#僕

「また春が来るね」

桜吹雪の中で笑う貴方は


僕の瞳に儚く映って

手を掴んで置かないと


誰も知らないどこか遠くへ

独りで消えてしまいそうで

結局さ僕の「死にたい」は

ないものねだりにすぎなくて

僕の身体はひとつだけ

だから貴方をずっとは守れない


それでも生きて欲しいと

貴方に願う僕は酷い人間だ

君が笑う目線の先は、僕じゃないけど
君が泣く理由の元は、僕じゃないけど


君を慰めるのは、
僕だけであってほしいと思うのは、

我儘ですか＿＿？

この世界に君と僕だけだったなら
君は僕に「恋」してくれましたか？

君と僕の世界を閉ざす扉

重苦しく響く音は

さよならを奏でていた

僕がキミにとっての一番星でありたい

君はアイツを想う
僕は君を想う

君はアイツが「好き」
僕はアイツが「嫌い」

正反対でも、気付けば
君が隣にいる


〝違い〟があっても
〝一緒〟に居られるのは

君だけなんだ＿＿

見上げた高い鉄格子

鉄格子の先には君がいる

困ったように笑いながら


君の後ろに広がる景色を

なんと言うのか僕は知らない

だんだん可愛くなる君の目線の先は、
きっと僕じゃないけれど

僕に好きだと笑って欲しいのは
我儘だろうか？

僕の隣に、もう君はいない

ひとりぼっちなのは
僕だけだった

叶わない約束だって

ヨルが明けなくとも

きっと叶えられるよ

君と僕なら必ず＿＿

朝、「おはよう」って君が笑う

　　　　　・・
放課後、「またね」って僕が誓う

　　　・・
明日もまた会える約束を＿＿

ファインダー越しに君と目が合うと
綻ぶ口元を隠すのに必死なんだ＿＿