#夏休みにやりたいこと

夜明けに掬った恋心

揺れながらも染め上げられて

心も大人になれたなら、

わがままな私も笑ってくれるかい

君と目が合う瞬間に僕の心臓の音楽は

速くなって、指先が触れた束の間には

何故か分からないけど嬉しい気がした

友達の下手な嘘より、

貴方の優しさを信じたくて。

7ー4

ハトと人は仲良しなんだよ

昔はハトの足に

手紙を結びつけて

家族に手紙を

送っていたんだよ

ボクがそう言ったら

なんかそれ

聞いたことがあるんだよ

たしか電子バトとか

言うんだよね

ハトはいつの間にか

ロボットになっていました

黙って花火になった君の罪を

綺麗な詩にしたくなかったよ

向日葵のように

貴方という太陽を

ただ見つめて枯れゆく

臆病な夏

7ー1

おやつのビスケットを

一枚手にして

小さく砕いて

公園のハトに

おすそ分けします

ポッポッと鳴きながら

ハトはビスケットを

つまんでいます

その姿を見て

ビスケットを

分けてあげて

良いことをしたなと

思いました

7ー7

どうせできないから

ボクと一緒に

ハトにエサやりすると

良いんだよ

ボクがそう言ったら

ハトも大事にしたら

ツルみたいに

恩返しをしてくれて

夏休みの宿題を

代わりにしてくれたら

良いのにな

キミは頭の後ろに

手を組んで

夏空を見上げています

7ー6

逆にボクは

何を研究するの

キミにたずねたら

そんなのコンビニの

全ての種類の

アイスを食べて

順位をつけるんだよ

アンタと違って

忙しいんだよ

そう言っているけど

多分おこづかいが

足りなかったから

自由研究はできなかったと

先生に言い訳する姿が

予想できます

7ー2

そこへキミがやってきて

何をしているの

ボクに声をかけます

お腹をすかせたハトに

おやつのビスケットを

分けてあげているんだよ

ボクが答えたら

アンタはいつも

アンパンマンみたいな

ことをしているよね

お腹をすかせて

泣いている人に

アンパンを

食べさせているから

同じなのかもしれません

でもアンパンではなくて

ビスケットだから

ビスケットパンマンだよ

キミはわざわざ

ビスケットの後ろに

パンをつけました

7ー5

毎日おやつをあげるの

キミの問いかけに

もちろん毎日あげるよ

そして何が

一番好きか観察して

夏休みの自由研究にするんだ

ボクがそう言ったら

そんなのおやつはみんな

おいしいんだよ

はじめから答えが

分かっていたら

研究じゃないんだよ

キミの言うことは

正しいと思ったけど

もしかしたらハトにも

嫌いな食べ物が

あるかもしれません

7ー3

でもなんでハトなの

他の鳥でも良いんだよ

スズメとかツバメとか

ダチョウとか

キミはボクにたずねます

スズメやツバメは

身近にいるけど

ダチョウは動物園でしか

見たことがありません

もしかしたら

キミの家の近所には

ダチョウがいるのでしょうか

誰かがさ『泣いていいよ』って

優しく寄り添ってくれるだろう

でもその優しさが僕には痛いや

灯りを失いゆく儚げな海

それは終わりなんかじゃない

夜のさざ波のような静かな恋の

始まりを告げていた。