#囚われ

過去に囚われ

性別に囚われ

生死に囚われ


囚われ者の僕ら

誰にも縛られずに
美しい羽を切られる前に
自由に飛べよ

私のことを

“カワイソウ”

って言わないで

「過去の僕ら」に

縋りついていたのは

僕の方だったんだ。

季節外れの桜の香り

もう君の姿はないのに

あの日見た花びらの嵐に

僕は今も攫われている

まだこの世界は
『常識』に囚われすぎている

この世には数え切れない

ハッピーエンドがあるが

そればかりの人生なんて

筋書き通りの道なんだよ

届かない“愛”も“声”も

全て闇夜に消し去って

生きる意味に囚われて、
自分は価値なんてない。
そう思ってない?
疲れてない?
もしそうなら君にこの言葉をあげるよ。























何のために意味なんか求めるんだ？人生は願望だ、意味じゃない。

いつも 誰かが誰かに恋してる

僕も…

振り向いてもくれない君に恋してる

それでも 捨てられないの

哀しくて愛おしいこの想いを

あなたを
私のハートを奪った罪で、
逮捕します…。
終身刑で私の監獄に
囚われていてくださいね。

貴方との会話は
楽しくて

正直返事を待ってる
私がいる

それでも
一歩前に踏み出せないのは

どうせ貴方も
裏切るって離れるって

勝手に
思っているから

貴方にずっと囚われていたかった

小説























第4部



















振り向いた僕の前に立っていたのは

彼女だった


「ねぇ、君
何で1人で片付けしてるの？｣

彼女は不思議そうに尋ねる


「僕の立場のせいかな」

自然と口から出た言葉だった


「ふーん」

彼女は不服そうに頷く


「ところで君、朝私の事見たでしょ？」

いきなりの質問に驚いた

「み、見てない……よ？」

「嘘つき(笑)」

彼女は笑って答える


僕の気負ってた罪はそう重くないらしい























「一緒に帰ろうよ」

いきなりの事に2度驚かされる

「拒否権なし、じゃ、帰ろっか」

「え、えぇ……」

悪戯ににやけた彼女が

僕の手を引っ張り歩き出す


誰かとこうして下校するのは

いつぶりだろうか


彼女が口を開く

「君はさ“立場のせい”って言ってたけど
それってどういう事？」

「僕はレギュラー落ちしたんだ。
レギュラー入りした彼らからすれば
僕はただの落ちこぼれ、雑用だ」

「それって悔しくない？」

「もちろん悔しいよ」

仲良くもない相手に

僕は何ペラペラと喋っているのだろう


普段から話し慣れない僕は

何を発していいのかと言葉が籠もる

会話が続かない


僕とは打って変わって

彼女は淡々と言葉を発する


「じゃあ私の家、こっちだから」

こっちの方向は高級住宅街か

「うん、じゃあ」

「またね」


彼女の居なくなった僕の空間は

また沈黙に包まれた



















彼女の背中を見送りながら思い出す


同じクラスの女子が話しているのを

聞いたことがあった


「あの転校生の子
お父さんが社長なんだってー！」

「それでこっちに転校して来たの？」

「らしいねー」

「何でも、転校を繰り返してるみたい」

「だから社交的なのかもね」


そうか、それで……

同時に僕は彼女を羨ましく思った

転校を繰り返していれば人間関係に

深堀りする事も無さそうだし

親が社長と来れば、将来有望だろう

頭が良いのもきっと家庭教師が付いて

勉強を教えているのだろう


彼女の立場を羨ましいと思った



















彼女の全てを知るまでは＿
























第4部 終

僕は偽善者＿