はじめる

#小説

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全13460作品・

小説







暗い部屋に2人


2分間の沈黙が続く








ベランダで


煙草を吸う


彼の目に僕は


全く映っていない







彼が放った


鋭い言葉は


僕の胸の奥へと


深く突き刺さった








明るい雰囲気が


暗い雰囲気へと


変わったのは


僕のせいだろう。








_別れる時どうする?


僕がそう問いかけた時


彼は冷めた目を向け


僕へこう言った










_別れる時にサヨナラ


なんて言わない


でも、もし俺とお前が


別れたら、その時は


もう2人きりでは話さない










_それがいいね



震える声を隠しながら


必死に涙を堪える










違う、違う、



僕が欲しいのは



そんな言葉じゃない













唇を無意識に



噛んでいたせいか



唇から赤い液が零れ落ちる













少しでも、嘘でもいいから



そんな時は来ないと



唇に紡がせて欲しかった










別れる時のことを


彼がそこまで想定


しているなんて


思いもしなかった









僕にとって初めての男の


恋人は彼ではない


それに対し


彼は僕が初めてだ









漠然と積もる不安は


次第に僕の心を弱らせる。











_どうしたんだよ



_え…あ、



彼の滑らかな指が


僕の頬を撫でる









_どっか痛い?


_んーん…っ…



僕が首を振ると


彼は心配そうに


見つめる











_大丈夫だよ、きっと



_まだ別れる日なんて来ないから












彼から紡がれる言葉は



僕が望んでいた言葉に



限りなく近く



限りなく遠い










まだ、なんて副詞は



必要無いのに












背中に回される


腕に温もりを


感じながら


僕は腕を回し返した











もし、別れる日が



来るのなら


彼への愛しさも


彼への憎しみも









全てを彼にぶつけて捨てて



綺麗な彼を僕が穢して



彼の元からも世界からも



姿を消そう










彼の傍に居た痕跡なんて



残さぬ様に彼から去ろう











零れ落ちた涙は


夜に滲んだ




END

柊弥・14時間前
小説
独り言
心の隙間
暗い部屋の片隅で





それはただの

〝哀しき〟愛情。























『もうころしてくれ』

NO














『ころせ』

NO












『ころせ』

NO













『それでも生きよというのか』

YES















「吾輩は猫である」より

#ほころびの庭














私は猫である。
名前はもうない

生きているかも見失うような
暗い狭い箱に捨てられた捨て猫である。


「ママ、あそこ見てほら」

「しっダメよ指さしちゃ?」

すれ違う人も追い越す人も
誰も私に足を止めることはない。

時折こちらを見ては

「汚、目合った最悪」

「誰だよあんなとこに子供置いたやつ」

そう呟いて
振り返り帰って行く。


私は誰にも拾われない。
拾われても困るが、


帰る場所がないということは

家がないということは

少しばかり寒いのだ。

そして私は
冷えた胸の内に手を置き
そっと眠りについた。











しかし、目が覚めると
そこは知らない場所だった。

白い壁に大きな部屋

ふかふかのベッドは私のものではない。



ここは天国か?




誰かが私を拾ったのか

いや、誘拐されたのだろうか

それとも
私はもう死んだのか。


すると、ガチャと正面の大きな扉が開いた

「起きたのかい?」

人あたりの良さそうな人間が出てきた。
この屋敷の主か?

背丈は私よりも高い。


ぴょんと跳ねた寝癖のついた男は
少し頼りなさそうで
だが、とても穏やかだった。
眼鏡で隠れているけれど
その人間の瞳は
薄い緑色で、とても綺麗だった。

その人間の
太陽の匂いは
私を懐柔しようとする。


「そんなに警戒しないで笑」

「とって食ったりなんてしないよ」


私はその人間を見上げた。


「君、名前はなんて言うの?」


私には名前がない。


「君、っていうのもあれだし
勝手に付けちゃっていいかい?」


名前など呼ばなくてもいいだろう。
そう思ったが
私は何も口にしなかった。

「君の髪は綺麗なブロンドだね。
金ちゃんとか?」

と、真面目な顔をしていうその酷いネーミングセンスに


「いいわけない!」


と少し大きな声を出してしまった。


「えぇ〜いいと思ったのになぁ」

馬鹿なのだろうか。

はぁ、と私はため息をついた

すると男は私の頬を手で掬いあげた。

フワッ「君は綺麗な目をしてるね。
綺麗な碧目だ」


そして穏やかな表情で笑った。


「シアン、君は今日からシアンだ」


私はその男の笑顔に目が離せないまま


「さっきよりは、ましだ」

と口を開いた。

「じゃあ決まりだね」


と、そういった時


コンコン「柊真様、食事の用意が出来ましたよ」

と、ガチャりと扉を開け
年老いた男が入ってきた。

「すぐ行くよ」


「柊真様、そちらは…」


「拾ったんだ」


「拾った?」


「そう、道端の箱の中に居たからね」


「またそのようなことを…」


「シアンだよ、田中」


「はぁ」

その男は一息ついて

「よろしくお願いします。
わたくしは執事の田中と申します」

と、私に丁寧に頭を下げた。


「で、僕は不知火 柊真。
とうまって呼んでいいよ」


しらぬい、とーま?


「ひつじと、とーま?」


「えぇと、わたくしは執事の田中でございます」


「ひつじのたなか」


「まぁ、それでよろしいですよ
不本意ですが」


「あ、そうだ田中。
食事の前に昔買ったけど着なかった服があると思うんだけど、どこにある?」


「一階の奥の部屋の棚に一式置いているかと」


「ありがとう、ちょっと待ってて」

そう言うととーまは部屋を後にした。


残された私とひつじは

無言のまま互いに沈黙を貫いた。


だがしばらくして、
ひつじが口を開いた。


「シアン様は、何歳でいらっしゃいますか?」


私の、歳か?


「恐らく、15か4か6、だと思う」


「幅の広いお歳ですね」


「ああ」

と、私は直ぐに会話を切ったが

「柊真様はお優しいでしょう」

ひつじはまた口を開いた。

「確かにとーまは優しいのだろう。
私を拾った上に
私に名前をくれた。」


「そうでしょう。だから貴方は」

言いたいことは分かる。

私はひつじを遮って言った。

「分かっている。私は私を特別だなんて思ってない。
勘違いはしてない。
この屋敷の仲間入りしたなんて思ってもいない
だからいづれちゃんとここを出ていく
少しだけ私が居ることを許してくれ」


わかっている。
これは特別ではない
とーまの気まぐれだろう。

優しさ故の、な


「…ふふ」

するとひつじは不敵に笑った。

「何が可笑しい」


「大変可笑しいです
貴方様は特別ですよ
ちゃんとこの屋敷の仲間です
わたくしと柊真様しかいなかったお屋敷に
貴方様が来てくれた
わたくしは嬉しいのです」

嬉しい?何故だ

「迷惑では無いのか?」


「どうしてですか?
美少年バンザイですよ」


コンコン「それは思春期の男の子にはセクハラに当たるんじゃない?ひつじさん」


「柊真様、遅かったですね」


「ああ、あまりに新品が多すぎて選ぶのに時間がかかったんだ」


そう言いながらとーまは

私に〝服〟を差し出した。


「これ」


「君にあげるよシアン。服がないと不便だからね」


「ねこ」


「え、あ、嫌だった?
別の柄がいい?」


「違う、ただ…」


「ただ?」


「私は他人からものをもらったことがない」

だからどうしたらいいのか分からないのだ。

無条件に奪われることはあっても
与えられることは無かった。


すると、目元がじんと熱くなった。

「なんだこれは」


「シアンは嬉しいんだよ」


「嬉しい?」


「僕からこの服を貰ってどう思った?」


「む、むねがあたたかくなっ、た」


フワッ「それが嬉しいってことだよ」


あ、まただ。

とーまはまた
先程よりも穏やかな顔で

今度は私を抱きしめて笑った。


サラッ「目、すごい」

私は無意識にとーまの前髪をすくい上げた。


「っ、ごめん」

するととーまは謝った。


「なぜだ?」


「え?」


「こんなにも綺麗なのに」

私はそう言って
とーまの目を見た。

「ほ、ほんとうに?」


「なぜ嘘をつく?」


「そっか。」


すると手をひらひらとして
とーまはひつじを部屋から出した。

そして口を開いた
「僕はね、普通の人と違うんだ。
普通日本人は黒髪黒目のはずなのに
僕はなぜか、薄い茶髪に緑色の目。
それがね、ずっとコンプレックスなんだ
他の人からは気持ち悪いって言われたり
おかしいって笑われたり
だから眼鏡で目を隠してる」

