不動坂の途中に、その店はある。
三宮の喧騒からも、異人館通りのエキゾチックな風情からも少し離れた、ごく普通の街並み。
バー「YANAGASE」は、神戸でも草分けといわれるオーセンティックなバーだ。
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拙文「バー・ピーチハート」的にイントロを書いてみました(笑)。
ともあれ、不動坂にあるバー「YANAGASE」は、本当に素敵な大人の場所なんです。
初めて訪れたのは、まだダンナと結婚して間もない頃。
憧れの神戸、憧れのオーセンティックバー。
その頃、古谷三敏さんのコミック「BAR・レモンハート」の影響もあって、おいしいお酒と雰囲気のいいお店に憧れていた私たちは、ガイドブックでこのお店のことを知り、いつかは行ってみたいと熱望していました。
願い叶ってようやく訪れたそのお店は、北野坂のようににぎやかな通りではなく、一本はずれた不動坂の途中にあって(しかもすぐ向かいに交番…笑)、きらびやかな看板があるわけでもなく、静かにひっそりとたたずんでいました。
階段をのぼり、重たい木のドアを開けると、そこは想像していたとおりの素敵な空間。
磨きこまれた木のカウンター。
壁に作りつけられた棚一面に並べられたさまざまなボトル。
静かに流れるジャズ。
奥の壁には暖炉の火が揺れて…。
「いらっしゃいませ」とカウンターの中で微笑む初老のマスターがいて。
絵に描いたような「レモンハート」の世界です。
それ以来、神戸に泊まる機会があれば、必ず足を運んでいるお気に入りのお店です。
以下は、以前NOTEに上げた拙文の再掲です。
今回はYANAGASEには行けなかったのですが、神戸というとやはりこのお店を思い出しますね。
🍸️
神戸に
YANAGASEというバーがあります
素敵なバーテンダーさんがいて
棚にはずらりと並ぶお酒のボトル
磨きこまれたカウンター
暖かく揺れる暖炉の炎
心地よいジャズの音色と
洒落たおしゃべりに癒される
至福のひととき
阪神淡路大震災の後
お店がどうなったのか
とても心配でした
一年ほど経って訪ねてみると
不動坂のお店は
変わらぬ姿でそこにありました
お店の佇まいも
ドアを開けて目に入るカウンターも
マスターの笑顔も
何もかもあの日のまま
ああ 良かった…!
いつかまた行きたいな
あなたとふたりであのお店に
懐かしい記憶に出会うために
🍸️