#卓球部の王子様

あの日は雨が降っている日だった



学校から帰る直前先生が言った




｢明日から学級閉鎖になります｣と



正直泣きそうだった




だって


｢君に会えないじゃん｣








やっとまともに話せるようになったのに
笑い合えるようになったのに






それはないよ






















皆さんせーの


















ぶっコロナ(^^)

君とのやり取りは私の一方通行

君と話した



私がピン球をカゴに入れていると
隣に来て、靴を履きながら話してくれた





君から来てくれるなんて初めてだった


頭が真っ白になって話した内容は覚えていない




でも

嬉しかった








その日の帰り、顧問の話を聞くためにならんでいた




隣の男子が
｢お前、手ちっさw｣

そう言ってきた


｢黙れw｣

そう他愛のない会話をしていた






そんなことをしていると君が話に入ってきた

｢僕の手の方がちっさいですよーw｣
そう言った



隣の男子が
｢じゃあ比べよーぜ｣
そう言った




比べ終わり、隣の男子の手の方が大きかった




君は
｢くそーw｣
そう言った






そして





｢小さい同士比べてみません？｣

そう聞いてきた




悩んでいると
顧問が来た







あの時
｢はい｣
そう言っておけばよかった








なんか、最近後悔することばっかりだな…

明日からやっと部活に行ける

気になるあの人と話せたらいいな

勘違いしてる時が1番楽しい

君には好きな人がいる


叶わぬ恋とはわかっているけど


まだ好きでいていいですか？

“恋愛は好きになった方が負け“

ならば

君を惚れさせて引き分けにしてやる

君に好意を持ち始めたのは出会って間もない頃だった


正直一目惚れだったんだと思う


ただ部活が同じで同学年。


そんな接点しか無かった


そして１年経っても話せない君は雲の上の存在だった















2年生になり、後輩が入ってきてから歯車が回り始めた






後輩とはやくのうちに打ち解けた私は｢リーダー｣と呼ばれるようになった





君はそれに便乗して私のことを｢ボス｣と呼ぶようになった





どんな繋がり方でも君と話せればそれで良かった











しかしその時から歯車が回り始め、狂いはじめていた








席替えをし、そのこと仲のいい子が隣に来た


クラスも違うし、ろくに話せたこともなかったからその子に君のことをたくさん質問した











ふと、恋愛の話になった











｢あいつ好きな人おるらしいよ｣




そう言われた















｢はやかったな、私の恋が終わるの｣













最初から叶わぬ恋だとわかっていた



でも










少しは君に期待してたかったな＿＿＿。

卓球の大会があった



体育館の開館まで時間があったから友達と話していた



すると、君が隣に来た



君が来るだけでドキドキしてしまった


君を交えながらみんなで話しをしていた








君が移動しようとした時、かすかに手が触れた



｢ごめんなさい｣

そう君は言ってきたけど、私は何も言い返せなかった


頭の中は真っ白だった






変な風に思われちゃったかな…
















君が隣に来た時の気配

微かに香る君の匂い

触れた手の感触











諦めきれなくなっちゃったな＿＿。