と、とーまは語った。


私はとーまを笑ったヤツらを
心底馬鹿だと思う。

「馬鹿だな、そいつらは
こんなに綺麗なのに。
安心しろ。お前は綺麗だ」


そう言うととーまは
また私を強く抱きしめた。

「でも、僕の本当の姿を知ったら
きっとシアンも僕を気持ち悪がるよ。」


「私をお前が決めるな。
私は私の思った通りにしか生きない
そう決めている」


フッ「君は本当に格好いいね」

「僕はね、男が好きなんだ。」


「そうか。」

私はじっととーまを見つめた。

「悪いがそれは
お前を気持ち悪がる理由ではない」

「むしろ尊敬に値する
私には人を好きという感情が分からないからな」


すると、そっと私の唇に

とーまは自分の唇を合わせた。


「これはなんだ」


「キスだよ。愛しいと思った人にするんだ」


「そうか。じゃあお前は私を嫌いじゃないのだな」


「そこ?」


「…?」


「まぁいいや、じゃあご飯食べに行こうか。
そろそろ田中に怒られちゃう」


そう言って私はとーまに手を引かれた。

着いた先は
さっきの部屋よりも少し大きな
長いテーブルの置かれた場所。


「ここに座って」


私はとーまが引いた椅子に座った。


だがしかし問題があった。

私は目の前に並ぶ2本の棒を
とーまに差し出した。

「これはどうやって使えばいい」

するととーまとひつじは目を合わせた。

「シアン、手を貸して」

そう言って私の手を握った。

「こうやって掴んで食べるんだ」


「これは、私が食べてもいいものか?」


「え?」


「私はこんなに美味そうなものを今までで見たことがない。
私が食べてもいいのか?」


そしてなぜだか
泣きそうな顔をしてとーまは


「いいよ、全部食べて。
分からないことがあったら僕に聞いて
何もかも全部教えてあげるから。」


そして、私たちは
時間を共に重ねた。









その時間は何一つ

無駄なことはなかった。


私はとーまに
たくさんのことを教わった。


もちろん、箸の使い方も


誰かに何かを与えられることが
嬉しいということも


何かに傷つくとそれは痛いということも


人に笑われるのは少し悲しいということも


また人を愛することは
出会うことよりも難しいということ


そして私は

生きていてもいいということ。









しかし、ある日

いつも目覚めたら隣にいるはずのとーまは

今日はいなかった。


「ひつじ」


「はい?」


「とーまはどこ?」


「ああ、えぇと」

ひつじは少し困った顔をした。

「柊真様は早朝から少しお出かけに…」


「そうか。」

私はこんなにも弱かっただろうか。

隣にとーまがいないだけで

胸が苦しくなってしまう。


「ひつじ、今日のご飯は美味しくない」

いつもとーまと食べているからか
味が全然しない。




ガタン




「あ、柊真様がお戻りになりましたよ」


「おかえり、とー…ま」

私はそういいかけたが、

「ああ」

冷たく濁るとーまの表情を見て

言葉が詰まってしまった。


そしてとーまは
一人部屋に戻って行った。

「ひつじ、今日は何かあるのか?」

ひつじは少し黙った

「今日は柊真様のご両親の
命日でございます…」

そして、小さな声で
そういった。

「命日とはなんだ」


「要するに、お亡くなりになった日、ということです」


「とーまの親が?」


ひつじは分かりやすく説明をしてくれた。


とーまが親に男が好きだと打ち明け

それに対して怒りを買った父親母親共に家を飛び出し

車で別荘まで向かったと。

だがその時、対向車線を走る車と衝突し

即死。

とーまは自分のせいだと

8年間自分を責め続けている。


確か少し前

とーまは私に聞いた。


『僕は生きてていいのかな』


『何を言っている』


『いや、少しね』


『お前が生きていないと
私は一人になってしまう』


『だけど僕は
ひとごろしだから』


ひとごろしとは
そういう意味だったのか。


私は部屋に向かった。


ガチャ

「っ今は来ないで」

するととーまは言った

だが、私はお構い無しに
部屋に入った。

そしてとーまを抱きしめた

いつか、こいつが私にしたみたいに


「お前はひとごろしではない」


「田中から聞いたの?」


「勝手にすまない」


「…」


「…私を蔑み笑いすれ違った人間は体ではなく心を傷つける」

「なぜだかわかるか?」


「…」

とーまは首を横に振った。


「それが罪だと知っているからだ。
だから体ではなく心を傷つける」

「なぜならそれは見えないからだ
証拠がなければ人は罰せられない。」

「だけどお前はそうじゃない。あんな奴らとおなじじゃない。
罪を背負わない人よりも
罪を背負う人の方が実際は正義だったりするのだ。」


とーまは静かに涙を流していた。


「教えてくれ」

「お前の涙を見ると私も泣きたくなる。
お前が笑うと私の胸は痛くなる
この感情はなんというのだ」


「それが、愛だよ」

とーまは涙を拭いて私に笑った。

「そうか、これが愛か…」


「ねぇ、シアンも話してよ」

「僕も君が知りたいんだ」

とーまはそういった。


だから私は話した、


「私には親がいない。

代わりに知らない大人に育てられた。

奴らは私をペットだと思っていた

そして私を灰皿のように扱い

殴り、私を嫌った

私も嫌いだった。何者にもなれない自分が。

だから私は私を捨てたのだ。」


『失敗作め!!』

『この、ゴミ!』

『お前なんか誰も要らねぇんだよ』



















私は汚い。


私は可笑しい。


捨ててしまおう。こんな〝もの〟は
















そして私はお前に拾われた。




















「シアン」


「なんだ」


「愛してる」


「これを愛と呼ぶなら
きっと私もお前を愛している」


「こっち来て」


「だ、だめだ。
私の体は汚い
傷跡だらけなんだ」


「大丈夫。シアンは綺麗だから」


そしてとーまは
私の服を脱がせた。











愛してるよ



















「とーま、」


「ん?」


「この家は大きい
なのに庭には何も無い」


「じゃあ今度花を植えよう
一緒に」


「分かった」










































私は人である。
名前はシアン




ほころびの庭で
私たちは死んでゆこう。
長い年月を掛けて
罪深き二人よ____

︎︎水都 黒髪。_テスト・2日前
ほころびの庭
良ければ感想下さい
穏やかな創作BL
小説
短編小説
秘密の愛言葉
黒髪世界
村人Aにも花束を。













《振り絞った勇気》












地元はあまり好きじゃなかった。

彼女のことを思い出すからだ。

さっさと上京して

地元を出たのも

辛い思い出から逃げたい、

そんな一心だった。





1度も帰らなかったが

今年の7月、故郷の地を踏んだ。

線香をあげるために。










話は、高校生時代に遡る。



当時俺は、高校2年生だった。

初めて彼女に出会った時

1つ年上なのに

小柄で、無邪気な笑顔が眩しくて

1年生かと思ったことを覚えている。



そんな彼女は

あんなに明るい人なのに

学校ではいつも一人でいる。

登校日が日が経つにつれて減る。

噂によると

俺の前では見せないような

暗い顔をしている時もあったらしい。




何故なのか

聞きたいことを、そっと

俺は胸の奥に閉まっておいた。




いつか話してくれるだろうと信じて。










帰り道



突然、彼女がこう言った。

「この世の中さ、

誹謗中傷とか無くならないよね。」


顔は髪で隠れて見えなかった。


「ああ、そうだな、、。」


彼女がこんな事を言うのは珍しく

とっさの事で、これしか返せなかった。





ずっとそばにいる、助ける等は

伝わっていると思っていた。

一応、彼氏だったからね。






この遠回しで無責任のような発言で

俺は後悔することになる。











数日後



彼女が自らこの世を去った。

俺は愕然とした。

同時に、多くの感情が込み上げてきた。



どうしてこうなった。

何故守れなかったんだ。

彼女の中で何が起きていたんだ。



俺は考え、苦しみながら

嗚咽を吐いた。

彼女の父親は、俺を見て言った。

「この子は君と出会えて

幸せだと言っていたよ。」 と。




本当にそうだったのか?

俺は彼女を救えなかったんだぞ?

俺が殺したも同然なんじゃないか?

そう思うと

向き合う力が出ず

俺は逃げるようにして地元を出た。





そして今(文の冒頭)に至る。

彼女の家に着いた時

あるものを渡された。



それは可愛らしい封筒。

彼女が俺に残した手紙だった。



手紙には

彼女自身がこれまでに受けた

誹謗中傷やいじめ、

家族や俺への感謝が書かれていた。


封筒の中をよく見ると

俺がずっと訪ねなかったせいか

少し枯れてしまった

白いアザレアが1輪入っていた。





あの帰り道、一瞬でも

打ち明けようとしてくれたのだろうか。

どんな顔をしていたんだろうか。

彼女のほんの小さな勇気を

俺は無駄にしてしまった。



感謝するのは俺の方だ。

涙も笑顔も君がくれたんだ。

こんな俺と一緒に

過ごしてくれてありがとう。




滲んだ視界で天を仰ぎ

俺はこう強く願った。


彼女と同じ

苦しく自ら命を絶つ人が

なくなりますように、と。 ー終ー







白いアザレアの花言葉

「あなたに愛されて幸せ」

「充足」






あとがき


今回は、何故かなくならない

誹謗中傷やいじめを題材にしました。

小説についてはフィクションです。


意見のすれ違いを

経験したことありませんか?

