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#女神のツバサ

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全60作品・


女神のツバサ
33/60

班のみんなに

笑顔は生み出せたものの

班をまとめられてはいない

課外活動でも

ボクの意見に

賛同出来ないと

女子たちは皆

勝手に行動していた

ボクは表面では

怒っていても

勝手に動いている

みんなのあとを

楽しんで追いかける

やはりボクは

人を引っ張るより

人に引っ張られることが

性に合っているようだ

それでもボクは

みんなが楽しんでいれば

中学生時代の

楽しい想い出になれば

それで満足だった

同じ夕焼けを・2024-02-22
女神のツバサ


女神のツバサ
34/60

ボクは学校の委員会活動を

任されている

一年生の時から任されている

その委員会はみんな仲が良くて

来年も立候補して

一緒に活動しようと

申し合わせていた

だから昨年とメンバーは同じ

その委員会はボクの班とは違い

まとめてくれるリーダーがいる

ボクはその生徒の指示に

従っていれば良かった

何も考えずに

過ごしてきたボクに

心地の良い環境

班をまとめる立場を離れ

くつろげる場所だった

同じ夕焼けを・2024-02-23
女神のツバサ


女神のツバサ
32/60

キミの笑顔を見たボクは

自然と顔が照れてしまう

多くの男子生徒の憧れを

欲しいままに手に入れる

そんな力を帯びたような

魅惑に満ちた笑顔

その笑顔は

完全に無敵だった

向けられた者は皆

意識を奪われるだろう

顔を赤らめて

全ての力を奪われて

ずっと眺めることしか

出来ないだろう

そしてボクも

その一人であることに

違いはなかった

同じ夕焼けを・2024-02-21
女神のツバサ

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に60作品あります

アプリでもっとみる


女神のツバサ
55/60

家に帰ってから

彼女の言葉を振り返った

キミはボクのことを

心配してくれていた

こんなボクのことを

心配してくれる人がいる

その人が学年の女神

そしてボクは道化師

分相応ではなかった

ボクは草の虫の歌を

聞きながら考えた

草の虫の歌は

ボクのこころを素直にした

キミはボクを異性として

見てくれている

今までもそんなことを

考えもしなかった

そう思わせたのは

キミが女神のように

多くの異性を憧れさせる

数多の魅力

それらが誰も近づくことを

躊躇させていた

そしてボクもその一人だった

同じ夕焼けを・2024-03-15
女神のツバサ


女神のツバサ
41/60

次の日から

キミに対するボクの意識は

大きく変わった

どうしてもキミに

視線が向けられてしまう

キミはいつもどおり

すました顔で

そこから感情は

読み取れない

彼女がキミのことを

ボクに話した

それを知っているのか

知っていたら

すましてはいられない

普通ならそうだ

けれどキミは自分の感情も

制することが出来るなら

ボクの変化を観察して

楽しんでいるとも考えられる

明白なのは

キミによってボクが

翻弄されていることだった

同じ夕焼けを・2024-03-01
女神のツバサ


女神のツバサ
57/60

キミとの出会い

それは中学一年生の

二学期のこと

ボクは夏休みボケがひどく

学校へも行きたくないと

思う日もあった

そんなある日

体育祭の練習で

初めてキミを見た

その時のボクは

キミを女神とは

見ていなかった

女神とさえ

思うこともなかった

華奢な体型で

愛らしい顔の

一人の女子生徒

一目で好きという

感情が芽生えた

夏休みボケは

一瞬で消え去った

でもその後

あまりにも多くの男子生徒が

キミに好意を寄せている

その事実を知った

感情を表に出さない

性格も影響して

いつしかキミは

女神のように

見られることとなった

同じ夕焼けを・2024-03-17
女神のツバサ


女神のツバサ
47/60

先生はお説教を終え

教室を出て行く

ボクはやっと解放されたと

机に突っ伏す

1分間ほどして

背伸びしながら席を立つ

ふと横を見ると

キミはボクを眺めている

その表情は

いつもと変わりはない

心配させなくて良かった

安心感と同時に

ボクの説教に

付き合ってくれたみたいで

申し訳ないような

ありがたいような気持ちが

ボクの胸を満たす

だからボクは

ついついと

キミの元へ歩み寄り

ポンポンと軽く2回

キミの頭をを叩いて

教室から出ていった

その行動には

先ほどのボクの気持ちが

込められている

そんなことに

キミが気づくとは

思えないけど

ボクは気になって

教室を出る前に

キミを振り返った

その表情には

少しばかりの怒気が

含まれていた

同じ夕焼けを・2024-03-07
女神のツバサ


女神のツバサ
56/60

キミが好きだ

今までこの気持ちを

閉じ込めていた

そしてその理由を

キミの魅力のせいにしていた

キミが女神だから

近づくことは畏れ多い

キミに相応しい人間に

成長するまでは

声をかけることもならない

ボクそして多くの男子生徒が

そう考えていた

でもキミの本心は違う

女神ではなく

一人の女子の同級生として

見てほしかったはずだ

そう思わせた出来事

それはキミとの出会いだった

同じ夕焼けを・2024-03-17
女神のツバサ


女神のツバサ
50/60

学校の帰り道

キミのことを考える

