達也・2020-03-29
未来が見える望遠鏡
『未来が見える望遠鏡』
随分前、夢の中である物をもらった。
それは未来が見える望遠鏡。
「もう要らないからあげるよ。
ただし未来が見えるまで諦めるな」
その人はそう言って去って行った。
あれから何度も望遠鏡の夢を見た。
何度覗いても未来は見えない。
まあいい。
ある日、夢でまた前の持ち主と会った。
彼は言った。
「まだ未来は見えないのか?」
俺はこう答えた。
「夢の中の未来より現実の未来がいいな」