#暗がりにぼやける冷焔

時間を流すようにぼんやりと過ごし
遠くに見える森を眺めて
今日は空が綺麗だなとか考えちゃって
分量間違えた苦いコーヒーを両手に包み
こんな日もあるよねって目を閉じて
独りの空間に閉じこもるの

あなたの理想に合わせた私だけでなく

そのままの私にも

ほんの少し笑いかけてくれたらな

心が疲れた時はふと、独りになりたくなる
暗い廊下に差す月明かりを浴びて
特に何を考えるでもなく、廊下の先を見つめてみる
君との会話を思い出して少し頬が上がる
やめてよ、今君が出てきたら
現実とのギャップが濃くなるだけじゃん

ズレ始めた歯車を戻そうと足掻いても

焦りがズレる速度を加速させ

相手に寄れば寄るほど距離が空く

どこで間違えたのかな

耐え抜いた冬の先に見つけた光
春の訪れを期待し覗かせた顔
踏み出し踏んだのは
まだまだ冷たい雪でさ
ひっこめた足は赤くなってる
光は遠ざかり、先には影が
どうしよう
まだ走れない、追い付けない

人に手を差し出す勇気はあっても

差し出された手を頼る勇気はなかった

今にも消えそうな心の灯火

ゆらゆらと揺れる様を綺麗だと言われたの

それでいい、それがいい

正確すぎる世界になれば

小さな優しさに気付けなくなるから

君の苦しさを詰めた瓶

私の楽しさを詰めた瓶と交換しよう

君の笑顔が見られるのなら

貰った苦しみを幸せに変換できるから

心を削って生きていた頃

あの時ほど綺麗な月を

今、心に映すことはできない

暗い中に光る月だけが

不安と後悔に喘ぐ夜

唯一、濁った息を止めてくれた

夕日に染まる横顔に

私の知らない君を見つけた

支え合う関係の崩れた二人の間に

時の流れが割り込むのは

想像以上に簡単だったらしい

今より良く生きたくて
前よりちゃんと生きたくて

夢を見つけて学び始めて
弱かった欲を強めて見つめて

過去を振り払おうとすればするほど
離れなくなって濃く心に影を落として

数年前より強くなったはずなのに
数年前より抱えるモノが多くなって

昨日より頑張ってるはずなのに
昨日より進めなくなってて

私はただ、楽しく生きたいのに
楽しくなるには持ってるモノが重くて

手放そうとしても手放せなくて

何のためにこんなに前を向こうとしているのか

それすらもわからなくなってしまう

今が楽しいのは事実なのに
今が苦しく感じる時に

その楽しさも嘘だったのかと思えてしまう

なのに、また前を向いていて

消えたり戻ったり
私はなにか見えないモノを追いかけて生きている

せめて、この世から去る時に
追い求めたモノが濃くハッキリと見えますように

あの頃、精神的に追い込んだ原因は家族で

あの瞬間、私を救ったのも家族

心に深く入り込んだ人からの言葉と態度は

良くも悪くも響く

皆、過去に囚われた人間

過去からしか学べないもの

煌びやかな外に憧れ背伸びする

照らされた足元に広がるのは

不器用ながらも築いた安心地帯

別世界に住む私には

陽と交えない陰が向いている

たった一度の主張で壊れたのだから

気軽で対等な友達ではなかったってこと

冗談言えて拒否できて

ちょっとした悩みも言えて

そんな関係を大切にしたいから