ネット上は文字だけであり

すれ違いが起きやすい場です。

ましてや、直接話していても起こります。

そこから、偏見や感情が入り交じり

酷くなるといじめへと繋がる

僕はそう思っています。



友達、家族、恋人など

支えてくれた方の関係を

大切にしてください。

崩れた関係は1度も戻りません。

経験者は語ります、笑



すれ違いを、どう対処するのか。

この問いに対する

答えは1つなのでしょうか。



最後に

ここまで読んでくださり

ありがとうございます。

残した手紙の内容や

主人公達の生活背景などは

皆様の想像におまかせします。

感想、よければ贈り物で

置いてってくださると幸いです。

溪 理人・3日前
振り絞った勇気
以前作成した小説のリメイク版
最後までみてね
小説
__✐.

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に13460作品あります

アプリでもっとみる

僕達はずっと星空を見ていた

自分とは対照的だと理解していたから









ガサガサ


草を踏むあいつの足音で


寝転がっていて少し汚れた制服をはらいながら


起き上がる





『ただいま』


「おかえり」



ここが家なわけではない


そしてコイツが家族なわけでもない





ただ、ここがお互いの居場所であることは


紛れもない事実だった






『あ、一番星だよ』


まだ空は明るい


一番星何てものも空の明るさに負けて


存在感なんて無いも同然





それに気付くコイツに


どこか惹かれる





「毎日それ言ってるよな」



『ふふ…』



『それより、君、また殴られたの?』



ここ何て自分の頬に指差しながら


何故か僕より痛そうな顔をしていた





「なんでお前の方が痛そうな顔してんの」



『君がどこまでも感情出さないから


代わりに私が出してあげてるんじゃん』



「誰も頼んでないけどな」



『またまたあー』



そうやって空を見上げるコイツは


どこまでも輝いていた





僕が親から暴力を受けている時


コイツは多くの人間から必要とされる




どこまでも僕とは対照的だった



『ふふ…


君は私とは違ってちゃんとかっこいいよ』




最近のコイツは僕の心の中の全てが


見えているようだ




「ちゃんとってなんだよ」




『そんな事どうでもいいでしょ


ところで君、いつになったら


名前教えてくれるの』





「教えないよ、絶対


て、いうかお前も教えてくれてないだろ」




『ふふっ…


私の名前はね私には似合わないんだ』




誰かの声と重なる


コイツの声が遠のいていく


目の前がモヤモヤして



また芝生の上に寝転がって目を瞑った




両目から両耳の方へ水が伝うのが分かった



『ねえ、君』


「空っ!!!」



大きな声で叫んで


凄い勢いで起き上がって声の主を探す




『空はもういないのよ』



そう言うあいつの母親は


一瞬同情の目をこちらへ向けたが


すぐに笑顔になって



『もう遅いから帰ろう』




そう言われてもう辺りは真っ暗で


星の光が僕を照らしている事に気付いた








あいつは去年の夏


この世を去った


あいつらしい最後だった




ボールを追いかけ交差点へ走る小さな子を


庇うように





交通事故だった







『私の名前はね』



座り込んでいる僕の斜め前に立って


空を見上げるあいつの背中を思い出す





『私の名前はね私には似合わないんだ』



黙ってその小さな背中を見守っていた



『空ってさ


どこまでも広いでしょ



もう自分たちには見渡せない程に』





「そうだね」




『それにさ綺麗じゃん


いくら雲がかかろうが


雨が降っていようが


雷がなろうが』





「そうだね」





『変わらない自分があるんだよ空には』





「うん」





『私はね嘘つきなんだよ


皆にいい顔して本当は思ってない事だって


言えちゃうし、皆の求めてる自分を演じれる』





「…」


何て言えばいいのか分からなかった





『ね?似合わないでしょ』




「僕の名前、星って言うんだ」



『え?』




「一番星って一番光ってる星でしょ


でもさ、まだ空が明るければ


あるかないかすら分からないじゃん



圧倒的存在感のある空が、暗くならないと


脇役の星なんて輝かないんだなあって」





そこが僕と重なって思えて


でも逆にどう足掻いても輝けない僕とは対照的で




言葉に出来なかった







『星、素敵な名前だね』



「今の僕の話聞いてた?」




『君が嫌いなら私が好きになる


一番星だって誰も見つけられなくても


私がすぐに見つけるし、ね?』




「君はどこまでもかっこいいよ、空」







『いつまでも空のために涙を流してくれて


ありがとうね』




「空のお母さん


空に、素敵な名前をつけてくれて


ありがとうございます」







僕達はずっと星空を見ていた

自分とは対照的だと理解していたから

瀬音 蓮叶_タグ紹介・3日前
小説
君の愛で埋め尽くされて
タグお借りしました
ポエム
独り言
辛い
短編
秘密の愛言葉
好きな人
ありがとう
僕ら遊び遊ばせ、今夏
あの夏の幻夢

