はじめる

#法の女神

読んでると、
思わず胸がギュッとしめつけられる、
そんなポエムを集めました。

全1作品・

「夢見る少女と
何も変わらない
その後の世界について」



人気のない、
劇場の舞台の上。

そこに
少女はいた。

少女は、この舞台に立つことを
ずっと夢見ていたのだ。

今日は、
1人、
夢を語りに来ていた。

誰に聞かれるわけでもなければ
誰に見られる訳でもない。
この場所で。

少女は
真っ直ぐ前を見据えた。

大きな、まん丸の瞳を、
きらきらと輝かせながら、

その小さな声で、
小さな体で、
大きな夢を語り尽くした。

誰にも知られないままに。


ー数年後ー

あれから少女は、
大人になり、
会社で働いている。

“なんだお前、
茶も上手く注げないのか?“

“あの人と話さない方がいいよ~“

根も葉もない噂が飛び交い、
上司にこき使われる彼女。

いつしか、
彼女の目には
光が灯らなくなっていた。


最早、
夢が何なのかも分からなくなり、

自分という人間が、
人にどう見られているのかを、
気にするようになっていたのだ。


“泣き方さえ、
もう、
分からなく
なっちゃったじゃない。“


その声も、
風で掻き消されてしまう。




その日、

彼女は、

あの頃のように
廃墟となった
劇場の上に立った。


無論、劇場に人気などなく
彼女1人が舞台に居るのみだ。


くすっと、彼女は笑う。

「私の居場所は
此処にしかないのかもね。」

ポケットに手を突っ込み、
幾つかの薬を取り出した。

ごくん。

(これで私はこの世から、
やっと、離れられる)

安心したかのように
彼女はステージの上に、
大きく倒れ込んだ。

「ほんと、
私の人生って
なんだったんだろ。」


その直後、

彼女の意識が遠のき始めた。

ー数分後ー

死に際、
少女は呟く。
「せめて、最後ぐらいは
儚い夢でも魅せて」と。



その瞬間。

彼女の声を聞いたかのように、

くるくると
踊り子が舞台を舞い

数々の
ショーが
目の前で繰り広げられた。


火の中をくぐり抜ける百獣の王、

沢山の玉を
軽々と回す道化師。

白い羽根を
華麗に羽ばたかせる鳩達。



もちろん、
このショーは
彼女の幻想であり幻覚である。

だが、
その舞台を見つめる

彼女の瞳には
あの頃のように
光が灯り始めたのだった。



ー死後数時間ー

真っ白な天使が
彼女を連れて
空高くへと飛び立っていく。

あの日夢見た舞台へ、

きらきらと輝きを放つ
あのステージを尻目に

羽ばたいて行ったのだった。


ー少女の死後の世界ー

彼女が亡くなったことが
ニュースにゆっくりと流れた。

だが、
彼女が亡くなった今も
何も此処は変わらない。

上司が部下を見下し、
罵声を浴びせ、

その人を
何も知らない人々が

なんの根拠もなく、
ことごとくバッシングする。


死してなお、
変わることの無い世の中に

救いの手など
あるものなのだろうか。

身を削られる人々ばかりの
この世が
はたして

良いものになるのか。



天界では少女が
下界を見つめながら


“ほんっと
学ばないなぁ、、
うちの上司も、

あの人たちも。“
と、心底失望していた。


彼女はもう、
変化のない彼らに

いい加減
怒りを覚えるどころか、
もう
呆れ返ってしまっていた。


うんざりして、
聖殿に戻ろうとしたその時。


テュケ「テミス~??浮かない顔して、どうしたの?」


天界に上がった時
友人となった同期、
テュケが傍に立っていた。


テュケ「まーた下界見てたなぁ~??」


テミス「テュー?!いつの間に…
何でもないわ。さ、聖殿に戻りましょう。」



図星すぎて半分吃驚しつつ

私たちは
皆の待つ
聖殿へと向かっていった…







続きでも書こうかな…

宗教が好きな訳じゃないんですけど
歴史がとてつもなく好きなので
(特に世界史)

女神様方登場する話書くの
おもろそうと思ってるんですよね…




※テミス…法の女神。
神ウラノスと大地の女神ガイアの間に生まれる。

ギリシャ語で「安固、」を意味する。
転じて、
「法」となる。

法に守られなかった彼女。

天界に行った後、

法によって救われない人を守る、
そんな人な気がして、
テミスとなりました。


※テュケ…運命の女神。
テュケーとも呼ばれる。
ギリシャ語で「運」や「偶然」。

ローマでは
フォルトゥナと呼ばれる。

しばしば
盲目あるいは目隠しした姿で
表された。

テミスと仲のいいテュケ。

運命と法の女神って
相性良さそう、、
と思いまして…

真反対、だからこそ良い、的な?

Snow White・2日前
舞台では夢を魅せて
小説
久々に書いた
拙い文章でごめんなさい
また続き書くかも!
テミス
テュケ
法の女神
運命の女神
神話
「夢見る少女と何も変わらないその後の世界について」

これらの作品は
アプリ『NOTE15』で作られました。

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