佐々木・2018-05-16
春雨
はらはらと降る春雨で
しおらしさ薫る紅の花。
その、心寄り添うような
優しい薫りは、
静けさ研ぎる夜の世界に
私を溺れさせていくのだろう。
雨の日、
女性モノの傘を差して、
家を出るのが、
大好き。
雨が嫌いだ。
気分は落ち込むし、
髪はまとまらないし
濡れるし。
でも、君が「雨は好き」と微笑んだから
水溜まりに映る青空も、
葉から滴り落ちる雫も、
大きくかかる虹も。
雨上がりの美しさを知れたんだ。