君がどんなに

優しさを込めたか分からない

『死なないで』っていう一言も

綺麗事、偽善だと感じてしまった。

瀬理 柊葉 /海凪・3日前
柊葉♕
世界
『死にたいって言ったなら』
今書いている小説
小説
優しさ
死なないで、という言葉が
綺麗事
偽善
自己嫌悪
独り言

『不死の貴方』












昨夜の雨は、どうやら春を連れて来たらしい。


障子を開け放つ。昨日までは感じられなかった春の気配がする。


陽射しがあたたかい。包み込むような陽気は、微睡みのような心地良さをくれる。


「いいお日和ですね」


布団で横になる貴方。話しかけると、やさしく微笑んでくださった。

今日は顔色がいい。どうやら病状も落ち着いているようだ

「お散歩に行きませんか?」

手を差し伸べると、貴方はゆっくりと身体を起こした。そして、心底幸せそうな顔で笑う

ねえ、と名前を呼ばれた。そっと頬に手を添えて、貴方は少し恥ずかしそうにしながら、私の額に口付ける






「桜は、いつになったら咲くんだろうね」














貴方が死んでしまったのは、


その日の夜のことだった。











奥方様がやって来た。私は何も言えなかった。


悪いのは全て私なのに。気づけなかった。ずっと一緒にいたのに。貴方には私しかいなかったのに


私は何も出来ない。ぎゅっと服の裾を握って、永遠の眠りについた息子を確認する奥方様をただ見つめていた。


「奥方様、あの」


「この子は、死んでなどいません」


顔を上げる。奥方様は亡骸を前にしても、少しも取り乱していなかった


奥方様は何を仰っているのだろう。


貴方は確実に死んでしまった。私の腕の中で、か細く燃えていた命の炎は、確かに消えてしまったというのに


「この子の死を知っているのは、わたくしと貴方だけ。ならば隠し通せるでしょう」


「隠す、?」


「この子は生きている時も、この屋敷に閉じこもっていた。だから、死んだとしても誰も気づかないわ」


冷たくなった貴方へ視線を注ぐ。


もう貴方は、私の大好きな笑みを浮かべてはくれない。喋りかけても返事をしてくれない。手に触れても、握り返してくれない


物言わぬ骸。空っぽの亡骸

心優しい貴方の死を知るのは、私と奥方様だけ。私が喋らなければ、世界は貴方の死を知ることはない

知らなければ、存在しない。死を隠蔽すれば、貴方が死ぬことは永遠にないのだ



「貴方が、この子を生かすのです。この家のためにも、この子のためにも」




ああ、そっか

貴方はまだ、生きていらっしゃるのですね














「本日も、いいお日和ですね」


障子を開け放つ。薫風が、頬を擽った。


「桜は、いつになったら咲くのでしょうね」


茂った草木が、目に眩しい。焦がれ続けている桜色は、どこにも見当たらなかった

















『桜に紛れた貴方を探す』

舞雪・3日前
小説
前もこんなの書いてただろってツッコミは無しでおねしゃす
舞い落ちる雪のように
ポエム
創作






『天才って言葉は嫌いなんだ』




それが、君の口癖だった


























〈酸素などない〉




































『テスト返すぞー』




担任のその言葉に、教室中からブーイングが起こる。
生徒のそんな様子なんてお構い無しに担任はどんどん名前を呼んでいく。




『浦瀬は今回も一番だ。流石だな』




その言葉と共にテストを渡す先生。




『理人またかよ!』




『やっぱすげー』




『理人頭いいよね!!』




『流石だわ』




『どんだけ勉強したらそんなに点取れんだよ』




それに同調し口々に彼を褒めるクラスメイト。
羨ましい。凄い。流石。
そんな声が飛び交う。




『やっぱお前天才だな!』




その言葉に、彼は人当たりのいい顔で笑っていた。










































放課後屋上で空を眺める。
それが私の日課だ。




空を見ていると、全てを忘れられる。
私だけの特別な時間。
の、はずだった。




『天才天才ってなんなんだろーな』




「褒めてるんでしょ」




『嬉しくないわ』




「今日も作り笑顔だったね」




『バレてたのか』




「まぁ」




どうやって知ったのか、浦瀬君もここに来るようになっていた。
話をするというより、一方的に彼が話している感じだ。
私は聞き役。




今日はテストの愚痴らしい。
テストのあとは毎回毎回話している。








































『天才って言葉は嫌いなんだ』




いつしか彼がそう言っていたことがある。




『天才ってのは、元から才能がある人を指す言葉だろ』




『どんなにその人が努力してても、天才って一言で片付けられるんだ』




『それって理不尽だろ』




そういう彼の表情があまりに苦しげで切なげで。
ただ、そうだね。としか言えなかった。




































『天才って言葉は嫌いなんだ』




「そうだね」




『俺を理解してから言えよ』




「そうだね」




沈黙が二人の間を流れる。
空がゆっくりと頭上を流れて、雲が新しい雲を連れてきた。




穏やかで、それでいて気まずくない時間が私たちを包む。




『お前さ』




沈黙を破ったのは彼の方だった。
顔は空に向けたまま、意識だけを彼に向ける。
こちらを見たのが気配でわかった。




『何も言わねーのな。他の奴らと違って』




「なに。言って欲しいの?」




ちらりと視線を彼に向ける。
困惑したような、驚いたような。
そんな顔。




『いや。そうじゃねーけど』




「でしょ。だから言わない」




空に視線を戻した。




彼が望んでいるのは、賞賛でも礼讃でもない。
褒め言葉ではない何か。
それはわかる。




ただ、私はその言葉を知らない。
だから相槌を打つだけ。
他にどうしたらいいかなんて、分からないし。




「浦瀬くんはさ」




ごろりと屋上に寝そべった。
一面が青空になる。
雲は流れて何もなかった。




「頑張ってると思うよ」




「努力して努力して、みんなに認められるように頑張って」




「理不尽な期待にも耐えてる」




「それって十分凄いよ」




ま、私に言われても説得力ないだろーけどね。と付け足して、よっと起き上がった。




これも賞賛や礼讃に入るのだろうけど。
彼が嫌う彼を見ない第三者たちと違う、私の精一杯の本音。




『なに。馬鹿にしてんの?』




「まさか。精一杯の褒め言葉ですよ」




『ははっ。そりゃどーも』



そう言い浦瀬くんは笑った。
作り笑顔じゃない笑顔なんて久しぶりに見た気がする。




あぁ、そういやこの人、笑うと子供っぽくなるんだった。
唐突にそんなことを思いだして。
その顔に私も口元が緩むのを感じた。




『__』




彼がボソリと何かを呟いて。
また笑った。















































『浦瀬が自殺した』




翌朝のHR。
朝の騒がしさに包まれていた教室が、水を打ったように静まり返って。
教室の空気が一瞬にして重くなった。




『昨日の夜、自分の部屋で…』




『何か心当たりがある人は、先生の所まで来て欲しい』




その言葉と共に、少し遅れて教室が昨日とは別のどよめきに包まれる。




『…おい、まじかよ…』




『理人が自殺なんてありえねーよ』




『何か悩んでる様子あった?』




『もういや…理人が…なんで…』




『勉強も運動も出来て天才なのにさ』




動揺。喧騒。悲鳴。
騒ぎ出す男子。
泣き出す女子たち。
顔面蒼白の担任。




そんなざわめきの中で、私は一人窓の外を眺めていた。
うるさいくらいのざわめきも、私も耳の中には入ってこない。




彼の机の上に置かれた、花瓶に活けられた百合の花。
クラスの状況なんて知る由もなく、風に吹かれてゆらゆらと気持ちよさそうに揺れた。




『なんで』




『どうして』




『『あいつは天才なのに』』




浦瀬くん。




この世界は何も君のことを分かっていないね。
こんな時まで、君がどうして死んだのか分からないんだから。




聞こえてたよ。
君があの時呟いた言葉。




『ありがとな』




そう言ってたね。




それを聞いて何となく。
本当になんとなくだけど、こうなることは予想してたよ。
あの時の君の声があまりにも掠れてて、悲しげで、それでいて優しげだったから。




止めればよかったとは思わない。
きっと止めたって、君はこの選択をしただろうから。




君にとって、この世界は残酷すぎたね。




百合の花の花びらが、はらりと散って机に舞った。












「君の耳が覚える最後の言葉が、私でよかった」

榊 夜綴・3日前
題名が!!わからん!!!!(クソデカ大声)
題名迷いに迷ってこれです
内容と合ってるのかな((
自信はない(断言)
連日投稿すみません
小説
酸素などない
天才
綺麗事
自殺
別れ
世界
生きづらい
ポエム
独り言
秘密の愛言葉
NOTE15の日
まだ見ぬ世界の空の色は
村人Aにも花束を。
誰かのタグ借りたの久々な気がする
出来損ないの最大限
タグと合ってないけど許して((

たった一度の夢で

君を意識してしまいそうになる







恋の足音が聞こえた

音彩・10時間前
夢の中で自分は。
タグお借りしました
独り言
小説
30♛

《小説》

⚠︎注意・この小説はBL小説。
・後輩攻め 先輩受け
・地雷の方は防衛よろ


































〈僕と正当な恋を〉後編

























トランプ中ー



部屋の中に響き渡る時計の音

正面を向けば不敵な笑みを零す後輩

小さいテーブルを挟んだ

小さな戦いをしていた。


『あの、先輩。』

『あ?んだよ』

『機嫌悪い所申し訳ないですが

僕の名前分かります?』

『............』

『なんか....すいません』

『......自己紹介でもすっか』

『そう...ですね。』


いかにも気まずい空気が流れる

その空気を斬るように


『僕の名前は

夜昏 春(よぐれ しゅん)です。』

『改めましてよろしくお願いします』


真面目な自己紹介と共に

俺のカードを引き抜く(ジョーカー)

それでも表情を崩さず

俺が自己紹介するのを待っている


『俺の名前、

黎明 冬芽(れいめい とうが)』

『......よろしく』


ボソッと呟いたつもりだったけど

アイツには聞こえてるみたいで

普通に笑っていた。


戦いは突然終わる時もある。


一回戦/夜昏

二回戦/夜昏

三回戦/夜昏


異常なほど強いコイツは

そのまま笑顔で顔を近付かせて


『先輩、服、脱いでください』ニコッ

『えっとー......八百長?』

『違います、実力です』


少し強めの口調で否定してきた

それに対してやはりこの笑顔

なぜ、笑う必要があるのだろう

やっぱり過去に


『先輩 ルールはルールです

それとも、僕が脱がせますか?

そっちの方が僕的に都合が...』

『自分で脱ぐ!脱ぐから!』

『そうですか...残念ですね...』


キラキラさせていた目を

いつも通り 関心がなさそうな目に

戻して

『早く脱いでくださいよ』

と 焦らせてくる。


黎明が脱いだ物

スボン 下着 パンツ


『ちょ...パーカー大きくてよかった』


ー夜昏の心の声ー


は?待って?

なんなんそれ?

思った以上にタチそう

今犯したい ぐっちゃんぐっちゃんに

なるまで、


ギリギリ見えそうで見えない

アレ


真っ白いほっそい太ももが

黒いパーカーによって

白さが際立っている


それに加えて

萌え袖になっている

はい、神

ここで死んでも悔いは無い

首元が赤いことに対して

僕は興奮をおぼえta((尊死


ー黎明目線ー


真顔でずっとこっちを見る後輩

全身舐め回すように見られ

少し羞恥で首元が熱くなる


『.........ゲーム、しましょう』

『そっ......そうだな』


淡々と時間が過ぎる

無音でただカードを引き続けた


四回戦/黎明

五回戦/黎明

六回戦/夜昏


『よっしゃぁぁぁ!!!』

『勝った!勝った!勝った!』


ガッツポーズをして

喜んでいたら

ムスッとしてずっと座ってた


『早く脱げよー

自分は脱げねぇとか言わねぇよな』

『......ちゃんと脱ぎますよ』

『よっしゃ』


夜昏が脱いだ物

メガネ 上着


『はっ!?!?』

『どうしました?

