#僕らの妄想物語

スクリーンの中のあの子は
幸せそうな顔で
あの人を見つめてる

知らないの？
いつか終わってしまうこと
そんな簡単なこと

火照った身体
交じ合わせ重ね合わせ
他には何もいらない
そう思えても

ボロボロになるほど
振り回されて
「バイバイ」

ねぇ
もう一度、信じてみても
ねぇ
もう一度、やり直しても
あの子にはなれない

憧れているのは
ヒロインじゃないから

それでも
貴方となら
終わらない
物語を
作っていける
そう思えたの

僕達のストーリー作りに

海に行って

屋上で遅くまで話して


ずっと続けばいいのに

そんな君とももうお別れみたいだ

僕もう行かなくちゃ





｢ばいばい｣

わかってたよね
こういう人間だって

誰だっていい
寂しさ埋めてくれるなら

ほら
ちゃんと動かして
代わりの相手でも
満たされず
僕が欲しかったって

いつものように
「ご主人様………」って
お願いしろよ

めちゃくちゃになるほど
刻み込んで
どうしようもなく
僕に溺れたらいい

ほら
いつものように
可愛く鳴いて
愛させてよ

片手で顔を覆って
見えないように
こんな世界が

もう片方で
小さな口塞いで
余計なこと言わないよう
嫌われないように

痣だらけの腕
傷だらけの身体で
必死で自分を守る
それだけで精一杯

口癖になったのは
「助けて」じゃなく

あの言葉
今でも時々
口に出して
独りじゃないって
思い出す


あなたとしてから全てが変わったの

あなただけに感じて

あなたでしかイけなくて

あなたのキスが気持ちよくて


あなたは私の全てを吸いとる



『吸血鬼』




それでも嫌いになんてなれなくて

もっと好きになるのは

あなたばかりを考えてしまうのは

なんでだろ




もう私の全てを


君が吸いとって

私を君色で染めて

君と出会った時

表情をひとつも変えず

どうしたのかも教えてくれなかった

そんな君とも過ごしていると

君は微笑むようになってきた




僕は嬉しかったよ

これで君も自由に生きれる


最後に聞こえたのは

｢ア イ シ テ ル｣

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私にかまってくれたのは

あなた一人だった

私はそんなあなたに

恋をしてしまったよう


それなのに、

あなたには好きな人がいて



ねぇ、どうして？

どうして、あなたの瞳に

私はいないの？

私と一緒にいてよ


━━━。


｢ア イ シ テ ル｣

これでもう、永遠に一緒だよ。


私の中だけで

あなたが生きる

｢ばいばい｣

そんな言葉も口にせず

僕は出ていってしまったけど





僕はもう君のこといらないんだ


ごめんね

逃げてしまって




君に会うことは

もうないから




私の事はもう忘れてね


『さよなら』

手放した事を後悔して
いつかまた戻れるように

その手で撫でられるたび
嬉しそうに鳴く私を
忘れたりしないで

「おいで」って言ってよ
迷子になったまま
傷だらけのままじゃ
行き場なんて

見つからないまま
ふらふらしたまま

そんな私を
抱き上げて

「愛してるよ」
っていつものように
沢山可愛がって……