楓椛・2021-10-25
好きな人
昔の話
思い
貴方じゃなきゃだめなの
「世界なんて簡単に変えられる」
そう信じて疑わなかった頃の僕らは
今思うと
愚かで、馬鹿みたいで、幼稚で。
でも、きっと
何よりも強くあった
辛いのに
苦しいのに
そんなのも
どうでも良くなるくらい
強い生きる意味をくれたあなたに
心の底から
『ありがとう』
初恋が君だったら良かったのになぁ
君の写真を削除することなんて
簡単だと思っていた
君の字を見たら、手を見たら、寝顔を見たら、
君の生きて"いた"場所を見たら
この何十枚の写真を消すことができなくなった
僕が"束縛"や"依存"を拒んだから
僕の"我慢"や"頑張り"、"努力"が
足りなかったから。
僕がもっと"相手の気持ち"を考えられていたら
僕が"自分の気持ち"を表に出さなければ
ヒトリ
[孤独]にならずに済んでたのかな。
あの頃、あの瞬間に戻りたい
そう強く願っても
君は私の目の前に現れることはなくて
ないものねだりをしてる
でも、もし戻れるなら
私は目の前にいる君を
目に焼き付けて
幸せを噛み締めるんだ
先生の車ではないけど、
先生が運転する車の助手席になら乗ったことある。
授業で3列シートのトラックを先生が運転して
作業場から駐車場に出すって言うから、
お子ちゃまなフリをして
「3列シート乗ってみたい!お願い!」
って頑張って言ったら、
先生、笑いながら「いいよ」って言ってくれたよね。
助手席と中間席の間に座って、
先生と2人きりの空間で、
「凄い」って言うことしか出来なかったけど、
あんなにドキドキした空間は初めてだったよ。
きっといつまでも忘れない。
「皆」を好きで仲良くしたのではなく
「皆と仲良い自分」が好きだったんだ。
だから、「皆」が離れていったんだね。
漫画アニメや小説の会話が
現実の会話の参考になると思っていた。
けれど、現実はもっと複雑に出来ていた。
一人によって描かれた予定調和の会話
現実は、一人では思いつかない程の
想いや人生の背景が絡み合っていた。
君といると思わず笑顔が零れて
そんな私を見て君も笑顔が弾けて
二人とも見合って、思わず笑った。
今思い返すと、凄く楽しくって
でもなんで楽しかったのかなんて
覚えてなくって
また会いたいなって思った。
でも多分会う事は出来ないから、
もう会う事は無いだろうから
大切に思い出として取っておく。
あの時の気持ちも、
あの時の笑顔も
全部、私だけの宝物だ。
『刃物って綺麗だよね』
刃物をぼうと見つめながら
静かで楽しげな声で言う
俺はそれに魅入ってしまって
何も言えなかった
他校の君にはもう会えないけど
私はずっと好きだった
その事だけを伝えたい
そして会いたい
前に叶夢に聞かれた事がある。
【月霞は人の感情が見てみたい?】と。
僕はその時
「見えた方が楽なのかな。」そう答えた。
けど違うよね。
人の感情を僕よりも
読み取りやすい叶愛にとっては
とてもしんどかった事だったよね。
だって僕の事が好きな人も嫌いな人も
分かってしまうから。
僕に嘘をつかないといけない。
けど嘘は付きたくない。
理由は人を傷付けるから。
最初僕はそう教えたから。
叶夢はそれを守ってる。
でもね。
僕、叶夢に救われたんだよ。
あの人と関わらなくなって楽になった。
叶愛が教えてくれたからだよ。
あの人は僕に嘘を付いていた。
まして、僕の嫌がらせの犯人だった。
疑いたくない気持ちと疑ってる気持ちで
揺らいで不安定な僕を救ってくれた。
小さいなりに僕のちからになってくれた。
ありがとう。そしてごめんね。
皆から声をかけられる
あの子が羨ましかった。
あの子は普段から人と
積極的に関わっていて
皆と楽しんでるだけだった。
自分から関わらずに
他人からの興味を試すだけで
待ってる私は滑稽なだけだった。
誰からも必要とされていないと
思い込んでた苦い日々。