#君のトリックスターに

ねぇ

僕だけを見てよ。


君の瞳はある時輝くんだ。


でも

その瞳に映っているのはアイツで

僕じゃない。


たとえ君の瞳に僕が映っても

それはただの友達としてだ。


あぁ

君という物語のエンドロールの

"最愛の人"に

僕の名前が書かれることは

この気持ちが枯れ果てるくらい

ありえないことなんだろうね。

今、君の瞳に

この光はどう映ってる？


光り輝いている？

逆に眩しすぎる？

暖かい色？冷たい色？


それとも

その目に光る水のせいで

ゆがんでるから

よく分からない？

僕の右手は

君と手を繋ぐために。


僕の左手は

君の涙を拭うために。


僕の胸は

君を受け止めるために。


なーんてね。

さぁ、僕の手を取って！

ｺｺ　　　　　　　　　
今から逃げだそう。



ﾄﾞｺ　　　　　　　　　
何処に行くのかって？

それは決まってないし、決めない。



決めたら

そこで立ち止まっちゃうでしょ？

だから何処までも進み続けよう。

大丈夫。僕がいる。



信じる、信じないは自由だ。



時には物語に突然出てくる不思議な人に

身を委ねるのもいいんじゃない？


僕の手を取ってくれる？


君の答えを聞かせて。

ねぇ、


"人間"という生き物を君はどう思う？


何故、

そんなことを聞くのかって？


それは

君の手が僕の手より

冷たいからさ

そこのお嬢さん。

月を見ながら祈るのもいいけど

星空を見ながら歌うのもいいですよ。

良かったら、僕と一緒に歌いませんか？

『ごめん』


「どうして謝るの？」


『君を傷つけた』


「あぁ....

傷ついてないと言ったら嘘になる。


でも、問題ないよ

僕の心なんて元から

傷まみれの欠陥品だ。


１つくらい増えたって何も変わらない」



『....でも　　　

傷がどんどん増えて

重なって

繋れば

大きな亀裂になる』



「......そう、だね」

おっと。

こんな時間に誰かと思ったら君か。

眠れないのかい？


怖い夢を見たのか。

こっちへおいで。



人の温もりや鼓動は落ち着くから

少しは安心して眠れるんじゃないかな。


僕の鼓動は君のように

綺麗な音じゃないけどね。

雑音が入ってる.......

まぁ、これも僕の音だ。



今日は僕もこのまま眠りにつこうかな。

久しぶりに深い眠りにつける気がする。

いつぶりかな......


ねぇ。お願いしてもいい？

朝、君が先に起きても

僕が起きるまで隣にいてほしいんだ。


僕もそうするから。


朝起きて隣に一番に見るのは

君がいい......


どれだけ幸せなんだろうね。

楽しみだ。


今まで誰もいなかったから...........

おや

いなくなった君を探してる人がいるよ。

それも何人も。

いいね

君は沢山の人に愛されてて。


僕とは大違いだ....



「その存在がどれだけ大切だったかは

失ってから気づく」

この言葉通りだ。


あの人達は君がいなくなって

やっと気づいた。



どうする？みんなのところに戻る？


僕のことなら大丈夫だよ

独りは慣れてるから。



本当に戻らなくていいの？

こんな愚か者と一緒にいたいなんて

君は物好きだね.....ありがとう。



さぁ、先へ進もう。

知っている人が誰一人いない

どこか遠くへ。

「どうして私を助けるのか」って？

逆にどうしてだと思う？


そんな難しい顔しないでよ。


まぁ、あれじゃない？

困ってたり悩んでる人を見ると

助けたくなるみたいな。


みんなそんなもんじゃない？


あとは

"君に助けてもらったから"かな。


人は自分が気づいていないところで

誰かを傷つけている。


でも、逆だってある。

君は覚えてないだろうけどね


随分、昔の話だ。

常に隣にいなくても

かけがえのないものだって

あるんだよ

正直に言うと

君の気持ちなんて分からないよ。


共感できても

完全に君がどう思ってるかなんて

分かるわけない。


だって僕は君じゃない。


でも、

知ってるよ。

君がどんな人間かってことは。

ねぇ、誰が

下を向いては俯いては

いけないって決めたの？



どうして

「前を見て上を見て進んでいこう」

なんて言えるんだろうね。


勿論、そう言う人は

前を向いてもらいたいんだろうけど

そう簡単に前を向けないよ。



君はよく

涙を流さないように上を見るけど

僕は下を向いてもいいと思うんだ。


だってさ、ほら。

君の足元に花が咲いているの

気づいていなかったでしょ。



前を向くのも大切だけど

下を見ることで

気づくことだってあるんだよ。



大丈夫。

もし

君が前を向こうとした時、

前を向くことが怖くなっても

僕が必ず君の目の前にいるよ。

だからゆっくり顔を上げて僕を見てね。

『世界には自分よりも辛い

思いをしている人が沢山いる』

そうだね。だけどさ


だからといって

その感情が消えることはないし

他と比べても

君が辛い思いをしていることに

変わりないでしょ？

僕たちは生まれたくて

生まれてきたわけじゃない。


"どこの家に生まれるか"

"どんな環境で育つか"


それは決めれない。


他と比べて

物事に対する考え方は変わると思う。


でも

その感情を比べても

その感情が消えることはないよ。

僕が君を救ったって？

それは違うんじゃないかな。



勿論。

今こうやって鳥かごの中から

飛び出せているのは

僕が手を差し伸べたからかもしれない。


でも、その手を取ると決めたのは

君自身だ。


僕は"きっかけ"を作ったにすぎない。

君自身で決めて、行動したからこそ

今の君があるんだ。


これからは何者にも囚われず

君が自分自身で決めて

行動するんだよ。


もし、また君が

何かに囚われそうになったら

僕が手を差し伸べるよ。