#思い出の在り処

「生きたい」

この望みが

神様に届くなら＿＿＿.

星も見えない暗闇のお陰で

貴方という光に

出逢えたのです。

凍える夜の

見えない貴方と

独りの私

笑う造花への

汚い想いと

無の感情

迷ったら逃げろ

怖いなら手つなごう

死にたくなったら一緒に逝こう

生きたくなったら一緒に歩もう

僕はいつだって君の味方です＿＿。

君の涙が溢れるなら
俺に涙を拭わせて

君に後ろ指を指す人がいたら
俺に目を覆わせて

君を悪く言う人が居るなら
俺に耳を塞がせて


辛い時は傍にいるし

泣きたい時は胸を貸すよ

苦しい時は一緒に心を休めよう

最後に1つ
『生きててくれてありがとう』

君と出逢ったあの日から
ｺｺﾛ
僕の世界に色が灯って

"死にたい"が『生きたい』に

"疲れた"が『頑張ろう』に変わった

そんな君が辛いと叫ぶなら

巡る季節も変わりゆく世界も全部捨てて

僕と逃げてしまおうか＿＿。

顔も本名も声も知らない君。



それでも、確かに僕等は



"一緒の時を過ごしている"






『愛する君へHappy,birthday.』






君への手紙は何回目だろう



君からの手紙は何回目だろう



君への想いはあと何回綴れるのだろう＿＿。








君と出会ったのはまだ少し寒い三月頃。





言葉の世界で出会った



そう、つまりネットの世界





そのアプリは思ったことや小説を投稿でき


アプリ内で友達も作れる、そんなアプリだ





僕はこのアプリを


興味本位でインストールしてみた





初めは使い方がわからず



必死に調べたりもしたっけ




このアプリを始めて、2ヶ月位経った



このアプリもだいぶ慣れてきたな



そう思っていた時だった



ﾌﾞﾌﾞｯ



通知音とともに誰かから贈り物が届いた



空瀬 霞依…



どこか儚げな女の子だった




最初こそはぎこちなかったが



だんだん打ち解けてきて



彼女は俺を柊翔と

俺は彼女を霞依と

呼び合う仲までいった頃



彼女からある一言を言われた



"柊翔は私の大切な人だよ"



僕はその言葉を理解できなかった


なんせ、愛され方を知らないもんでな


とりあえず、ありがとうとだけ返しておいた



段々、その言葉の意味もわかってきた頃

僕はある投稿をした



"死にたい"



たった一言、そう書いておいた


すると霞依は直ぐに飛んできて



"大丈夫？"


と、送ってくれた


僕は心配かけたくなかった故に


"大丈夫だよw"


と、嘘をついた



そういったやり取りが続いたある日



僕は決心した


霞依に病気を打ち明けようと



重い病気で完治は不可能

治療もあまりできず余命一年だと



彼女は親身になって聞いてくれた


"辛かったよね"

"話してくれてありがとう"



辛かった？


僕は辛くない、僕は幸せだ



話してくれてありがとう？


何故感謝する

僕は僕がしたい通りにしただけだ



なんて強がっては見たが

溢れ出る涙は終わりを知らなかった



なんでだ、なんで優しくする


そう思う心とは裏腹に

僕の指先は自然と


"ありがとう"


送信していた



霞依は優しいから


"うん！"


と、普段付けないような


ビックリマークを付け返信してきた



なんだろう、心が暖かいや



この気持ちはなんだろう



これが、嬉しいというやつなのか



忘れかけていたはずの感情が取り戻された



そんな時間だっけな



霞依と出逢った時から



僕の人生狂いっぱなしだよ



なんて、戯言を言いながら過ごす日々



そんな日々も終わりを告げようとしていた






時間は僕らを待ってはくれなかった


余命の1年が過ぎ去ろうとしていたのだ


だから、最後にきっと君が見ているであろう


空に向かって叫ぶよ


"Happy birthday"



そして



"また来世巡り会おう"




そう言って、僕は線香の香りと共に


幸せの楽園へと飛び立った＿＿。