先輩も一回戦負けたんですから

脱いでください』

『あっ............』


黎明が脱いだ物

ピアス


『ピアス空いてたんですね』

『おぅ、色々あってな』

『意外ですね』

『そうか?』


興味津々で耳を見てくる

大分恥ずかしい


『はっ...早くゲームするぞ!!』

『あぁ、そうでしたそうでした、』

『よっしゃ』

『あの、提案があります。』

『なんだ?』

『このゲームで勝負を決めましょう』

『お、、おぅ、別に構わないが』

『それなら良かったです』ニコッ


二十分後ーーー


『あぁ、負けた

終わった、負けた』

『先輩、僕の言う事聞きますよね?』

『いや、待て待て』

『?』

『も......もう一戦!!!』

『え?ダメですけど』


そう俺に言い放つと

小さいテーブルを避けて

俺を軽々持ち上げて

お姫様抱っこのまま頬にキスする

顔が真っ赤になるのが分かったから

顔を伏せてベットに雑に置かれた


『ひ...ひっ』

『怖がらないでください。』

『やっ......待って...』

『待ちません』

『やだっ...たすけてぇ

だれかぁ』

ただ安易に言った言葉が

後々、後悔することを

俺はまだ知らなかった。


『誰に言ってんだ』

『えっ......』

『なぁ、』


ドンッ とベットの壁側に寄りかかった

俺に強く壁ドンした


『この部屋にいるのは

僕一人』

『あっ.......』


感じたことがない圧

それをもっと悪化させる目

普段はメガネを掛けている後輩

メガネを外すともっとカッコよくなる

それで睨まれてる俺は

少し、興奮してしまった。


『すいません

取り乱してしまいました』


ソッと離れ

俺と反対方向を見て

下を向いていた

その姿はいつも以上に小さく

何か、一人では抱えきれない物を

抱えようとして 自分を壊してて

押さえ込んでいるような

そんな姿に見えた


ギュ


『へっ!?』

『こっち向いたな...!?!?』


こっちを向いたかと思えば

涙をただ流していた


『おっ...おい 何泣いてんだよ』

『あっの、すいません』

『おいおい俺は何で

泣いてんのか聞いてんの謝んなよ』

『............』


数分間続いた沈黙


『あのっ』


やっと口を開いた時には

目元が赤くなり

全てを話してくれた


俺は呆然とした


後輩の、

夜昏は色盲のこと

俺が勝手に抱かれた日は

俺から誘ったこと

両親が亡くなっていたこと

唯一の姉が攫われたこと

そして何よりも

俺を抱いてしまったことに対しての

罪悪感でいっぱいなこと

全部全部、話してくれた


『......これで、終わりです

先輩ありがとうございました。

僕、金輪際貴方と関わらないので

どうか、忘れないで』

『何言ってんだよ』

『へ?』

『お前は俺に惚れている

そして、俺はお前に惚れている』

『!?!?』

『離れないでほしい理由は

これで充分だろ』

『あ......の』

ギュ

『俺より身長高くてイケメンで

心の奥底は真っ黒で

ドドドドSではないけど

かなりの一途で

何でも抱え込んで

それでも、俺は、愛したい』


夜昏はただ涙を流してた

俺が抱き着いた瞬間も

安心したように涙を流し続けた

そんな顔が美しく見えた


『なぁ、夜昏 じゃなくて春』

『はっ、はい』


俺は夜昏のメガネを取りに行って

メガネをかけて


チュッ

人生で初めて自分からキスした


『やっぱりこのメガネ

伊達なんじゃねぇの?

なぁ!聞いてんの....か?』


隣を向くて

涙を流していても必死に笑っていた

この残酷な世界から報われようと

必死にただただ笑っていた


『先輩から、キスするなんて、

思ってもなかったです』

『俺もするとは思ってなかった』

『先輩、付き合いませんか?』

『......今日は驚くことばかりだな』

『あの、返事は?』

『もちろん、OKだ』

『良かった......良かった......』

『お前の景色に彩をつけてやるよ

だから、一生幸せにしろよ?』

『分かってます、分かってます、』

『それならよし』

『なので、僕と正当な恋をしましょう』


そう言って甘く優しくトロけるような

愛を貰った。




















後日談ー


ちゃんとヤルことヤッて

学校に行って

春はクラスに打ち解けていた

それを微笑ましく見ている俺を見つけて

ゆっくりこっちに来て

愛を囁いたことはここだけの話

それで赤くなった俺を見て

オッタてていたのもここだけの話


いつも通りの朝を迎えて

いつも通りの学校を送って

いつも通りに放課後春と遊んで

いつも通り 夜に春と愛を感じ合う


俺は生涯、夜昏春しか愛さないと

思ってしまった今日この頃だった。


『正当な恋できてますかね?』

『してるよ、充分に』

『そうでしたか...』

『俺はお前のおかげで青い春を

過ごせたし』

『良かったです』

『お前も青い春が来るといいな』

『もう、黎明先輩...じゃなくて』

『冬芽がいるからもう青に

色付いたよ。』

『それはそれは...』

チュッ

『冬芽、一生愛したい』

『春、一生愛されたい』










































どうも、

昨日発狂しながらこの小説を書いてたら

この小説が全部消えてたんで

今日書きやした()

soろ.さんです。


今回の作品はハッピーエンドでも

バットエンドでもどっちでも

書けた作品でした。

行為中の表現は今回なしで
(大切さんが嫌だって言ってたから...)

純粋な物語を書きました。

そろさん的にはとても物足りないっす

そういや

名前の由来は"正反対"です。

攻めの 夜昏 春

受けの 黎明 冬芽

苗字は"夜"と"黄昏"

"黎明"は朝方の意味を持ちます。

名前の方は春と冬で

冬芽くんの"芽"は

春くんの"春"を

青い春を芽生えさせて

一緒に過ごして欲しいなーとか

想像しながら書きました。

今回は力作です✨

ぜひぜひ、次の小説も読んでくだせぇ

ではっ


























同性でも異性でも恋する少年少女よ

その恋、正当なこと、祈ってます。





〈僕と正当な恋をー終ー〉

soろ.・3日前
小説
BL小説
BL
いや〜疲れた疲れた
語彙力の事は気にしないで...
誤字脱字あったらよろしく
運営様に消されませんように
僕と正当な恋を

みんなの投稿開いたら…

みんな、素敵なポエム・小説だよね。
ほんとにすごい。


みんな、素敵な投稿・呟きだよね。
ほんとに尊敬。

みん😶🍭・3日前
みんな
素敵な
ポエム
小説
投稿
呟き
尊敬
羨ましい

【星と共に眠る】

星を眺めていた

沢山の青白い星

沢山の赤い星

沢山の星々を。

天の川をなぞるように

指を空中に滑らせる

この川を辿っても海には辿り着かない

あるのはただ終わりの見えない宇宙だけ

少し、遠くなる空を見て

くるりとUターン

アンタレスの

さそり座の方へ戻る

真っ赤な星を掴もうと手を伸ばして

どしゃり

と地面に落ちた














地面にはさそり座のような

真っ赤な液体が_。



























空中遊泳、星々を語る

蓮叶。・2日前
ぴったり200文字で小説書いてみようチャレンジ
ちょっとグロい……?
タグ借りました
小説
ポエム
レンカ

『dream』




琉彗side



コンコン
部屋の戸を叩かれる。
『はーい』
間延びした声で応答すると
ガチャ、という音と共に息子の声が耳に入る。





「おとーさん、今時間ある? ちょっと聞きたいことがあって」


勉強でも分からないのだろうか。


今日は病院に出向く必要も無いはずだ。
休みに日くらい仕事から離れた方が良いな、とも思う。

1時間でも何時間でもくれてやる。
などと1部投げやりになりながら息子に向き直る。

『どうした? 数学教えてやろうか』
中一になったばかりの息子。

俺とは違って中学は受験しなかった。
だからそれ程悩む問題はないだろう。
塾か?


「お父さん、あのね、宿題で父親か母親の小学校時代について聞いてみろってのがあるんだけど、聞いてもいいかな?」


と言って差し出されたプリントにはお世辞にも綺麗とは言えないが威勢のいい【琉真】と言う字が書かれている。
この名前は俺の【琉彗】と嫁の【真緒】という名前を文字って作ったものだ。


........で、何だっけ。
そうだ、小学校時代。
懐かしいな。

『話すと長くなるぞ? 特に6年生はな』
そう6年生。
今でも連絡を取り合っている仲間との思い出。
我ながら面白い体験だったと思う。
これはハードルを上げておくか。

