#夜の散歩

半袖のシャツが肌寒くなってきた日に、

あなたに「会いませんか」と連絡する。

日も落ちきった公園で2人は集う。



酔ったように気まぐれに歩みを進める。

行き先も目的も誰も何も知らない。

十分に睡眠もとれてない不健康な2人。

噛み合わせる気もない支離滅裂な会話と

合の手のような笑い声が、

薄ら寒い紺色の空気に木霊する。



いつまでも手の届かない遠い存在は

いつも傍でニヒルに笑う。

半歩後ろから見るあなたはまるで、

ディスべーが泉で待ったピューラモス。

光を切り裂いた闇の具現。

幼い頃に抱いて眠った柔い毛布。



交わした杯の中身が無くなって

時計の針が夜に沈めば、

何時ぶりかの夕の散歩は幕を下ろす。



「さようなら、お元気で」と

あなたが言えば、

私の心は湖のように穏やかに安らぎ

同時に疼くような美しい興奮が胸を掻き

世界が閉ざされるような寂寥感と焦燥感に

思わず涙は溢れ出す。



「もう一杯分歩きませんか、
　この涙一杯分」



歩くあなたを引き留める下手な口実は

泡のように闇へ消えていった。

┿

昨日の散歩、すごい楽しかった。

気持ちを落ち着かせるのに

いい場所でさ。

着いてすぐの時はベンチ殴ったり

ちょっと暴れてたんだけど、

途中から自分でもわかるくらい

静かになってた。

夜は誰もいないから

散歩にピッタリだよ。

また行きたいな～。

暗い夜空

私一人の足音

虫の鳴き声

私一人取り残されたみたい

昨日は、夜歩きに行ったけど、2度だった！
風あったので、寒かったなあ

寝むれる夜に

一人家を散策する


夜らしさ満開で

輝き控えめの

ライトを持って


足音を立てないように

ゆっくりゆっくり

前に進む


廊下の窓のカーテンを

少し開けて夜を見る


静かに風が流れていて

そよそよと草花が会話する


月明かりに照らされて

雨上がりの水たまりが

キラキラと輝いて見える


いつもは見れない夜の風景

たまには夜中に起きてみるのも

いいのかもしれない


窓を少しだけ開けて

優しい風に髪が靡く


静かな夜の優しさに

初めて触れたこの日から

夜が大好きになった

私ね、貴方に貰った指輪を
広島城の木の下に埋めたんだ

お別れしても、並んで歩く
夜の散歩は
私には素敵だったから