教室に戻った時

キミに頭を叩いたことを

謝っていれば

どうなっていたのか

全く想像がつかない

キミの口から

もういいよという

許しを与える言葉

気にしてないよという

気遣いの言葉

ひどいという

非難する言葉

どの言葉をも

キミから発せられるとは

考えられなかった

そしてボクは

キミに謝るのは違うと

考えていた

ボクは中学生

感情の裏表を巧みに操って

争いを避ける大人ではない

大人のように血の通わない

人間関係など望みはしない

だからこそ

あのような馴れ馴れしい

行動であっても

若い血潮が言葉をも超えて

感情を届けられる

そう信じていたから

同じ夕焼けを・2024-03-10
女神のツバサ


女神のツバサ
39/60

ボクは家に帰ってから

ようやく気がついた

彼女が伝えたかったことに

彼女はキミの

ボクに対する気持ちを

伝えていたのだ

そのために

委員会室で

二人になる時間を

作り出したのだ

こんな大事なことに

気づかない自分が

恥ずかしかった

それでもまだ

分からないことがある

キミはボクの行動に

好意を持ってくれている

ではボクという

一人の異性に対しての

好意はあるのだろうか

彼女に聞いてみたいけど

この先は親友でも

言えないだろう

同じ夕焼けを・2024-02-28
女神のツバサ


女神のツバサ
43/60

梅雨に入ると

毎日のように

雨が降っていた

雨でないとしても

空一面が分厚い暗雲に

覆いつくされていた

地味な性格のボクに

梅雨空は似合っているので

嫌な気はしなかった

ただこのところ

班のみんなを

笑わせられなくなっていた

笑ってもらっても

クスッという冷たい笑い

キミに関しては

笑ってさえいなかった

ボクは自然な会話から

笑いにつなげていなかった

なんとか笑わせようと

どこか無理のある行動だった

だから飽きられてしまった

それではこの先

どうやって笑わせれば

良いのだろうか

答えは出なかった

もう梅雨空のせいにして

自分を落ち着かせた

でもそれは

梅雨空のような性格の

自分を責めていることでもある

同じ夕焼けを・2024-03-03
女神のツバサ


女神のツバサ
40/60

キミがボクという人間に

好意を寄せる

よく考えると

ボクの思い上がりだ

キミは女神のように

異性を惹きつける魅力を

持て余すほどに備えている

そんなキミがボクのような

ひいき目でも平凡な

中学生男子に

好意を持つなどあり得ない

ボクはただ

女神を楽しませるための

道下師にすぎない

それはボクが

キミをはじめ班のみんなに

楽しく過ごして欲しいから

自分の意思でとっている行動

むしろ道下師として

讃えてもらえるなら

願いどおりだった

それ以上をキミに望むのは

とんでもなく

厚かましい欲望だ

同じ夕焼けを・2024-02-29
女神のツバサ


女神のツバサ
51/60

あと3日で夏休み

夏なのに青春という

言葉がピッタリと

当てはまる季節

なんだか不思議な感じだ

その3日間は

毎日午後に雷が鳴り

土砂降りの夕立ちが降った

夏休みに入り

梅雨は消えるように去った

ギラギラした日射しが

毎日のように照りつけた

夏休みの間は班のみんなを

笑わせる使命も

休みに入った

梅雨以降は

笑わせることに苦労した

でも笑わせることを

決して止めなかった自分を

本当によくやったと

労っていた

同じ夕焼けを・2024-03-11
女神のツバサ


女神のツバサ
38/60

彼女から話を聞いている間

ボクの頬が

赤くなりそうになって

懸命にこらえていた

ボクは班のみんなを

楽しませている

ボクが目指していたことが

実践出来ていたことに

充実した気分になった

これからもみんなの

そしてキミの

期待に応えないとならない

使命感で苦しくなる

でもどうせなら

楽しんでその使命に

立ち向かおうと

そう考えた

たとえ失敗しても

何も問題はない

ただボクが

恥をかくだけだから

同じ夕焼けを・2024-02-27
女神のツバサ


女神のツバサ
60/60

軽快な音楽が

空へ高らかに鳴り響くと

フォークダンスが始まる

同時にボクの作戦も始まった

もはやボクは

パートナーを見ていない

キミの背中だけ見ている

絶対に成功させる

強い意志を持って臨む

パートナーが代わるたび

キミが近づく

もう少しで

あと一人で

キミがパートナーになる

そしてその時は来た

キミは手を構える

ボクはキミの手をとる前に

キミの頭を2回軽く叩く

あの日キミにボクがしたように

そして手を握る

キミの表情を伺うと

ボクのことを

睨んでいた

でもその表情に

怒りという感情はない

一人の女子生徒として

接してもらった喜びが

キミの目から伝わってきた

そしてキミはボクの手を

力いっぱい握り返した

これがキミからの返事

ずっと手を握っていて欲しい

ボクはそう受け止めた

例えキミが否定しても

ボクの考えを

変えることはしない

そしてパートナー交代の前

お互いに見つめ合う場面

キミに微笑んでみた

キミは頬を染めて

頬笑んで返した

色白の顔が

秋の夕焼けのように

染まっていた

その表情を見て

ボクは確信した

今キミの背中から

女神のツバサが空へ飛び立った

そしてキミは

普通の女子生徒に戻った

来週学校で

キミに声をかけてみよう

話したいことはたくさんある

何て声をかけようか

やっぱりこれだ

キミの照れた顔可愛かったよ

同じ夕焼けを・1日前
女神のツバサ

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