『ちなみに、まぁまぁ面白いと思うぞ』


そう言うと息子は目を輝かせる。
「早く聞かせて!」


催促されては仕方がない。
『まぁまぁ、落ち着いて。これって小6だけでもいいのか?』


「えっと、うん。1年分って書いてるから」

それじゃあ、話そうか。

Akua 返信出来ないかも・3日前
プロローグ
dream,
浜辺のラブレター
小学校
小説
昔書いたやつ



「山を越えたい」


そう話すと彼は言った。




「やめときな」


















待ち一番の高い建物から眺めても

それ以上の山しかない。



そんなだから

誰もが彼に憧れていた。



街で唯一、山を越えた人として。






小さい頃からフツフツと浮かび上がる

疑問や興味が

山の向こうを作り出す。





実際どうかなんて知らなくとも

あんなかな、こんなかなと止まらない。





彼は、山を越えた先を絶対に話さない。







愛を囁いた私にも。






山越えは相当キツイそうで。

耐えられないと彼は言う。














そんな些細なことで亀裂ができた。


小さな小さな亀裂。








どれだけ愛しても

どれだけ愛されても


全てを誓いあっても


彼は、話さなかった。







小さな亀裂も衝撃を与え続ければ

崩れてしまう。




ちょっとした家出。



山を越えた先へ足を運んで。









沢山の道具を揃えて。


沢山の期待を抱えて。




山はとても急だった。





足が棒のようとはこのことかと

痛いほど思い知った。




けれど、彼も越えたのだと思うと

ちょっと楽になった。













隠し事なんて嫌だった。



ちょっとした壁が嫌だった。






だって、不安の起爆剤だから。



















彼が経験したことを経験して

彼と共感しあって笑い合いたかった。




























「ヨウコソ」




山のてっぺんを抜けた矢先、

驚く間もなくそう声がかけられた。





白いプカプカと浮かぶ小さな雲、

だと思ったそれは言葉を発する。







真っ白だった。













大きな街も


明るい遊園地も


綺麗なお城も


素敵な夜景も





見当たらない。


















大きな正方形の建物が並んでいた。




白い雲のような生物も

そこらを飛び回っている。





















「人類ハ愚カナ生キ物デス」


「イエ、可哀想と言ウベキデショウカ」





「ダカラ」







「我々ガ変エテアゲルノデス」












「我々ハ神デス」




「眠ルヨウニ心臓ヲ止メル薬ヲ発明シマシタ」








「他言シマスカ?」


「実験台二ナリマスカ?」










「他言シタ場合、」


「アナタノ最モ愛スル人ヲ実験台に」






















山を下った。


行きより何倍もの時間をかけながら。





家鍵を手に取り、家へと入る。





シーンと静まった家が

酷く心の揺れを起こす。





布団がひとつ敷かれていた。

彼が寝ている。







安堵感が体中を回る前に気づいてしまった

全く動かない布団に。





















「山を越えたい」



そう彼女は呟いた。




「やめときな」



僕は言った。


彼女を誰よりも愛しているから。



















彼が愛する人だから。



分け合いたかった沢山のことを。













彼女が愛する人だから。



分け合えなかった迫る真実を。
























愛する人を守るが故に

愛する人は眠ってしまう。






見てはいけない山の先。






形が違えど意外と身近に存在しうる山。






貴方の傍にもありませんカ?




















愛故に、愛は行き場を失う。

涙雨 雫玖 ☔︎・2日前
愛故に
ねえ?愚かで可哀想でしょ?
愛の行き場
愛するからこそ
秘密の愛言葉
チョコっと物語
え、これ、1000文字ピッタリ
小説
小説☔︎
クオリティとか内容が雑だとか意味不だとか思っても言わないで欲しい
とりあえず、メモ程度の書き物だから
心の隙間


「もし、未来か過去に戻れるなら
どっちがいい?」


漫画や小説、映画なんかで
よく耳にするこの質問


別に、最近そんな内容の映画を
見た覚えはないけれど

俺の隣で
ビルに挟まれた朝日を見つめながら
君は静かにそう言った。

「私はね、死ぬんじゃないの。
これから過去に行ってくる。」

そう言い君は、音もなく世界を飛び出した。





なんでこんなことになったかな…。

ここは彼女、佐伯紗和と
2人で来る廃屋の屋上。
もう誰にも使われていない。
寂れた鉄柱が寄せ集められて
やっと建っているような
忘れ去られたビルの屋上。


下を見ることはしなかった。
きっと今頃、アスファルトが血で塗られ
君の無惨な抜け殻が転がってるだろうから

紗和と出会ったのは、今日でちょうど10年前
その日もここで、この時間帯で…

彼女は確かに、死のうとしてた。

俺は静かに階段を下りる。
2人で昇ってきた鉄の階段は
カンカンと1人分の音を響かせる


不思議と悲しくはなかった
紗和がいなくなったら
自分も死ぬと思ってたから
それが今、早まっただけ。
死ねばどうせまた会える。
今の俺の中で
死ぬことは、君に会うための
単なる手段に変わっていた。

ただ俺は、君と出会った場所を
俺で汚したくなかっただけ。
いや単に、この場所で死ぬ勇気が
なかっただけとも言える。


これから君と過ごした家に帰って、
君が愛用していたソファに腰掛けて
君のマグカップを使って
俺が愛用してる睡眠薬で、
君を迎えに行くだけだ。

そう、思っていたんだ。

君の、死体があった場所を見るまでは。



そこにあったのは
血塗られたアスファルトじゃなかった。
いや、血なんてどこにもなかった。

代わりにいたのは、
10年前、つまり高校生の姿をした、
君だったんだ。


「……は?」

君は、酷く困惑しているようだった。
いや、当たり前か。
いや、俺の方が困惑してる。
これは、幻覚?

「なんで……?また、死ねなかったの?」

少しヒステリックになっているのか、
紗和は泣きじゃくりながら
自分の髪を掻きむしっていた。

「おい、やめろって!何してんだよっ」
爪に血がたまる程に
頭を掻きむしっていた彼女を止め、
落ち着かせるのはかなり大変だった。
「……誰?」
ようやく少し落ち着いた
彼女が発した言葉がそれ。

いやまぁ、仕方ないんだけど。

もしかすると、俺の彼女は
本当に10年前に行ったんだろうか?
それと入れ替わるように、
10年前の彼女が今ここにいる……?



つまり、紗和は、まだ、生きている?


酷く混乱している中で
俺の中でひとつの結論に辿り着く。

それが、真実かどうかは置いておいて。


その後俺は、結局彼女を連れて
家に帰ることにした。

10年前の紗和は高校生だ。
俺のひとつ下で、
肩くらいまで伸ばしていた薄い茶髪は、
静かに微笑む彼女によく似合っていた。


家に帰って、紗和の好きなココアを出す。
こいつの好みは、
さらに角砂糖3つとマシュマロ投入。

俺はこんなに甘いの飲めない。

自分の好みを把握してることに驚いたのか
紗和はしばらく俺の事を見つめていた。

「……あなたは、誰?」

ようやく冷静さを取り戻したのか
紗和は怯えるように俺を見ていた。
「祥太。加賀見祥太。」
まさか、10年後の君の彼氏ですだなんて
言えるわけも無いので
それ以外は口にしなかった。
付き合ったのはもっと前から
なんだけど……。


ちょうど10年前。
ひょっとすると俺に出会う前に
こっちに来たのかもしれない。

彼女は、俺の名前を知らなかった。

俺の名前にも顔にも見覚えがないと言う。
まぁ確かに、屋上で出会う前までは
サッパリ赤の他人同士だったわけだから
俺と出会う前ならばそうなのかもしれない。

だが、最愛の恋人に自分の全てを
忘れられたような気分は、最悪である。

疲れてしまったのか、
ココアで警戒心が解けたのか
紗和はソファで眠ってしまった。

一応、現在の恋人といえど、
現状記憶にもない男の家で寝るのは
いささか無防備すぎるとは思うが

今の紗和が愛用していたソファで
いつもの紗和と同じ眠り方をしていたので
なんだか無性に安心してしまった。

だが、佐伯紗和という人間は
果たしてこんな人物だっただろうか?

俺の知る限り、紗和はいつも笑っていた。
楽しそうに、穏やかに
年下とは思えないほど優しい目をして
柔らかい笑みを浮かべていた。

毎日死ぬことしか頭になく、
息をするだけで精一杯の
今目の前にいる様な人間ではなかったはずだ。

ああ、だがしかし。
俺と紗和の出会いは
紗和が自殺しようとしたことから
始まっている。

10年前のあの日。
確かに俺は紗和の自殺を止めたのだ。

_________________


俺は当時からよくあの廃屋に出入りしていた。
別に楽しいこともないし、
友人といてもつまらないと感じる時は
決まってここに逃げ込んできていた。

そこは、1度俺自身が
命を絶とうとした場所でもあった。
横になっている俺に気づかなかったのだろう
紗和は、俺につまづき、転んだ。

『いった!』
『ってー!』
ちょうどバラにあいつのつま先がヒットし
俺もなかなか痛かった。
『なにすんだよっ』
居眠りを邪魔されたことも含め
思いっきり睨みをきかせてやると
そいつは俺以上に睨みをきかせて
『さいっっあく。』
と言って立ち上がった。
そして丁寧に靴を脱ぎ並べ
柵を超えて下を向いていた。
そいつの手は、確かに震えていた。

きっと胸糞が悪かったんだと思う。
1度自分が死ねなかった場所で
今まさに死のうとしてる奴がいて。

だから俺は、そいつの腕を掴んで引っ張った。

『何すんのよ!』
紗和はさらに睨みをきかせて
俺に怒鳴りつけた。

『なんで、死ぬんだ?』

顔は見なかった。
別に怖かったからでは無い。
ただなんとなく、見ないようないい気がして。

『……疲れたから。』
そいつは、力を全部抜くように
その言葉を吐き出した。
『もう、いいかなって。』

掴んだ腕は、驚くほど細かった。
袖から少しだけ見える腕には
赤黒いアザが沢山あった。
いじめか、虐待か。
髪はめちゃくちゃに切られており、
スカートや制服はボロボロだった。

『じゃあ、死ぬ前に息抜きしようか。』

意地でもこいつを死なせたくなかった。
俺のちょっとしたゲームだった。
退屈しのぎの遊びだった。

あとは、過去の自分への罪滅ぼし。

まぁ、そいつと色んな場所に行くうちに
色んなものを見るうちに、
色んなことを知るうちに

俺の遊びは、人生ゲームに変わっていき、
いつかこいつとのハッピーエンドが
俺の中のゴールになっていたんだけど。

どうやら俺は、バッドエンドを迎えたらしい。
俺の目の前から消える紗和の姿が
頭をよぎる。
そう、今朝の風景だ。
今の紗和がなんの躊躇いもなく
俺の目の前から消えていく。

___________________


ひぐらしの声で目が覚めた。
どうやら俺もいつの間にか
眠ってしまったらしい。
あれは、夢?走馬灯?
外はすっかり日が落ちて、
西日が差し込んでいた。

隣では、過去の紗和が
まだすやすやと眠っていた。
よっぽど疲れていたんだろう。

裾から少しだけでている細い腕には
やっぱり、赤黒いアザが沢山あった。

そういえば、
なんで俺は死ぬのを辞めたんだっけ。

ただ単に、下を見た瞬間、
やはり死ぬ事が怖いと
感じてしまったのだろうか。

まぁなんにせよ、
俺は心底意気地無しなのだろうと思う。

いつも笑っていた紗和の記憶は
一体いつの記憶だろうか。

というか、紗和はいつから
あんな感じだったっけ
ずっと一緒にいすぎたせいで
きっと何かもかも忘れてしまっているだけだ。

そう、それくらい、
俺は幸せだったんだけど。

きっと紗和は違ったらしい。

過去に戻って、
俺との出会いそのものを
消し去るつもりだろうか?


