Revenge
「復讐」
付き合いたてのあの頃
私は彼に、クローバーの栞をあげた。
「これ、幸せのお守りなの」
こんなちっぽけなプレゼントにも
彼は喜んでくれた
「マジ!?嬉しいありがとう」
そう言うと彼は、自分のスマホカバーに
お守りをつけた。
そんな彼を見るのはとても幸せで
私は愛を注ぎ続けた。
しかし、時が経つにつれて
彼は素っ気なくなっていった。
私に隠れるようにスマホを見るし
いつもスクロールするだけの手が
文字を打っていた。
そんなある日、彼はスマホを置いたまま
風呂に入りに行った。
ダメだと分かっていても
つい、彼のスマホへと手が伸びる
彼のスマホケースのお守りを見て
罪悪感が増す。
こんなに大事にしてくれるのに
浮気なんてしないはず…
しかし、その想いとは裏腹に
「仕方ないよね最近ちょっと変だし」
と少しだけ覗くことにした
するとそこには
【彼女が喜ぶ旅行先】
という検索履歴がずらりと並んでいた
最近スマホ画面を隠すのも
文字を打っているのも
この事だったのか。
それなら辻褄が合うしね!
と私の心は舞い上がった
そして、お風呂から上がった彼は
私を抱きしめてこう言った
「あの、来週さ…」
さっきカンニングしてしまって
少し申し訳ないけど
知らなかったフリして驚こう
と、私は心を躍らせた
「友達と旅行に行ってくるね」
その瞬間、踊る心はピタリと止まり
私があげたクローバーの栞は
幸せのクローバーから
復讐のクローバーへと変わってしまった
花言葉とは奥の深いもので…
沢山の想いが込められている。
クローバーの裏の花言葉を知りながらも
彼に栞をあげたのは、
私が彼を信じていたから。
でも彼は
私の想いを裏切った。
どうぞ新しい彼女と
私が今まで注いだ愛を背負い
もがき苦しんで下さい。
お幸せに。
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