桜希・2024-07-18
前世の記憶の一部
病室だったかな。部屋の鏡を通り過ぎた時に見えた自分をよく覚えてる。
病衣を着てた
鏡に映った自分を見て、醜いなと思った。
自分を見てそう思ったのはよく覚えてる。
僕は、綺麗な顔をしてると思った。
今よりずっと髪の毛が長くて、身長は160はあった。
肌も今より白かった。
ひょろいっていうか、細いっていうか、、病人って感じ。
本当に今の僕と真逆。
空は好き、綺麗なものが好き。これは僕と同じ。
でも、虫の死骸をよく見てたのは、、ちょっとよく覚えてない。
だけど多分、羨ましかった。死んでるのが。
飛び降りをしてた。未遂をたくさん、自傷行為もたくさんしてた
「しぬしぬしぬ、生きてたって意味が無い」
未遂する時、必ず言ってたこと。
とにかく、死にたがりだった。
愛されてみたかった
誰かそばにいてほしかった。
病気じゃなければ多少は幸せだったはず。
生きてたって意味が無いなんて言わなかったはず。
孤独も、緩和されてたはず。
あの時、死ぬ時だけで良かった
手を握るだけで良かった
それだけで良かったのよ。
それだけで闘病生活も何もかも報われると思ったのよ。
辛かったことも、悲しかったことも、
全部。
浅く苦しい呼吸を一生懸命しながら、涙を流して考えたこと
それは、
「あぁ、もう死ぬんだ…」
怖くはなかった。
ずっと死にたかったから。
それと、
「独りはいやだ、誰か手を握って。最期まで独りはいやだ」
、、、願いは届かず。
ちょうど、涙が目尻を伝った時に、意識を失ったわ。
報われぬまま、息を引き取った。
どうか今世は、誰かが手を握ってくれますように。