その日の夕飯は紗和の好きな
オニオングラタンを作った。


それからしばらく、
俺は過去の紗和と共にすごした。
紗和は徐々に俺の知っている
紗和になっていった。

よく笑って、冗談を言って、
ソファの上でよくだらけていた。

まぁ、かなり無邪気に笑うようになったが。

1週間が経とうとしてる時、
紗和が言ったのだ。
「きっと、そろそろ帰らなくちゃなぁ。」
とても穏やかに、俺の知る紗和のように。

「……え?」
「私ね、初めてじゃないの。」
「…どういうこと?」
「自殺、したの。」
意味がわからなかった。
「いつも、あそこから飛び降りる。
あの古びた廃屋ビルから。」
紗和は、俺の方を見ずに話し始めた。
「最初は小学六年生、だったかな。
私の上履きに画鋲が入れられてたの。
誰がしたかはだいたい知ってた。
なんでこんなことされるのかも
だいたいわかってた。」

「そんなことをされるほどのことをしたの?」

「…それはわからない。
何も悪いことはしてなかったと思う。
ただ、あの子達のおもちゃが壊れかけてたから
もうやめよ?って言っただけ。」

いじめのターゲットを救ったということだろうか。

「でも、だいたいこうなることは予想してた。
ただ、私が持たなかったの。」

紗和は片親だ。
親父さんが転勤して、紗和に
生活費を送っている。
親父さんは、紗和の交友関係を考え、
転勤先に紗和を連れては行かなかった。
だから紗和は相談できる大人なんて
いなかったのだろう。

「その時は、なんの躊躇いもなく飛べたの。
でも、たどり着いた先はアスファルトじゃなくて
過去だったんだ。」

その言葉を聞いて、俺は背すじが凍るのを感じた。

「私が、おもちゃを庇う前。
私はおもちゃを見捨てることにしたの。
どうせ助けても、
このおもちゃは私を見捨てるもの。」

紗和は冷たく言い放った。

「やめなよって、呪いの言葉。
言わなかったら私は戻った。
あの廃屋に。自殺する前に。
学校ではいつも通りおもちゃがいじめを受けていて
私はほかの仲良しのこと
それを遠目から見てるだけ。」

紗和はスカートの裾をぎゅっと握りしめた。

「2回目は中学生の時、
仲良しの子に裏切られたの。
みんなに悪者扱いされて、
みんなが私を責め立てるの。」

俺はそっと紗和に近づく。

「その時、リスカ、いっぱいしてて
いつもより強く切っちゃったの。
あの廃屋で。」

自分の手首を見つめながら、震えていた。

「次に私がいたのは、裏切られる前の場所。
私はその子と縁を切った。裏切られる前に。
結局あの後、裏切られたのはあの子の方で
みんなに悪者扱いされてたな。
手首の傷は跡形もなく消えていたよ。」

紗和の声は震えていた。

「高校に入ったら、
あの時のおもちゃと、
裏切り者が仲良くなってた。
私は過去を変えたはず。
なのに2人は、私に嫌がらせを始めたの。
きっかけは、2人の好きだった人が
私のことを好きになったから……。
だけど全然知らない人。
私はちゃんと彼を振ったし、
誰にも知られてないはずだった。」

俺は紗和の手を握る。

「天罰なのかなって思った。
あの時、2人が私の身代わりになったから
全部私に帰ってきてるのかなって。
でも、私は2度も同じ思いをする
勇気なんてなかったし、
やり直せるなら、誰だってやり直すでしょ?」

震える紗和の手を強く握る。

「結局最後はいつも私がボロボロになる。
なんかもう、やんなっちゃって。
疲れちゃってさあ。
今度は、本当に…死にたかったの。」

紗和は泣いていた。
幼い子供のように泣いていた。
俺はただ、泣きじゃくる紗和を
抱きしめることしか出来なかった。

泣き疲れたのか、紗和はまた眠ってしまった。

そして俺の中に、ひとつの疑問が浮かんだ。
紗和は、あの廃屋で自殺した。
そして出会う前に、自殺した。
つまり、過去で俺とは出会っていない?

じゃあ、過去の俺はどこにいるんだろうか。

自殺する直前に、
紗和は俺と出会ったはずだ。
ならばなぜ、紗和は自殺を終えて
今、ここにいる?

そしてなぜ、今の紗和は過去に行く必要があった?
紗和の話を聞く限り、
紗和は自分が過去に飛べることを知っている。
しかも自分の死を通して。

つまり、紗和は過去に飛びたかった。
なんのために?何かを変えるために。

今ここにいる紗和と
過去に飛んだ紗和とでは、
もしかすると時間の流れが違うのか?
物事の進みが違うのか。

そして紗和は帰らなきゃと言った。

俺が思うに、紗和は
未来を変えるきっかけが出来れば
未来に強制送還される。
だからきっと紗和は
今いる過去で何かを変えれば
きっとこっちに戻ってくる。
俺はまた、きっと紗和に会える。

だが、何故か少し引っかかる。

なんだろう。すごく良くない予感がする。

相変わらず、高校生の紗和は眠ったままだ。
俺はすっかり目が覚めてしまった。

紗和は、過去に3度自殺していた。
3度も命を投げ打ちたくなるほど、
辛いことがあったのだ。

俺は、そんなこと知らなかった。

「なぁ、紗和。きっともう少ししたらさ、
お前はどうしようもないクズに出会って、
どうしようもないそいつに助けらるんだぜ?
笑っちゃうだろ。
でもきっと助けられてたのは俺なんだ。
だからさ、俺のためにも、
まだ、ちゃんと生きててくれよ。」

いつだって紗和の優しさに甘えて、
紗和の明るさに元気づけられて
あの日だって、そう。
お前がいたから、俺は今ここにいる。


…………あの日?
って、いつだ?

あの日、あの日だよ。

外は真っ暗だった。
俺はいつの間にか外に飛び出していた。

あの日、あの日である。

11年前。
俺が、過去の紗和と出会う1年前……っ

___________________

俺の母さんは、ろくでなしだった。
遊び好きで、男好きで、金遣いが荒い。

母さんの旦那は気の弱そうな人だった。
でも金だけは持っていたので
母さんはその人を愛したんだと思う。
元々その家にいた息子は
かなりの不良で
何度も警察に世話になっていた。

俺は、そんな母さんが連れてきた
どこの誰と作ったかも分からない子供だった。
母親に似ず、見たことも無い父に
似たのであろう、この目つきの悪い顔立ちは
旦那をとうとう壊してしまった。

旦那とその息子は
急に来た俺をおもちゃのように
殴りまくった。

母さんの遊び癖は
結局治らず、
俺が痛みに耐え忍んでいる間も
また違う男と遊びに行った。

増える痣と、目つきの悪さで
俺は学校でも1人だった。
たった1人、こんな俺に
話しかけてくれる奴もいた。
そいつはかなりの変人で
後に俺の大親友になるのだが。
俺は今までこの親友が
俺の自殺を止めてくれたのだと思っていたが
きっと違う。いや違ったんだ。
俺は確かにこの親友に助けを求めに行った。
だがそれはもっとあとの話だった。


そんな時に見つけたのがあの廃屋で
唯一俺の憩いの場だったのだ。

だが、とうとう旦那が
俺の首に手を掛けかけた時
俺は一目散に逃げたんだ。

気づいた時にはあの廃屋にいた。

いまさっき、確かに自分は死にかけた。
目の前にあった、
鬼のような形相の男の顔が
頭から離れない。

恐怖が俺を包み込んだ瞬間、
俺は思った。
あのまま死んでよかったんじゃないか?

