「「死ぬまでにやりたいことリスト」」
僕には大切な人がいるんだ
命よりも大事な人
って命なんて一円玉よりも軽い
ソレとどっちが大事かなんて比べるのもおかしいか。
晴れ晴れとした日
僕は言った。
君が飛べと言えば、
僕は宙を舞ってみせるさ。
そしたら君は
「その時は手を繋いで2人で飛ぼうよ」
見たこともない優しい顔だった。
この言葉に失った感情が湧き出てくる。
嗚呼、幸せとはこういうことなのか。
笑っているだけが幸せだと思っていた
それでも幸せだと泣いている自分がいた。
幸せの定義なんてなかったのだと。
君とならどんな暗闇でもきっと楽しい
君が奈落の底に落ちたなら僕も一緒にいくよ
だから共に歩もう。
胸に秘めた想い
きっと君も同じなのだろう
互いに大切で互いに愛し合っていた
互いの生きる理由でもあった。
それでも苦しい時もあった
死にたい時もあった
そんな時抱きしめてやれないことが悔しかった
僕等はネットで知り合ったのだ。
すぐに会いに行けないのも無理はない
でもそれが結構しんどかった。
12駅離れた距離
学生は制限が多いもので、大人が羨ましくなる。
けれど大人になりたくないと思う自分もいる。
矛盾ばかりしてしまうのはこんな世界がいけないからだ。
距離は離れていても、
抱きしめることはできなくても
画面越しに支え合うことは出来た
死にたかった日に交わした約束
"卒業したら会おう"
別に長期休みでも会えるのだけれど、
その日まで生きているためにと、
生きられるようにと願いを込めて
もし、すぐに会ってしまったら
死ぬまでにやりたいことリストが
達成出来てしまう
そしたら僕はこの世にはいられないだろう。
だから卒業までお預けになった。
卒業した後なら受験も終わって少しは心も落ち着いてるだろう
ならばその日まで生きるしかない
やっと見つけた生きる理由
やっと見つけた生きる意味
それが私を苦しめることもあるけれど、
確かに私を支えていた。
死にたい僕に
生きてと願う君
それがたまらなく苦しかった
でもそれが僕の命綱だった。
確かに2人傷つけ合っていた
確かに2人苦しめ合っていた
それでも誰よりも大切で、
互いを支えていたのも互いだった。
互いを想って涙する日も
愛おしいと思えた。
空は自由に雲を描いて、
僕等も自由に想いに抗う。
そんな日常の一コマで君は消えた。
雲ひとつない晴天
真っ青な画用紙に描かれているものは何も無い
そんな日に君は僕の前から消えた
この世界から___。
わかっていたさ永遠なんてないと
絶対なんてないと
いつかの約束が守られる日はこないと
嫌でも現実がその事実を突きつけてくるんだ。
槍で心臓でも突かれたかのように声も上げさせてくれない
幸せに縋り付く暇なく絶望へと落とされた。
君がいたならどんな絶望も幸せだと思えたさ、
だけどここに君はいない
嗚呼、僕の幸せの定義は「君」だったのだ。
なぁ、僕は何を理由に生きればいい?
なぁ、僕は何を想って泣けばいい?
なぁ、なぁ、なぁっ!!
僕も連れて行ってくれたら良かったのに。
いつも君は隣で手を繋いでくれた。
1歩前に出た君は今は僕の後ろから動かない。
同い年だったはずなのに、今ではもう僕が1つ年上なんだ。
なぁ、共に歩むんじゃなかったのかよっ、…
なぁ、共に"いき"たかったよ。
君は僕の過去に存在して、
僕の未来では消えていて
何度叫んでも空に手が届くわけなくて、
何度嘆いても君は戻ってきやしない。
ただいまって帰ってきてよ
おかえりって待ってるから。
君の帰る場所は土でも空でもなく此処にあるだろ?
なぁ、道に迷ったのかい?
だったら迎えにいくよ_
死ぬまでにやりたいことリスト
最後の項目を達成する為に
僕は真っ青な画用紙に1つの星を描いた。