例え家に居場所がなくても
学校に居場所がなくても
その外にも世界があると
感じられる世の中になって欲しい
誰も君を否定したり出来ない
何者にもなれなくても君は君でいい
神々廻 勇凛・2022-07-14 #ありのままの君でいいから #例え #家に #居場所 #ない #学校 #外 #世界 #感じられる #世の中 #なって #誰も #君を #否定 #出来ない #何者 #なれなくても #君は君 #大切な人 #メッセージ #生きててくれてありがとう #自分を大切に #独り言 #好きです、なんて言えない #強く生きて #辛い #寂しい #悲しい #陽だまり委員会
「おきぬさんはおさきさんに成り代わったと?」
「その通りさ」
老婆が息巻く様子を
ヨイヤミはただ見つめ
やがてこう言った。
「おさきさんの代わりを努めてくれた、という考え方も出来ますが?」
「…そんな、そんな奴じゃないんだよおきぬは!」
再び荒がりはじめた老婆に
ヨイヤミはとうとう立ち上がり
哀れむような目を向ける。
老婆はたじろぐ様に呟いた。
「な、なんだい…」
「あなたは何故、そこまでおきぬさんを嫌うのですか」
「…それは、おさきを蔑ろにしたからさ」
「それでは何故、そこまでおさきさんを庇うのですか」
「五郎兵衛が…本当に愛したのはおさきだったからさ」
ヨイヤミは
大きく息を吸い、
老婆に告げた。
「あなた、本当は何者ですか」
優しくも鋭い眼光が、
老婆の心を射抜く。
「…え?」
「手を貸しましょう、記憶のもつれを解きなさい」
パチン
ヨイヤミが指を鳴らすと
「あ……」
老婆は深い眠りの中へと
誘われていく。
意識を無くす間際
老婆はヨイヤミの言葉を
思い出していた。
“ アナタ、ホントウハ、ナニモノデスカ”
歪んで、落ちていく、偽りの自分。
【ヨイヤミ Case two carpenter⑤】
「…き、おさき」
「え…?」
「おい、おさき」
あたしに
「おさき」と呼びかける、五郎兵衛。
一体、これはどういうことだい。
「おさき、孕んでるおめえを置いていくのは忍びねえが親方たっての希望なんだ、聞き分けてくれ」
そう五郎兵衛が言うと
あたしの口は勝手に動き出した。
「わかってる…寂しいけど、仕方がないよ。そのかわり、お勤めが上がったら元気に帰ってきてね」
「当たり前じゃねえか、俺の帰るところはおさき…おめえのところしかねえ」
五郎兵衛は
あたしをきつく抱き締める。
お腹の中では
まだ見ぬお子が腹の内側を蹴った。
五郎兵衛の温もり
五郎兵衛の匂い
五郎兵衛との触れ合い
五郎兵衛の子
ああ、思い出した。
あたしは、茅葺き屋根の
家屋なんかじゃない。
あたしは、
五郎兵衛のゴロちゃんが
大好きなおさきだ。
おみよと、弥彦を
大切に想う母親
おさきだった。
「ゴロちゃん……」
あたしの声は透き通る。
実体のある声が
五郎兵衛に届く。
「なんだ…?」
「ゴロちゃんが…愛しいよ」
愛しさのあまり
涙が湧き出た。
ぱたぱたと、涙が零れて落ちる。
五郎兵衛は顔を傾けて
あたしの唇を何度も吸い上げた。
幸せに満たされる…
孤独から解放されるその感覚。
もう二度と味わえないと思っていた。
こんな愛しい家族を捨てて
あたしはどこへ、行った…?
思い出せない。
繋がろうとする記憶を
邪魔する「何か」。
頭が痛い…。
頭が……割れる……。
目の前がぐるんと
一回転したかと思うと
五郎兵衛の姿は
もうそこにはなかった。
その瞬間
感覚が研ぎ澄まされる。
下へめり込むような衝撃
土間の地面
日光の日差し
着物の裾とわらじ
頭のてっぺんに激しい熱さ。
それは
頭蓋骨を焼くように感じた……。
【ヨイヤミCase two carpenter⑤終】
ひとひら☘☽・2020-02-13 #幸介 #幸介による小さな物語 #ヨイヤミ #ヨイヤミシリーズ #ヨイヤミcase2carpenter #真実 #人間 #茅葺き屋根 #何者 #好きなだけなのに #小説 #物語 #ポエム #独り言 #恋