はじめる

#御伽シリーズ

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全50作品・

私は「赤ずきん」

村の人も お母さんも
この赤ずきんをくれた
大好きなおばあちゃんも

みんなが私を「赤ずきん」
って呼ぶの

おばあちゃんがくれた赤ずきんを
毎日かぶっているから


でも私の名前は「赤ずきん」じゃない
「赤頭巾」が私なわけじゃない

私が「赤頭巾」を脱いで歩いたら
村の人たちは私を何て呼ぶだろう

そもそも赤頭巾を脱いだ私が
誰なのか気付くのでしょうか


ねえ 誰か呼んでくれませんか

私の本当の名前を

恋眼鏡・2022-06-01
御伽シリーズ
赤ずきん
ポエム

貴方の幸せ祈りながら
昇る朝陽に背中を灼かれるように
貴方の笑顔を胸に焼き付けて


泡になる 溶けてゆく
愛されていた記憶ごと


流れ着く 恋の終わりは
貴方のいない世界

恋眼鏡・2022-05-01
御伽シリーズ
人魚姫
ポエム
この想い、泡になって溶けていく

『アリとキリギリス』

夏の間 歌って遊び惚けている
キリギリスを横目に

せっせと働いて餌を集めていた
働きアリたち

やがて冬が来て
食べ物がなくなり飢えたキリギリスは
アリに乞い食べ物を願うが

アリは
「君は夏の間遊んでばかりいたから
そうなった」
と拒否しキリギリスは
凍えて死んでしまった

という一見真面目に生きる事が
尊い事と言うお話のようで

飢えて死にそうになっている者を
冷たく突き放し見捨てる者が
果たして本当に良い者のする事なのか
と子ども心ながらに思ってた

原典のイソップ童話では
元々は「アリとセミ」なんですが
上記の様なストーリーになっています


しかし調べてみると
これを改変したお話があります

アリはキリギリスに食べ物を分け与え

「私は夏にせっせと働いていた時
あなたに笑われたアリです
あなたは遊び呆けて
何のそなえもしなかったから
こうなったのですよ」

とキリギリスに告げ
それを機にキリギリスは
心を入れ替えて働くようになった

というお話に変えたのが
あのウォルト・ディズニー
というのを知り

子どもに素敵な大人になって欲しい
と願う大人の見本だな
って思った


また別の改変されたお話では

冬が来て食料が無くなり
困っているキリギリスにアリは

「夏も歌って過ごしていたのだから
冬も歌えばいいんじゃない」

と言います
するとキリギリスはこう答えました

「もう歌うべき歌はすべて歌った
君は僕の亡骸を食べて生き延びればいいよ」

後先を考えずに遊んでいる
だけに見えたキリギリスでしたが
実は全て見据えたうえで
生きている時間を
命がけで楽しんでいたのでした

生き様の違いというストーリーに
改変された童話もありました


さて あなたは
どんなアリやキリギリスになりますか

恋眼鏡・2022-01-15
御伽シリーズ
絶望に効かない薬
ポエム

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

他に50作品あります

アプリでもっとみる

『雉も鳴かずば』

昔むかし
貧しいけれど幸せな暮らしを
している父娘がいました
ある時幼い娘が病気になり
父親にあずきまんまを
食べたいとねだりました
貧しい彼らには
とても手が出せないものです

しかし娘の願いに
父親は村の裕福な家庭の蔵から
小豆と米を盗み
それを娘に食べさせてあげたのです

あずきのご飯を食べた娘は
元気を取り戻し病気が良くなりました
彼女はそのご飯のことを
手毬歌にしていたのを
村人に聞かれてしまいます
そのため彼女の父親の盗みが知られ
氾濫する河に橋を架けるための
人柱にされてしまいました

娘は父親が殺されたショックから
口をきけなくなってしまいます



時は過ぎ
同じ村の猟師が狩りに出たときのこと
猟師はキジの鳴き声を聴きつけ
見事キジを仕留めました
彼は仕留めた獲物を捕まえようと
草むらへ入っていきました

すると殺されたキジを抱いて
例の娘がそこに立っていたのです

口がきけないはずの彼女は
キジにむかって

「キジよ お前も鳴かなければ
撃たれなかったのに…」

と言いキジを抱いたまま
去っていきました



この昔話と同じように
日本では有名なことわざ
「出る杭は打たれる」
にも共通の国民性が見えますが

アメリカには
The squeaky wheel gets the grease.
(キーキー音を立てる車輪は
油をさしてもらえる)