誰にも望まれず、嫌悪され
憎悪をぶつけられ、気味悪がられ、
俺はここにいる意味があるだろうか。

気づけば柵を超えていた。
大きく息を吸い込んで
下を見ると、俺は恐怖で動けなかった。

死んでしまいたいのに。
死んでしまった方が楽なのに。

たった1歩が踏み出せない。

やっぱりまだ、死にたくないと
望んでいる自分がいた。

気づけば朝日がビルの間から見えていて
どうしようもできなかったその時に、
俺の横に、いつの間にか、君がいた。

『なんで、死ぬの。』

君は俺の顔を覗き込んでいた。
肩甲骨辺りまで伸びた薄茶色の髪。
20歳前半くらいのその人は、
確かに紗和だった。

なんで、忘れていたんだろう。
あの日。あの時だ。
救われてたのは俺だった。
俺は紗和がいなかったら
きっともう、この世界にはいなかったんだ。

だからあの紗和は、
俺に出会っていない。

あの後、紗和は1週間
あの廃屋に通ってくれた。
もう家に帰りたがらない俺のそばに
毎日毎日顔を出してくれた。

明日の朝で、ちょうど1週間。
あの時、紗和があそこに来る前に
俺のとこに現れたのは

『あれ、加賀見くん?』

お前だったな、

『……森田じゃん』

廃屋の屋上から外を眺めてる時に
下から俺を呼んだのは
変人、森田だった。

『もう1週間くらい学校に来てなかったから
心配してたんだけど?まさかずっとここに?』
森田は唯一俺に話しかけてくれる変人で
バスケ部のキャプテンだったやつ。

『……ん。』
『てかさ、ずっと聞こうとしてたけど
その身体中の傷、まさか転んだとか言わないよね?』
『……転んだ。』

_____________________

あの日が俺の人生の分岐点だったんだと思う。
あの後俺は、森田に連れられて
森田の家族に全てを話した。
それからは早かった。
児童虐待、育児放棄、
俺の家族は様々な問題が挙げられ
俺は森田の家に世話になることになった。

高校を辞め、バイトで金を貯めて
森田の家に金を返し、
紗和と暮らすようになってからも
森田とはまだ連絡を取りあっていた。

最近、森田に子供が生まれて
あまり連絡を取らなくなったのだが

そうだ、俺はあの日、紗和に会わなかった。
そして、紗和のことを忘れていた。

ちょうどその一年後だったのである。
その時代の紗和と出逢えたのは。

俺はがむしゃらに走っていた。

あの廃屋を目指して走っていた。

あいつが、紗和が過去に行く前に
俺たちは何を話していた……?

「ねぇ、祥太。私は祥太に救われたんだよ。」
「ねぇ、祥太。私と出会ってくれてありがとう。」
違う、違うんだ。
救われてたのは紗和じゃなくて、
救ってたのは俺じゃなくて、

あの日、あの時、あの廃屋で、
俺は確かにおまえに会っていたんだ。


「ねぇ、祥太?もう一度、私のこと救ってね。」


『俺さぁ、高校入ってすぐあの廃屋で
1回死のうとしてたんだよなぁ。』
『……え?』
『でもさ、俺の周りって変人が多かったみたい。
俺を引っ張り出してくれた人がいた気がするんだ。』
1度だけ、その話をしたことがある。
『……なにそれ』
そう言って笑う君を片隅に、
俺が思い出していたのは、
確かに紗和の事だった。

なんで忘れてたんだろう。
なんで思い出せなかったんだろう。

『じゃあ、死ぬ前に息抜きしようか。』
そう言って笑う君。

『明日も来るから。ちゃんと居てよ?』
優しく手を握ってくれた。

君の言葉を信じて、
君がくれる優しさに甘えて
君がいることに安堵を覚えて
生まれて初めて
誰かに必要とされてるって
感じれたはずなのに。

ねえ、君は今どこにいるの。
俺の事残してさ。

『きっと俺たちはさ、
お互いのこと救うために
出会ったんだろうな。』

そう言うと、君は
決まって穏やかに笑うんだ。

本当に少し、寂しそうな顔をして。

あの時から、
君は全てを知ってたんだな。

こうなることを。
だからあの時、初めて
ありがとうっていたんだろ?


ああ、もうすぐ夜が明ける。


まだ、君を見つけていないのに。
俺が家にいた時はまだ眠っていたはずなのに
廃屋には既に過去の紗和がたどり着いていた。

「…遅かったね。」
紗和は穏やかに笑っていた。
「私、未来ではこんなに幸せだったんだね。」
紗和はビルの隙間から朝日が昇るのを見つめていた
「今まで過去にしか飛んでなかったから
知らなかったけど。
こんなに幸せな未来があるなら。
きっと、私の今も耐えられるよね?」
柵を握る手が強くなる。
「なぁ、お前が戻ったらさ、
こっちの紗和も戻ってくるんだよな?」
紗和は何も言わなかった。
それは、きっと答えを知っているからだろう。

「なぁ。紗和。俺、あいつがいないとダメなんだ。
家事も洗濯も、あいつの方がうまいし、
料理とか、しばらくあいつのしか食べてないし」
「昨日作ってくれたオニオングラタン、
普通に美味しかったよ。」
「そう言うことじゃなくて!」
紗和は堪えきれないというように、
笑いだした。俺のよく知る、笑い方で。
「ねぇ、翔太。もう一度、私のこと救ってね。」


そう言い君は、音もなく世界から飛び出した。

_____________________

『神様は、きっと私にチャンスをくれたの。
私が後悔しないように。
私に素敵な人生を送らせるために。
でも私すぐに選択を間違えるから、
きっと何度もチャンスをくれたのね。
ごめんね、祥太。
私は、私のこの命は多分。
祥太を救うためのものだから。
初めてなんだ。
この力を助けるために使ったの。
初めてこの力を人のために使えたの。
何度も何度も、間違えちゃったけどね。

ねぇ、大人の祥太、どんな感じだった?』

『どんなって、あなたのが
よく知ってるじゃん』

『いいから教えてよ〜
かっこよかったでしょ?』

『……うん。』

『んふふ。あと一年後、あなたも出会うんだよ。
あのおバカさんにさ。』

『でも、その後は、?私は結局死ぬんでしょ。』

『まぁねぇ。でも私は、
祥太が生きててくれればなんでもいいの。
この力だって、きっと
そのためのものだったんだよ。』

『…私が出会う前の祥太って
どんな子なの?』

『ふふ、それは大人になってからの
お楽しみだよ。』

私は私に向かって
いたずらっぽく笑ったりすると
すぐにお茶会の席を立ち上がった。

既にティーカップの中身は
空っぽだった。

私のそっと立ち上がり、
目の前の私とは違う
方角を向いた。

『さて、私はまた、祥太に会いに行かなくちゃ』

_______________________

あの日から。
俺は性懲りも無く生きている。
君がいないとダメだと言っていたくせに。
何も出来ないと思っていたのに。

何とかならないこともなかった。

あの後、俺の世界の視野は
もう少しひろがった。

辛いことも苦しいことも
これまで以上に沢山あった。
だけど、思った以上に
俺は頑丈で、我慢強くて、
君がいなくても笑えるほどには回復していた。

それもこれも大半は
あの変人、森田のせいである。
まぁ、森田のだけのせいではないけれど。

今日は俺の妻が見事に第1子を誕生させた。

「女の子ですよ〜」

顔を真っ赤にして笑っている妻の横に立ち
抱き上げたその子の名前はもう決まっていた。

「名前さ、紗和、なんてどうかな?」

よく聞きなれた笑い声が
すぐ側から聞こえた気がした。

茉鈴 綹・2日前
過去と未来とまたそれと、
綹+
小説
初挑戦
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キセツ
【片隅にあったこの想いは 】


《《中》》

















それから遥汰は部活が

早く終わったり無い日は

毎日ずっと顔を出し、話す様になった。










徠華が事故に遭う前__、

同じ学校の同じクラスだったことを伝えた。
















その日の面白かった出来事を

言い合ったり沢山話した。


















2人共、包み隠さず全て話すようになった。















でも1つ、遥汰は徠華に
大事なことを隠していた_。

























それからもずっと遥汰は病院へ通い続けた。



平日は放課後、話し相手になったり

休日はリハビリの様子を

見てみたり話したり、遊んだり。














そして徠華は生活が戻った。







































__はずなのに、戻っていなかった。





先生も何の担当で何先生か。
クラスメイトも姿は覚えていても、
名前は忘れていたから。



記憶も思い出すようになったりする事が
最近多くなったらしい。


しかし自分達の関係を思い出せるには、
どうにも見えなかった。


だったら告ってみる という手もあった。


でも、まだ新しい生活に慣れている途中に、
もっとこんがらせるのではと
深く考えた結果、ずっと言えなかった。






ある時は、どの先生がどんな口癖だったか。


ある時は、「あの子の絵は色づかいが
上手で、 好きだった気がする!」


ある時は、「私、事故に遭う時にここによく
来てたんだ。」と。

















「うん。そうなんだ。」とだけ応えた___





……To be continued

呼宵 庵和 おやすみ。・2日前
しょーせつ書いてみたってさ。
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何故この写真にしたかと言うと
病室に置いてあるお花に見たせてます()
君との思い出は消えて欲しくない的な感じでっす((
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