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『Spread_Youth』
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第一話
“17時、駅前の喫茶店でお茶しない?”
ぴろん、と机に置かれたスマホから
一通の着信音が鳴って表示された一文
授業終わりの静かなホームルームで
急に鳴りだした通知に少し驚いた
私は、生まれつきの持病のことで
毎週月曜日の放課後に
カウンセリングを受けている
時間までまだ余裕があったから
明日の課題でもして待っていようかと
鞄から教材を机に出したときだった
動かしていた手が止まる
送り主はバイト先の同僚からだった
続けざまに送られてきた
うさぎのスタンプは
「よろしくお願いします」と
珍しく律儀にも頭を下げている
画面に表示されている時刻は
16時30分を映している
今からか、
なんて小さなため息をついて
カウンセリング室に向かい、
予約のキャンセルをしにいった
からん…
ガラス張りになっているドアを開ける
落ち着いた木製の内装に流れるオルゴール
天井に取り付けられた沢山の小さな電球が
モダンな雰囲気を出しているような気がした
最近できたばかりでテレビでも取り上げられ
話題となっているこの店は女子高生に人気だ
人が居る割にはどこか静かな雰囲気で
カフェとして心地のいい場所だと思えた
ここであってるよね、
メッセージと一緒に添付された
地図の画像を頼りにここに入った
「着いたよ、どこ?」
送信ボタンを押すと直ぐに既読がついて
"そこから右側向けば見えるよ"
と数秒もしないうちに返信が返ってくる
指示された通り右側を振り向けば
私服の同僚が手を振って席に座っていた
「涼真くんが呼び出すなんて珍しいね」
先程頼んだ
アイスレモンティー(新作)を一口含み
さっそく本題に差しかかった
「陽和ちゃんに相談したいことがあってさ」
「相談?」
「うん、お姉さんのことなんだけど」
「満莉ちゃんのこと?」
「そうそう」
中央高校の涼真くんは
お姉ちゃんの話を持ち出してきた
私のお姉ちゃんは
あまり授業に出てなかったから
ここで、話が出てきて少し驚いたが
それよりも驚いたのは彼の次の言葉で
「実はさ、俺、好きみたいなんだ」
続く
--------キリトリ線--------
こんにちは麗儚です
このたびは『Spread_Youth』を
読んで頂きありがとうございます
かなり話の展開が早いと思いますが
こちらは『Innocent_Youth』の
続編となっておりますので
そちらも合わせて読んで頂けると
分かりやすくなると思います
タグの2個目から飛べます!
今回は各投稿ごとに
あとがきてきなものと登場人物紹介を
書こうと思ってます
投稿は不定期です
途中で中断する場合もあります
気まぐれに読んで頂けると嬉しいです
- ̗̀⚠︎注意⚠︎ ̖́-
誤字脱字あるかもしれません
何かアドバイスがあったら
お気軽に教えてください🙇♀️
感想だと尚更嬉しいです( ˶'-'˶)
登場人物
小鳥遊陽和(この話の主人公)
▶︎ ごく普通な高校3年生
▶︎ 生まれつきの持病がある
▶︎ 姉がいる
九条涼真
▶︎ 陽和のバ先の同僚(同級生)
▶︎ 律儀な一面がある
琴宮満莉
▶︎ 陽和の姉
▶︎ 合格点ギリギリで受かった頑張り屋の大学生
次回は涼真sideで進める予定です
ではまた