「黙っていては注目されない」
という全く逆の意味を持つ
ことわざが存在します。


声をあげること
あげないこと

どちらが損か得かは
僕には分からないけれど
声をあげなきゃ
誰にも見留められないのも
哀しいじゃないか

恋眼鏡・2021-12-05
御伽シリーズ
雉も鳴かずば
言の葉を紡ぐということ

『卑怯なコウモリ』

鳥の一族と獣の一族が戦争になった

その時コウモリは
鳥の一族には
「自分は鳥の仲間」
獣の一族には
「コウモリは獣の仲間」

どちらにも良い顔をして
味方のフリをした

鳥と獣が和解し
争いが終結した時
コウモリはどちらからも嫌われ
仲間外れにされた結果
洞窟に隠れて暮らすようになった
というお話


だけどコウモリって
みんなも良く知る通り
彼らは超音波を発し
その反射を感知して飛ぶ

物や生き物から返ってくるもので
自らの存在を知る



嫌われ者なのに
自分だけでは生きられない
悲しい生き物

恋眼鏡・2021-12-27
御伽シリーズ
卑怯なコウモリ
ポエム

演じるために嘘を覚えたの
人は弱いね傷痕隠して

もうすぐ12時の鐘が鳴るよ

魔法が解けて僕に見せてくれてた
あの笑顔が全て嘘でも


君が暖炉の灰に塗れながら
独り零した泪



目指す理想には遠くたって
あるがままでいいから



泣きたい夜なら僕はここで
君が眠れるように祈ってる


誰が何と言おうと君は
“灰かぶり“
Cendrillonのままでいて欲しい

恋眼鏡・2022-02-21
御伽シリーズ
Cendrillon
ポエム

泡になれ

砕け散れ

笑いあった記憶ごと

砂浜に書いて
誓い合った名前のように

恋眼鏡・2023-07-26
御伽シリーズ
人魚姫の恋

「ありのまま」という表現は
「アナ雪」が産んだ功罪だと思う


生まれ持ったものだけの自分が
「ありのまま」ではなくて

「自分が成りたい自分」に向けて
挑戦して
失敗して
挫折して
試行錯誤の末に得る経験
それらの積み重ねの結果
今ある自分

「ままならない人生」
そんなみっともなく
どうしようもない自分を
「ありのままに」
さらけ出せる

完璧な人生なんかない
そんな他人を
受け入れられること

それこそが
「ありのまま」
なんじゃないかな

恋眼鏡・2022-09-24
御伽シリーズ
アナと雪の女王
言の葉を紡ぐということ

『最後の真珠』

あるところに金持ちで
幸福な家がありました

その家に跡取り息子が生まれ
たくさんの妖精たちがめいめいに
その赤ちゃんに幸福の真珠を
贈り物として持って来ました

それらの真珠には
それぞれ健康や富や幸福や愛などの
人が幸せに生きていくために必要な
大切なものが詰まっていました
家の守護霊は全てのものが
赤ちゃんに与えられたと喜びましたが

赤ちゃんの守護天使は
贈り物を持ってきていない妖精が
まだ一人いると言います

守護霊はこの子に
足りないものがあることが
気に入らず守護天使に頼んで
一緒にその妖精を見つけに行きました


「最後の妖精は決まった所にいません
王さまの家にも
貧しい人の家にも
誰の家にも必ず最後の贈り物を
持って行くのでいつも同じ
場所には居られないのです
確か今はこの辺りの家に
来ているはずです
ああ ここです」

子どもの守護天使が案内したのは
町外れにあるお屋敷の
大きいけれど何だか暗い部屋でした

二人がたどり着いたのは
妻に死なれ悲しむ夫と
まだ幼い子どもが居る家でした

部屋の隅には亡くなった妻が
いつも子どもを抱きながら座って
子守唄を聞かせていた椅子

その椅子にはまだ来ていなかった
最後の一人
悲しみの妖精が座っていました

悲しみの妖精が涙を一粒こぼすと
その涙は悲しみの真珠
最後の真珠となったのです

守護天使は
「これが悲しみの真珠
人生になければならない
最後の真珠です
人は悲しみを知ると
本当の幸福が分かるようになり
自分にも他人にも優しくして
あげられるようになるのです」

