さぁや65・2018-11-02
お話しませんか?
冒険のその後
【冒険のその後三】
進む道先々で多くの人と出逢う
一人が嫌なわけではないけれど…
やっぱり私は人が好きで
お話してみたくなるのだ
それが私…
足を止めてくれる方へ
ちょっとでも、お話出来たら嬉しいな笑
まだまだ道のりは長い
のんびりやるとしましょう
【冒険のその後一】
とりあえず
今私は言葉の旅に出たいと思う
物語に刺激された私は
1人で歩いてみたくなった
立ち止まってはいられない
それが答えだと知ってしまったようだ
でも、振り返るのもありだ
だって、それは私の歩く道だから
道を作る私は、どこまでも自由に選択し移動できるのだ
【冒険のその後二】
どんどんと進先は暗闇…
それなのに足は前に前にと
駆け下りる
ワクワクとドキドキを胸に抱えて
恐怖心なんて感じずに
私は前へと行く
知ってるからだ
この先に『光』がある事が…
私は前に進んでいくと
いつか1人になる事を知っている
それでも前に進んでいく
光を求めて
いつか私が光になれるように
ずっと前を向いて
進んでいきたい
【冒険のその後四】
止まった宿に
あった木製の椅子は
私には大きくて座りずらい
次に止まった宿に
あった木製の椅子は
私には小さくて座りずらい
頭を抱えた私は
椅子に座ることを諦めた
そこから見える景色は
今まで知りえなかった景色だった
『見えない景色は、当たり前には知りえなかった』
私は何かを得て
宿を後にした
【冒険のその後完】
私は知らず知らずのうちに
果てが見える位置まで
来てしまったようだ
朝日の登る前の海は幻想的で
何もかも無に変えてしまう
音も香りも
自身の生きる意味さえも…
果てまで私は行かなくていいと思った
ここからでも光は見られる
ここから見る光はどんなに美しいだろう
冒険のその後
私は旅に出た
いつしかたくさんの学びと
たくさんの想いを手に入れていた
違う視点で自分を見ていた
きっと私は光にはなれない
けれど、
誰かの光で私は光る可能性をみた
だから私は人が好きなのだろう
それが分かると
いてもたってもいられなくなった
気がつくと
朝日は見え始め輝くその時を迎えていた
『ありがとう』
光が私に教えてくれたのは
感謝だった
隣りにいた影の君は、
微笑んですっと消えた
さぁ、帰ろう
『おはよう』
と伝えるために
【冒険のその後七】
「待っててくれてありがとう」
光に告げたが
君は何も答えなかった
それは光に映し出された影だったのだ
「まだ私は歩き続けるしかないんだね…」
君は何も答えなかった
それでも私の心は孤独ではなかった
君の影がそっと寄り添ってくれていた
それだけで十分心強かった
影の先に光がある
もうすぐそこに…
【冒険のその後五】
私が訪れた街には
怪しい光が溢れていた
急に不安になって
一人でいる自分を後悔し始めた
つい何時間か前まで一緒にいた友たちと
別れたのは自らの意思で
自らの選択で前に進んでいたはずだった
後戻りしたくても
歩んだ道のりが大きすぎて
身動きとれなかった
何をやってるのだろう……
悲しさと、寂しさと、安らぎを求める恋しさが胸に広がってきた
一人の老婆が
『この毒林檎を食べたら楽になれるぞ』
と美しいほど眩い林檎を私に手渡した
私は考えた
もうこんな気持ちから解放されたい
いや、死ぬのは嫌だ
いや、もういいじゃないか
…………
それからどれくらいそこで立ち止まっていただろうか
私はふと気がついた
まだ私はやれるんじゃないか……
考える思考は残っていた
不安はあるけれど
その中に生きたい!という想いがあるではないか
林檎をその場に置いて
思いっきり踏み潰した
不安だった自分の心が粉々に潰れた
さぁ、進もう
自分を奮い立たせた
【冒険のその後六】
気付けば
雨が降り出していた
びしょ濡れになって
足の進みを躊躇わせた
そこに
君がいた
ずっと私を待っていてくれていた
『光だった』