けてくれ」
そう五郎兵衛が言うと
あたしの口は勝手に動き出した。
「わかってる…寂しいけど、仕方がないよ。そのかわり、お勤めが上がったら元気に帰ってきてね」
「当たり前じゃねえか、俺の帰るところはおさき…おめえのところしかねえ」
五郎兵衛は
あたしをきつく抱き締める。
お腹の中では
まだ見ぬお子が腹の内側を蹴った。
五郎兵衛の温もり
五郎兵衛の匂い
五郎兵衛との触れ合い
五郎兵衛の子
ああ、思い出した。
あたしは、茅葺き屋根の
家屋なんかじゃない。
あたしは、
五郎兵衛のゴロちゃんが
大好きなおさきだ。
おみよと、弥彦を
大切に想う母親
おさきだった。
「ゴロちゃん……」
あたしの声は透き通る。
実体のある声が
五郎兵衛に届く。
「なんだ…?」
「ゴロちゃんが…愛しいよ」
愛しさのあまり
涙が湧き出た。
ぱたぱたと、涙が零れて落ちる。
五郎兵衛は顔を傾けて
あたしの唇を何度も吸い上げた。
幸せに満たされる…
孤独から解放されるその感覚。
もう二度と味わえないと思っていた。
こんな愛しい家族を捨てて
あたしはどこへ、行った…?
思い出せない。
繋がろうとする記憶を
邪魔する「何か」。
頭が痛い…。
頭が……割れる……。
目の前がぐるんと
一回転したかと思うと
五郎兵衛の姿は
もうそこにはなかった。
その瞬間
感覚が研ぎ澄まされる。
下へめり込むような衝撃
土間の地面
日光の日差し
着物の裾とわらじ
頭のてっぺんに激しい熱さ。
それは
頭蓋骨を焼くように感じた……。
【ヨイヤミCase two carpenter⑤終】
きっと僕は何者にもなれない_
君の瞳に映る僕は何者ですか_
私な貴方の何になれるのかな
心を映す鏡は
案外身近にあって
自分は何者なの
時々行方不明です
雀を見かけなくなって
やがてそれが普通になって
何にも変わってないって
大きな声では言えない
私もきっと
変わってる
かほ
口から溢れ出したそれは
そのうち目
切れ目のない所からまで
どろどろと滴って
君が僕の名前を呼ぶだけで、
こんなにも幸せなのに、
君の隣にいたい。と、
その先を求めてしまう僕は、
欲でできた化け物なんです。
好きと言ってほしい私は、
そのくせ、
何もできない臆病者なんです。
あなたたちと私は違う。
完璧に同じ人間なんていない。
………?
なんでいないんだろう?
僕が死にたいと願ってしまうのは、
きっと、僕が全てを中途半端に
捨ててしまっているから。
諦めてしまっているから。
人生の堕落者なんです。
いつでも私はある人の事を考えています。
叶わない恋だと分かっていながら、
それでもなお、考えてしまうのは、
何故なんでしょうか?
叶わないと分かっているのなら、
その時間は無駄でしかないはずだ。
無駄に人生を費やしている僕は、
何者なんだろうか?
私と僕。
何者でもないということは
何者にでもなれるということ
生きたい、も
死にたい、も
誰かの言葉に左右される僕は
空っぽの人間なのだろうか。
いったい、何者なのだろうか。
何者にも、なれないのだろうか。
あなたは私が何者なのか知らない。
私はあなたたちの為に生きているわけではありません。
あなたの頼み事なんでも受け取ると思わないでください。
なんでも聞くと思わないでください。
どれだけ我慢しているかなんて分からないだろうし、分かられなくていい。と思ってます。
ただ、困ります。そういうのは。
私も悪い。だって、自分の意見を出そうとしないから。怖いけど、勇気の1歩を踏み出さない限りこれをずっとすることになるよ。
やめとけ。出せ。変われるのは自分次第だ。
中途半端に生きてるあたしは
いったい何者なのか
付き合っていないのに、
嫉妬してしまう私は、
何者なのだろう。