家の守護霊と子どもの守護天使は
その最後の真珠を持って
産まれた赤ちゃんが居る家へ
帰ったのでした




あなたの胸に最後の真珠はありますか


人間の想像力なんて
本当にちっぽけなものですし
人と人とはどんなに愛し合って
深く分かり合っている
ように思っていても
やっぱり最後はその人の気持ちは
他人が完全に理解出来る
ものではありません

だから それでも
精一杯 人を思いやるのは
とても大事なことだと思いますが
それでもやはり経験の有無で
悲しみへの寄り添い方が
変わってくるのは否めません

痛みや苦しみ
悲しみや切なさ

それらを自らの身をもって知ればこそ
人の痛みの全てを理解出来なくても
その痛みの近くに
寄り添う事が出来ると思うのです

恋眼鏡・2022-02-15
御伽シリーズ
最後の真珠
ポエム
NOTE15の日

嵐に巻き込まれた
難破船の様に

荒れた心の海に
愛しさ求め流され溺れ
溶けて泡になれたなら

貴女に出逢えるのでしょうか

恋眼鏡・2022-06-26
御伽シリーズ
人魚姫
誰も知らない恋の果てに

雨の冷たさにも

風の寒さにも

負ケテしまいソウな僕ダケド






君を想ふ気持ちだけは

誰にも負けない

強い心でいたいのです

恋眼鏡・2021-10-17
拝啓、宮沢賢治先生
雨ニモ負ケそうな僕
御伽シリーズ
ポエム

彼岸花というと
皆さんあまり良くないイメージが
あると思います

道端特に川岸などに
群生している事が多く

茎からまっすぐ伸びた
花が咲いている時期には
葉をつけないため
その姿に不気味さを感じる方が多く

強力な毒性があるため
食べると間違いなく死に至るため
「彼岸花」と名付けられたとか
別名にも「死人花」とか「地獄花」
など縁起でもない名が沢山ありますが


「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」
という呼び名もあり
こちらはサンスクリット語で
「天界に咲く花」
という意味でもあるんですよ


また花が枯れた後
冬に葉を育て
葉が枯れた後に花が咲く事から
「葉見ず花見ず」と言われ
成長をそっと邪魔せず
見守る例えともされています


皆さん教科書で一度は読んだであろう
「ごんぎつね」で有名な童話作家
新美南吉の出身地愛知県半田市にある
新美南吉記念館の周辺に群生している
彼岸花は圧巻の光景です

恋眼鏡・2021-09-03
言の葉を紡ぐということ
彼岸花
御伽シリーズ


シンデレラタイム
腕時計気にしてる
貴方の横で
そんな優しさは欲しくない



信じさせて この愛に
全てを賭けていいの

恋眼鏡・2022-09-20
ガラスの靴は見付からない
御伽シリーズ

ある国の王と王妃は姫の洗礼式に
国中の魔法使いたちを招待した
しかし ひとりだけのけものにされて
招かれなかった魔法使いは怒り
姫に糸紡ぎの錘が指に刺さって死ぬ
という呪いをかけた

 しかし べつの魔法使いが
その呪いは心から愛してくれる人の
キスでとけると告げた

王は国中の糸紡ぎ機を
焼き払ってしまおうとしたが
姫は予言どおり糸紡ぎ機のせいで
昏睡状態に陥り百年の眠りについた

最終的には王子さまが現れ
無事目覚めることになる

これで物語はハッピーエンドとなる


だけどちょっと待って

眠っている姫を見つけて
一目惚れした王子のキスで目覚めた
本当に「心から」愛しているのか

彼は姫の「心」を知っているのか

目覚めた姫は100年後の
愛されていた父や母
おそらく以前関わりあった人々
皆死んでいるであろう世界を
どう見たのだろうか

恋眼鏡・2022-11-22
御伽シリーズ
眠れる森の美女

昨日まで毎日の様に投稿していた
そんな人たちがプッツリと

急にいなくなるのが毎年この時期

新しい世界に出逢うからか
弱音を吐き出す場所が
ここではない他に出来たのか

それぞれの事情は分からないけれど

ここはまるで「ライナスの毛布」
みたいだね

ボロボロになるまで引き擦って
どこへでも持って歩いていたのに
みんないつしかそっと
手離して置いていく

少しづつ大人になればいいのに
大人になってからの方が
人生は長いんだよ
一度大人になってしまったら
二度と子どもには戻れなくなるのに

僕はここでそっと手を振ろう

恋眼鏡・2023-04-01
御伽シリーズ
ライナスの毛布
Peanuts

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